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詐欺

【2024年最新】SNS︎や掲示板での高収入バイトで実刑に?特殊詐欺の出し子について徹底解説

「短時間で簡単に大金を稼げる」と闇バイトに応募した結果、犯罪実行者である「出し子」であることが判明し、実刑を受けてしまうといった事例も少なくありません。受け子と並び、詐欺事案の中で最も検挙数の多い背景を踏まえ、今回は注意喚起の意味も込めて、10代〜20代を中心とした若者層の関与が最も高い特殊詐欺の「出し子」について徹底解説していきます。

【2024年最新】SNS︎や掲示板での高収入バイトで実刑に?特殊詐欺の出し子について徹底解説

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皆さんは、昨今、「短時間で簡単に大金を稼げる」との誘い文句で「闇バイト」の募集が増加している背景をご存知でしょうか?

軽い気持ちでアルバイトに応募してしまった結果、特殊詐欺グループの“犯罪実行者”である「出し子」であることが判明し、実刑を受けてしまうといった事例も少なくありません。

「出し子」は、文字通り、詐欺の被害者から振り込まれた現金を引き出したり騙し取ったキャッシュカードから不正に現金を引き出すといった役割を指します。

しかし、「短時間で高収入」「即日払い」などの甘い言葉に騙された結果、都合の良いように利用された挙句、「捨て駒」として切り捨てられてしまうため注意が必要です。

「受け子」と並び、詐欺事案の中で最も検挙数の多い「出し子」ですが、10代〜20代を中心とした若者層の関与が最も高いとされています。

今回は、闇バイトによる特殊詐欺が、私たちが日常生活で慣れ親しんでいるSNS(ソーシャルメディア)やインターネット掲示板等で増加している背景を踏まえ、注意喚起の意味も込めて、特殊詐欺の「出し子」にまつわる、次の項目を徹底解説していきます。

  • 「特殊詐欺」の概要
  • 「闇バイト」の概要
  • 「受け子」の概要(成立しうる刑罰とケースについて)
  • 闇バイトの「出し子」として逮捕された場合の流れ
  • 特殊詐欺の「出し子」をした場合のリスク
  • 「闇バイト」に関わらないための注意事項
  • 「闇バイト」に関与してしまった場合の相談先
  • 「闇バイト」に関与した場合、弁護士がサポートできること

そもそも「特殊詐欺」とは

「特殊詐欺」とは、電話やハガキ、メール、SMS(ショートメッセージ)等を通し、巧みな話術や心理操作を用いることで、不特定多数の者から現金を騙し取る犯罪の総称です。

現金やキャッシュカードを騙し取るために、示談金銀行口座の不正利用未公開株税金や保険料の還付等の返金などを名目にするのが一般的です。

また、特殊詐欺の手法の一つに、被害者を信用させるため、親族や知人だけでなく、警察町役場・区役所の職員税務署や国税局の職員金融機関職員(銀行)などを名乗ることが挙げられます。

年々、詐欺の手法が複雑化していることを踏まえ、「自分は騙されない」と詐欺の標的になるというリスク過小評価し、警戒心を持たずに、詐欺師の話を鵜呑みにするのは危険です。

重ねて、警視庁では、特殊詐欺の手口について、大きく次の10種類に分類できると公表しています。(令和2年1月1日)

特殊詐欺の種類具体的な内容
1. オレオレ詐欺親族が起こした事故や事件、トラブルの示談金等を名目に金銭を騙し取る手口
2. 預貯金詐欺警察官や金融機関職員であると装い、キャッシュカードや預貯金通帳を騙し取る手口
3. 架空料金請求詐欺未払いの料金があるなどと謳い、架空の事実を口実に金銭等を騙し取る手口
4. 還付金詐欺架空の還付金や医療費・保険料の過払い金、一部未払いの年金が返金があると謳い、その手続きをすることを名目に金銭等を騙し取る手口
5. 融資保証金詐欺架空の融資を提供すると偽り、その条件に保証金など一定額の金銭=融資保証金を名目に、金銭等を騙し取る手口
6. 金融商品詐欺価値のない未公開株や新規公開株、ファンド、高価な品物を今後値上がりすると偽り、その購入代金としてお金を騙し取る手口
7. ギャンブル詐欺雑誌やメールで、パチンコ打ち子を募集したり宝くじの当選番号教える等の名目で会員登録料や情報料等の名目でお金を騙し取る手口
8. 交際あっせん詐欺異性を紹介すると称し、高額な仲介料や会員登録料金、保証金などの名目でお金を騙し取る手口
9. キャッシュカード詐欺盗(窃盗)警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員を名乗り、不正利用されたなどと謳い、キャッシュカードをすり替えるなどして盗み取る手口
10. その他の特殊詐欺上記の類型に該当しない特殊詐欺のこと
警視庁公式ホームページ

