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【2023年最新】Instagramで急増中!国際ロマンス詐欺の手口や対処法まで徹底解説
近年、インターネットが急速に普及したことにより、InstagramをはじめとするSNSやマッチングアプリなどを利用した「国際ロマンス詐欺」の被害件数が急増しています。本記事では、国際ロマンス詐欺とは何か・詐欺師の特徴・送金させる口実・被害に遭った場合の対応&対策など、皆様の一助となるよう、わかりやすく解説していきます。
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近年、インターネットが急速に普及したことから、インターネット上のSNSやマッチングアプリなどを利用した、国際ロマンス詐欺(ロマンス詐欺)の被害件数が急増しています。
特に、コロナ禍の行動制限により、SNSの利用率が増加した点やオンライン上での出会いが一般化したことで、ロマンス詐欺の被害が拡大していると考えられます。
メディアでも多く取り上げられ、詐欺の認知度が向上する一方で、いざ自分の身に起きると、判断が鈍り騙されてしまうケースが多々あるのです。
本記事では、国際ロマンス詐欺とは何か・詐欺師の特徴・詐欺師が送金させる口実・被害に遭った場合の対応・被害に遭わないための対策など、わかりやすく解説していきます。
この記事が、ロマンス詐欺についての対策を学びたい方や被害に遭ってお困りの方の一助となれば幸いです。
国際ロマンス詐欺とは?
皆さんは、「国際ロマンス詐欺」についてご存知ですか?
国際ロマンス詐欺とは、主にインターネット上のSNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどを通し、外国人を装い、恋愛感情を抱かせながら甘い言葉で対象者を騙し、金銭を送金させる詐欺のことです。
女性漫画家・井出智香恵さんが、映画「アベンジャーズ」のハルク役として知られるハリウッド俳優・マークラファロ氏を装う人物から7500万円もの大金を騙された一件で、「国際ロマンス詐欺」という単語を耳にした方も多いのではないでしょうか?
井出智香恵さんも騙されたという、テレビ電話でディープフェイクを用いた手口など、手間暇かけて騙す場合が多いことから、被害額が大きいといった傾向があります。
被害者層は、主に40〜60代とされていましたが、コロナ渦での「恋活」目的としたマッチングアプリ登録者数が増加したことで、10〜20代の若年層まで広がりました。
詐欺師は、高級取りの成功者であることアピールするため、偽造ビジネスサイトを見せたり、偽造のトレード履歴や口座残高のスクリーンショットを送ってきたり、ターゲットの警戒心を解くため、インターネットから拾った子供の写真を合成し、子持ちの独身者を装ったケースも報告されています。
一般的なロマンス詐欺の流れは、下記の通り。
- 主にSNSでターゲットに接近する。多くの場合、機を見てLINEなどのメッセンジャーアプリでのやり取りに移行する。
- 積極的なアプローチで好意や恋愛感情を抱かせるなど、一定期間の仕込みを行う。信用させるため、プレゼントや金銭が送られてくることも。
- 何らかの理由を付けて、送金を要求する。初めは少額、振り込み回数を重ねることでその額も高額に。
- 騙されて入金すると音信不通になる。
近年では、マッチングアプリだけでなく、日常生活で活用されるインスタグラム(Instagram)やフェイスブック(Facebook)、その他ビジネス向けのSNSでも被害が拡大しています。
普段何気なく使用しているツール上のメッセージということで、気が緩んでしまう方が多いようです。
また、詐欺師がなりすます人物は、容姿端麗なモデルや清潔感溢れる人柄の良さそうな一般人、韓国・アジアのアイドル、ハリウッド俳優まで多岐に渡ります。
あくまで、ターゲットから金銭を奪うことが目的であるため、相手が魅力的であると思うような人物になりすますのが一般的です。
詐欺師の特徴
国際ロマンス詐欺において、詐欺師が金銭を騙し取るために利用するのは、ターゲットの恋心です。被害者の心を操るため、被害者が「欲しい言葉」を囁き、「魅力的な人物像」を装います。こちらの章では、詐欺師の特徴について、代表的な5点をご紹介します。
1. 見た目:容姿端麗
好感度の高いイケメンや魅力的な美人であることが多いです。よりリアルな出会いを演出するため、2人の明るい未来を彷彿させるような人柄の良い一般人を装うこともあります。
2. 人種:白人