詐欺師はさまざまな名目で被害者から現金やキャッシュカード等を騙し取ろうと試みるため、巧妙化する手口に対し、少しでも違和感を感じた際には、急いで振り込みを行わず、請求元に問い合わせ真偽を確かめるよう徹底しましょう。

未成年をはじめとする若年者の検挙数が増加する「闇バイト」とは?

「闇バイト」とは、私たちが普段利用するSNS(ソーシャルメディア)やインターネット掲示板等において、仕事の内容を明らかにせず、高額報酬を謳ったアルバイトを指します。

しかしながら、これは一般的なアルバイトとは異なり、犯罪が露呈した際、「捨て駒」として利用される“犯罪実行者”の募集です。

特殊詐欺犯は、主に10代〜20代の若者を犯罪グループに引き込むため、「即日現金」「高額即金」といった誘い文句を用います。

若年層が「闇バイト」に関与してしまう傾向が高い理由として、次の要因が挙げられます。

  • SNSが普及し、犯罪に簡単に加担できてしまうプロセスが広まっている
  • 金銭的な必要性に対し、闇バイトはお金を稼ぎたいという欲求を簡単に叶えてしまう

しかし、一度でも「闇バイト」に関与してしまうと、犯罪グループから抜け出すことが困難となり、次々と犯罪の手先として利用される危険性が高いため、十分な注意が必要です。

特に、詐欺の「出し子」など詐欺グループの末端に関わる者は、都合の良いだけ利用され、最終的には人為的犠牲となる可能性が高い立場にあります。

検挙された際には、詐欺行為が露呈しないよう、匿名性が高くメッセージが自動削除される「Telegram(テレグラム)」や「Signal(シグナル)」、「WeChat(ウィーチャット)」などのアプリの使用が要求されます。

目先の利益を求めて闇バイトに関与することは、詐欺の首謀者でなくても、罪に問われる可能性が高いことを理解することが大切です。

特殊詐欺の「出し子」とは?成立しうる刑罰とケースは?

特殊詐欺の「出し子」とは文字通り、詐欺グループが被害者から得たお金を引き出す際の代理人として、銀行口座を開設したり、ATMから現金を引き出したりする役割のことです。

具体的には、「還付金詐欺」や「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺において、被害者から騙し取った現金をATMから引き出すことが役割です。

「受け子」と同じ手法で募集されますが、犯罪グループの資金源となる現金を受け渡すまでが役務であるため、受け子に比べ、詐欺グループ内での信頼度が高い立場の人員が選ばれるといった特徴があります。

資金の受け渡しを行う「出し子」ですが、詐欺行為が露呈した際、「受け子」を含め、真っ先に逮捕されることになり、犯罪グループの上位者まで捜査の手が及ぶことは非常に稀です。

特に、詐欺の出し子の場合、現金を引き出す際に、ATMに搭載された高精度カメラにより、鮮明に人相・服装などが証拠として記録されます。

従って、警察は、公共機関の利用履歴などから個人を速やかに特定し、逮捕状の請求後、通常逮捕するのが一般的です。

多くのケースで、詐欺行為の全責任を負って刑事責任を負ったり、逮捕されるといったことを考慮すると、「短時間で高収入を稼げる」といった“うまい話”に乗ることはあまりにも危険と言えます。

「出し子」は罰せられるのか?

特殊詐欺の「出し子」として逮捕された場合、「窃盗罪」が成立します。

その理由として挙げられるのは、(被害者から騙し取った)現金をATMから引き出す行為=不正に現金を窃取したと判断されるためです。

窃盗罪に問われた場合、10年以下の懲役または50万円以下の罰金といった法定刑が課せられます。

懲役の言い渡しが3年以下に収まる場合、執行猶予の対象です。

「実刑」と「執行猶予」とは

懲役の「実刑」判決が下された場合は、すぐに刑務所に入ることになります。一方、「執行猶予」は、刑務所に入るまでの猶予期間が設けられ、すぐに刑務所に入る必要はありません。

窃盗罪は、罪名だけ見ると、万引きなどの比較的軽微な犯罪と同等の扱いに思えますが、「出し子」のように、特殊詐欺に関与している場合は、被害額の大きさも考慮すると、罰金刑だけで済むことはありません。

初犯であっても、実刑判決が下されることに加え、特殊詐欺に関与した回数が多いほど刑罰も重くなるなど、重大犯罪として扱われます。

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪だけでなく、詐欺罪も成立する可能性がある⁉︎

詐欺行為の具体的な計画段階から携わっていた場合、共謀共同正犯として、窃盗罪だけでなく、「詐欺罪」にも問われる可能性があります。

詐欺罪に問われた場合の法定刑は、10年以下の懲役です。

前提として、特殊詐欺は、組織的かつ計画的犯罪であり、詐欺罪には、罰金刑は規定されていません。

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

たとえ「出し子」であっても、特に悪質性が高い特殊詐欺の類型の場合、初犯であるか否かを問わず、実刑判決の可能性が高いです。

刑事裁判で有罪となり、実刑または執行猶予(判決が懲役3年以下)になった場合、文字通り、前科がつくことになることを理解しましょう。

犯罪と知らなかった場合にも罪に問われるのか

詐欺行為に関与する「出し子」であると知らずに、闇バイトに関与した場合でも、罪に問われます。

通常、「現金を引き出すだけの高額バイト」「違法ではないため、逮捕されることはない」などの常套句で勧誘を受けますが、それは大きな間違いです。

どの被害者を狙うかなど計画段階に携わった首謀者でなくても、「法律を知らなかった場合でも、罪を犯す意思がなかったことにすることはできない(第38条3項)と定められています。

詐欺グループが犯したことすべてに責任が生じるため、うまい話を鵜呑みにして、怪しいバイトに手を出すのは絶対にやめましょう。

(故意)

3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

闇バイトの「出し子」として逮捕された場合の流れ

こちらの章では、特殊詐欺の実行犯である「出し子」として逮捕された場合の流れ(刑事手続の流れ)についてご紹介します。

闇バイトの「出し子」は、たとえ初犯であっても、窃盗罪に問われてしまうため、高収入の怪しいバイトに関わらないことはもちろん、違法性の有無について、慎重に判断することが重要です。

逮捕後の流れについては、次の表をご覧ください。

逮捕後の流れ具体的な内容
1.  逮捕後の身柄拘束:警察48時間以内身柄拘束:警察署内の勾留場へ収容され、警察官による取調べが行われる。

※自宅へ帰ることは許されない
2. 送致:検察官48時間以内に被疑者の身柄が警察から検察へ引き継がれる。

検察官による取調べが行われ、身柄を拘束するか否か判断される。
3. 勾留請求:検察官身柄を拘束すると判断された場合、裁判官に対し、「勾留請求」を行う。

その際、裁判官から「勾留質問」を受け、その返答をもとに、身柄を勾留するか否か判断される。
4. 勾留:警察官・検察官勾留が決定した場合、10日間留置場で身柄の拘束となり、警察官や検察官からの取り調べを受ける。

ただし、一定の要件を満たせば、10日間を上限に勾留延長となり、最大で20日間身柄を拘束される。
5. 起訴:検察官勾留の最終日までに、検察官が起訴・不起訴の判断を下す

「起訴」:刑事裁判を提起する(公訴)
「不起訴」:釈放される
※闇バイトなど複数の事件に関与した場合、再び逮捕されるケースも
6. 勾留被疑者から「被告人」へと立場が変わり、警察署の留置場から拘置所へと移送される

勾留は、刑事裁判が終わるまでの期間であるが、「保釈請求(一時的な身柄開放)が可能
7. 刑事裁判起訴から約1~2か月後に刑事裁判となる

およそ月1回の頻度で公判が開かれ、判決が下される

「実刑判決」:すぐに刑務所に収監される
「執行猶予」:刑務所に収監されるまでの猶予期間が設けられる

追記情報として、詐欺行為の実行犯である「出し子」のような詐欺グループの末端に属する人物を逮捕した場合、計画を立てた中心人物を見つけ出したり、組織の仲間に逃亡や証拠隠滅の指示を出さないよう、長期間の拘束が行われる傾向が高いといった点にご留意ください。

特殊詐欺の「出し子」をした場合のリスク

こちらの章では、「出し子」として闇バイトに関与した場合のリスクについてご紹介します。

「単なるアルバイトだろう」「少し怪しいけれど、一度だけなら…」と軽い気持ちで闇バイトに手を出してしまうのは、非常に危険です。

事前に対策を講じるとともに、これ以上被害を拡大させないためにも、あまりに条件の良いバイトに手を出してしまった際には、こちらの記事を思い出して、引き返しましょう。

  1. 脅迫され、逮捕されるまで犯罪行為を繰り返す
  2. 前科がつき、社会的信用やキャリアなどに悪影響を及ぼす可能性がある
  3. 退学処分や解雇または懲戒処分の可能性がある
  4. 実名報道される可能性がある
  5. 詐欺の被害金額に応じ、高額な損害賠償請求される

1. 脅迫され、逮捕されるまで犯罪行為を繰り返す

「出し子」として闇バイトに関与した場合、何度も犯罪行為に加担するよう脅されるという点が1つのリスクです。

「闇バイト」に応募する際、一般的なアルバイトと同様に、運転免許証マイナンバーカード学生証パスポートなどの身分証を提供するよう求められます。

しかし、詐欺グループに氏名住所携帯番号学校名勤務先口座情報SNSアカウント情報等の個人情報を提供することは非常に危険な行為です。

個人情報や身分証明書の写真が控えられてしまった場合、それらの情報をもとに「家に行く」「学校に報告する」「就職できなくする」「犯罪行為をバラす」といった脅迫が行われ、辞めたいと思っても、逮捕されるまで抜け出せなくなります。

さらに恐ろしいのは、何度も闇バイトを繰り返すよう脅迫されるだけでなく、個人情報が特殊詐欺グループに共有されることになる点です。

個人情報が共有されてしまった場合、無断で個人情報が売られたり、口座が犯罪に再利用されたりする可能性があるため、くれぐれも注意しましょう。

2. 前科がつき、社会的信用やキャリアなどに悪影響を及ぼす可能性がある

「出し子」として闇バイトに関与した場合、逮捕後に実刑判決もしくは執行猶予判決を問わず、前科がつくという点が2つ目のリスクです。

社会生活をする上での前科によるデメリットについて、次の表をご覧ください。

項目具体的な内容
1. 学校に知られた場合、退学になる可能性がある学校は生徒による不適切な行動を厳しく取り締まるため、犯罪歴が明るみに出れば退学や退学勧告の対象になることがあります。
2. 会社を解雇または懲戒処分される可能性がある各企業の就業規則によりますが、前科を隠して就業したり、犯罪が明るみになった場合、解雇や懲戒処分の対象になることがあります。
3. 就職活動や転職活動事前申告が求められたり、採用されない可能性がある就職活動や転職活動時、事前に前科の有無を申告することが求められ、その結果採用されない可能性があります。
4. 就業できない職業がある特定の職業や業界では、前科があると就業することが許可されません。
5. 警察や検察庁に記録が残る逮捕や刑事裁判の記録は、警察や検察庁のデータベースに残ります。
6. 海外渡航の制限海外渡航時に犯罪歴の申告の必要性があり、特定の国では、入国審査で入国が拒否されることがあります。
7. 再び罪を犯した場合、刑事裁判で判決が重くなる前科があると、再犯時の裁判において有罪判決が重くなることがあります。
8. ニュース記事等、インターネットに犯罪の記録が残るインターネット上には犯罪者の情報が公開されることがあり、個人の評判や信頼に大きな影響を与える可能性があります。

前科による就業制限として、弁護士や教員、医師、税理士などの国家公務員資格を有する職業をはじめ、警備員や金融に関する職業に就業することができなくなるため、注意が必要です。

3. 退学処分や解雇または懲戒処分の可能性がある

「出し子」として闇バイトに関与した場合、学校を退学処分になったり、会社を解雇または懲戒処分になる点が3つ目のリスクです。

前述の通り、「出し子」が詐欺罪などで逮捕されると、拘束勾留が行われます。

この期間中は、自宅や学校、会社への出入りが制限されるため、一定期間不在であることが周囲から疑われる可能性が高いです。

特に最近では、特殊詐欺の「出し子」の逮捕後に報道されるケースが増えており、逮捕された事実を隠し通すことはますます難しくなっています。

学生の場合、学校の規則に基づき、退学処分など、厳しい処分が下されるでしょう。

一方、社会人の場合には、会社の就業規則に従い、特殊詐欺事件への関与は重大な問題と見なされ、懲戒処分が下されることが一般的です。

犯罪に関わることは、社会的信用キャリア学歴などに深刻な悪影響を及ぼす可能性が非常に高いため、自らの選択を慎重に考えることが賢明ではないでしょうか。

4. 実名報道される可能性がある

「出し子」として闇バイトに関与した場合、実名報道される可能性がある点が4つ目のリスクです。

特殊詐欺事件はメディアの注目を集めやすい話題の一つです。

詐欺の計画を立てた首謀者でなく、詐欺グループの末端に属する「出し子」であっても、報道の対象となるケースがあります。

報道される際には、顔写真実名が公表されることから、出し子本人だけでなく、その家族社会的な制裁を受けることも少なくありません。

このような事例を踏まえると、社会的な信用の低下だけに留まらず、周囲の人間関係の悪化職場や学校での扱いなど、個人のプライバシーや名誉に影響を与える可能性があります。

また、インターネット上では、社会の関心を集めやすい情報は容易に調べられ、過去の犯罪歴が公になることも考えられるでしょう。

不起訴や執行猶予付き判決を得たとしても、社会復帰や就職活動など、将来の社会復帰に与える影響は深刻です。

そのため、社会的な信用の低下や人間関係の悪化、職場や学校での扱いなど、個人のプライバシーや名誉に影響を与える可能性が0ではありません。

5. 詐欺の被害金額に応じ、高額な損害賠償請求される

「出し子」として闇バイトに関与した場合、特殊詐欺の被害者に対する損害賠償を支払う必要がある点が5つ目のリスクです。

詐欺の被害金額が100万円を超える場合は、特殊詐欺の被害者から民事上の責任を追求すると、民事裁判を提訴された場合、損害賠償請求される可能性が高いです。

被害金額が100万円を超える場合、特殊詐欺の被害者は民事裁判を提起し、損害賠償を求めることがあります。

たとえ「知らなかった」と主張しても、犯罪グループは責任を免れる手助けはしません。

前述したように、犯罪が発覚すれば学校や会社において、退学や懲戒解雇などの厳しい処分を受ける可能性がある上に、前科がつくことで将来のキャリアや職探しにも深刻な影響が出てしまいます。

重ねて、特殊詐欺の「出し子」本人が未成年の場合、両親が損害賠償責任を負う可能性があることにご留意ください。

自分の身を守るためにも「闇バイト」に関与しないための注意事項

こちらの章では、詐欺の「出し子」をはじめ、闇バイトに関わらないための注意事項についてご紹介します。

詐欺師はさまざまな手法を用いて「闇バイト」の人員を募集しますが、実際に応募する前に違法性の有無について、しっかりと判断することが大切です。

  1. 条件の良すぎるアルバイト募集には注意
  2. 困った際には、公的機関による「闇バイト」の注意喚起情報を確認

1. 条件の良すぎるアルバイト募集には注意

SNSや掲示板などで、「書類を受け取るだけで高額報酬」「1件10万円〜安全に稼げます」「短時間勤務!即日入金」「ホワイト案件!リスク無し!高校生も可」といった、応募者にとって条件があまりにも良すぎる求人情報には、警戒が必要です。

「簡単に大金を稼げる」といった魅力的な求人は、実際には特殊詐欺に加担することになるかもしれません。

普段から多くの人が利用しているSNSや掲示板でも、詐欺グループが潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。

詐欺グループが「闇バイト」の募集や「出し子」とのやり取りに使用するツールは次の図をご参照ください。

【募集】SNS【募集】WEBサイト・掲示板【募集】その他連絡係や指示役とのコンタクトツール
Twitter(現X)爆サイ歓楽街の電柱に貼られた QR コードTelegram
Instagramジモティー自宅ポストに投函された求人チラシSignal
Facebookindeed求人情報サイトWeChat
iMessageエンゲージ求人情報冊子DingTalk

※上記のSNSやツール自体に問題があるわけではありません。

また、募集情報には#(ハッシュタグ)で「U(受け子)」「D(出し子)などの隠語が使用されることがあり、未成年をターゲットにすることもあります。

一度だけなら大丈夫と判断せずに、家族友人信頼できる第三者警察などの専門機関に相談することが重要です。

2. 困った際には、公的機関による「闇バイト」の注意喚起情報を確認

「出し子」をはじめとする闇バイトに関与しないためにも、少しでも怪しいアルバイト募集を見つけた場合は、実際に応募する前に、警察などの公的機関による注意喚起情報を確認することが大切です。

また、闇バイトに関する情報を公的機関による専門の相談窓口に相談することで、自身の身を守るだけでなく、報告された情報が他の人々を守る一助にもなります。

甘い言葉に騙されず、少しでも違和感を感じたり、闇バイトである兆候が見られた際には、家族友人最寄りの警察署少年相談窓口などに相談しましょう。

重ねて、怪しいアルバイトの面接で身分証明書の提示を求められたり、「預かり金」を要求されたりするのは、闇バイトの兆候です。

闇バイトは、応募の段階でもリスクが伴うため、SNS(ソーシャルメディア)やインターネット掲示板等などで募集される闇バイトには絶対に応募しないようにしてください。

「闇バイト」に関与してしまった場合の相談先

こちらの章では、「闇バイト」に申し込んでしまった場合をはじめ、抜け出したいのに抜け出せない方、闇バイトを発見した際に相談できる機関についてもご紹介します。

「出し子」をはじめとする闇バイトに手を出した場合、犯罪であると気付いて、グループから抜けようとしても、多くのケースで、「周囲の人間に危害を加える」などと脅される可能性が高いです。 ​

万が一、被害に巻き込まれた際には、1人で抱え込まず、早急に下記の窓口にて助けを求めてください。

重ねて、ご自身で詐欺であるか判断がつかない場合、実際に犯罪に加担したりする前に、家族や友人をはじめ、信頼できる人物に相談しましょう。

1. 「闇バイト」に申し込んでしまった方

「闇バイト」に申し込んでしまったり、実際に関与していることが発覚した場合、次にご紹介する機関に問い合わせましょう。

「闇バイト」は、一度でも手を出すと、逮捕されるまで、何度でも「捨て駒」として犯罪に加担することになります。

警視庁は、安易な考えで応募しないよう注意喚起を行うとともに、仮に犯罪に加担してしまった場合でも、警視庁や県警による「ヤングテレホン」などの機関に助けを求めるよう呼びかけています。

相談機関名具体的な内容
1. 警視庁 総合相談センター相談内容に応じて相談窓口等の案内が可能

【電話番号】:#9110 または 03-3501-0110
都道府県警察本部:少年相談窓口
2. 犯罪被害者ホットライン事件や事故の被害にあわれた方やそのご家族が抱えるこころの悩み相談が可能

【電話番号】:03-3597-7830
【受付時間】:午前8時30分から午後5時15分まで(平日のみ)
3. ヤング・テレホン・コーナー(警視庁少年相談係)少年や保護者、その他関係者から、少年にかかわる相談が可能

【電話番号】:03-3580-4970
【受付時間】:24時間受付
4. 暴力ホットライン暴力団に関する相談が可能

【電話番号】: 03-3580-2222
【受付時間】:24時間受付

2. 「闇バイト」募集に関する投稿を見つけた方

Twitter(現X)やInstagramなどのSNS(ソーシャルメディア)やインターネット掲示板等において、「闇バイト」募集に関する投稿を見つけた場合、インターネット・ホットラインセンターまで通報しましょう。

警察署または警察庁が業務委託を行っており、通報された情報を警察へ提供するとともに、サイト管理者等に送信防止措置を依頼することが可能です。

相談機関名具体的な内容
1. インターネット・ホットラインセンター相談内容に応じて相談窓口等の案内が可能
公式ホームページ:https://www.internethotline.jp/

「闇バイト」に関与した場合、弁護士がサポートできること

こちらの章では、今までの内容を踏まえ、「受け子」として闇バイトに関与してしまった際に、弁護士ができるサポートについてご紹介します。

弁護士には、法的関連で対応可能な業務や裁判所・審理の制限がないため、相談者の状況に最も適した手段で、問題解決へ向けアプローチを講じることが可能です。

法律の専門家である弁護士の知見を頼りに、適切な解決策を見つけましょう。

1. 穏便に解決するため被害者との示談交渉を行える

「出し子」として特殊詐欺に加担してしまった場合、被害者との「示談交渉」は、刑事事件を最も穏便な形で解決する手段の一つです。

加害者が被害者に謝罪し、被害の補償として「示談金」を支払うことで、刑の減刑や執行猶予を獲得できる可能性があります。

しかし、被害者との示談交渉は、個人で行うことは、容易とは言えません。

第一に、被害者は、加害者に対して、強い処罰感情を抱いたり、報復を恐れて示談を申し入れても、相手にしてもらえないケースも少なくないため。

第二に、刑事事件において、被害者の心情に配慮し、加害者に被害者の連絡先を教えないためです。

そのため、真摯に謝罪をすることはもちろん、法的な知識と経験を備える弁護士を代理人とすることで、被害者の感情に寄り添い、交渉を進められます。

また、公平な第三者である弁護士が介入することで、被害者の心情に配慮し、示談交渉をはじめ、謝罪と反省の気持ちを伝えることが可能です。

2. 自首・任意出頭に弁護士が付添しサポート

「出し子」として特殊詐欺に加担してしまった場合、「自首」や「任意出頭」は、刑事事件を解決するにあたり、少しでも有利な処分獲得に向けた手段の一つです。

「自首」とは、自ら犯罪事実を申告し、処罰を求めることを意味し、まだ捜査が始まっていない段階で自分から犯罪を認めることで、処分が軽くなる可能性があります。

(自首等)

第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

「任意出頭」とは、すでに捜査が進んでおり、被疑者の呼び出しが行われている場合に、自分から警察に出向くことを意味します。

ただし、「自首」の場合と異なり、法律上刑の減軽を受けられるわけではありません。

「自首」や「任意出頭」ともに、罪から逃げずに、証拠をすベて提出し、責任を取る姿勢を示すものですが、1人で警察署に赴き、罪を申告するのは、不安を抱かない方こそ少ないでしょう。

取調べの際、きちんと「自首」として扱われているか、また、不当な身柄拘束をされないかはもちろん、身柄拘束の回避や短縮を望むなら、弁護士に依頼し、同行してもらうのが有効な手段です。

また、事前に不利益を被らないように慎重な受け答えに関するアドバイスや、勾留中の家族との「接見」を望む場合には、弁護士に相談し、警察署への派遣を検討してみてはいかがでしょうか。

3. 厳しい刑罰を回避するための弁護活動

「出し子」として特殊詐欺に加担してしまった場合、刑事裁判で執行猶予を付させるなど、少しでも軽い判決内容の獲得を目指すためには、弁護士のサポートが欠かせません。

弁護士が検察官や裁判官に対し、有利な証拠を集め提示することに加え、「示談成立の有無」や「被害弁済状況」、「出し子をした動機」、「反省の有無や度合い」などを正確に伝える必要があります。

そのため、早期段階で弁護士に相談し、速やかに被害者と示談の話を進めるなど、適切な弁護活動をすることが重要です。

特殊詐欺事案に強い弁護士であれば、法的な手続や交渉、訴訟に精通しており、適切なプロセスを円滑に進めることができます。

時間が経つほどに解決が困難となる詐欺事案に対し、被害者に寄り添い解決を目指すとともに、犯行に至ってしまった経緯を見つめ直し、再犯防止対策を考えましょう。

まとめ

いかがでしたか?

ここまで、闇バイトの一種である「出し子」の概要と対処法について解説させていただきました。

詐欺被害を未然に防ぐためにも、次の2つのポイントを覚えておくことが重要です。

  • 条件の良すぎる求人には警戒する
  • 公的機関による「闇バイト」の注意喚起情報をチェックする

また、SNS(ソーシャルメディア)やインターネット掲示板等での求人情報にも注意が必要です。

怪しいと感じた場合や闇バイトの可能性がある場合は、脅迫などの圧力がかかることもあるため、周囲の人や信頼できる第三者に相談することが大切です。

自分だけで判断が難しいときや少しでも危険を感じたときは、1人で問題を抱え込まずにすぐに家族や友人などの身近な人信頼できる人物に相談しましょう。

最悪の場合に備えて、法的な支援を受けるためにも、警察弁護士などの公的機関に積極的に連絡することをお勧めします。

※こちらの記事は、2024年4月1日時点の情報です。

お問い合わせ先

【XP法律事務所】

  • 代表弁護士:今井 健仁(第二東京弁護士会)
  • 所在地:〒104-0061 中央区銀座1-15-4 銀座一丁目ビル13階
  • TEL:0120-239-235(詐欺問題専用番号)
  • ホームページ:https://sagihigai-henkinsoudan.jp/illust02/02/g/lad/

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