詐欺師が女性の場合、ロシア人に。男性の場合、アメリカ人やイギリス人を装うケースが多いとされます。近年では、韓国のアイドルや俳優の人気が高まったことにより、アジア人を謳うケースも増加しています。
居住地は、アメリカやイギリスなどの欧米であることがほとんどです。近年では、富裕層の多い、シンガポールやマカオに住んでいるとされる事例も増加しています。
3. 仕事:ハイスペックとされる職業
詐欺師が女性の場合、投資家や客室乗務員、モデルなど。男性の場合、医師やパイロット、軍人、弁護士、投資家、社長が多いとされます。
実在のハリウッド俳優や韓国のアイドルなど、自らが若き成功者であると偽装する場合もあるので、ご注意ください。
共通項として、お金に余裕のある華やかな生活を送っていたり、複数の国をまたいだ生活をしていたりすると偽装しています。
4. 年収:数千万円以上
詐欺師は、「彼・彼女は、お金があるから騙してこようとしないだろう」と安心させるため、高収入であることを装います。
また、海外旅行・海外出張の様子や自分やターゲットのために購入したというブランド物の写真を送り信用させることも少なくありません。
5. 家族:単身者・子持ち独身者・未亡人と多種多様
頻繁に連絡が取れないことを誤魔化したり、親切心を利用してより多くの金銭を引き出すため、男女ともに子持ち独身者と謳ったり、未亡人であると騙したりすることも。
もちろん、単身者という設定であるケースも多く、性別や年齢に合わせて人物像を巧みに変えています。
悲劇的な生い立ちであることをアピールすることもあり、注意が必要です。
国際ロマンス詐欺で送金させる口実5つ
国際ロマンス詐欺において、詐欺師がターゲットに送金させる代表的な口実を5点ご紹介します。
詐欺師は、優しさや「幸せになりたい」という心情に漬け込むような巧妙な手口で騙してくるのです。
1点でも怪しいなと思ったり、同じような口実で送金を求められた場合は、こちらの記事を思い出してくださいね。
移動費
「ともに生活するため」「両親に婚約の挨拶をするため」「結婚式を挙げるため」などの謳い文句で日本までの移動費を要求します。
好きな人に会いたい・一緒に過ごしたいという気持ちを利用し、「日本で休暇を過ごすための休暇取得費」や「任地(紛争地帯)から母国への帰国費用」という名目で送金を促すケースも報告されました。
一般的な飛行機のチケット代は何十万もするものなのか、日本での観光費用は事前に払う必要があるのかなど、冷静に状況を見極めることが大切です。
荷物の送料&関税
海外から発送される荷物の仕組みが不明瞭なことを利用したケースや贈り物であることを装い、配送料関係を騙し取る手口も存在します。
特に「プレゼントは届いてからのお楽しみである」と伝えられた場合、荷物の重さや内容物が想像できないことから、「この程度かな」と簡単に支払ってしまうことも考えられます。
「日本に発送する荷物を代わりに受け取るための送料」「指輪や宝石などの高価なプレゼントを配送するための保険料」「プレゼントを受け取るための通関手数料・関税」と言われた場合は、周囲の人間に相談したり、どの程度の金額であるのか検索してみても良いでしょう。
治療費
離婚した元夫・妻との子供や両親とされる人物、詐欺師自身が紛争・戦争に巻き込まれ怪我をしたなどの誘い文句で、入院費や治療費を要求されます。
自分自身の身に置き換えた際に、知り合って1ヶ月程度の人間に高額な治療費を要求するでしょうか。
「時間がない、すぐにお金が必要だ」と金銭を要求される場合は、一度冷静になり、身近な人に相談してみてくださいね。
投資話やオンラインカジノ
「一緒に日本や外国で暮らすため」「結婚式を挙げるため」などの理由を挙げて、今ある資産を増やそうとFX(外国為替証拠金取引)やビットコインを利用した投資話を持ちかけられるケースも増加しています。
詐欺師は、「信頼している知人がいるから安心して欲しい」と上手い言葉を掛けてきたり、偽造された画像(銀行残高や投資ツールの出入金表など)をターゲットに提示してくることも。
また、投資で利益が出た分を出金するための手数料・所得税という形で金銭を要求されることもあるので注意してください。
特に、投資型のやり口は、信用させるため、初めは実際に利益分を入金する場合が多いとされます。
まずは、見たことのない投資アプリやサイトを信用せず、クリックやインストールすることで、スマートフォンやパソコン端末がウイルス感染する可能性も念頭に入れると良いでしょう。
オンラインカジノについても、前提として、あなたの大切なお金を掛けるため、サービスについてきちんと調べることが大切です。
恥ずかしい写真や動画で脅される
ターゲットの気持ちを弄んで、操るロマンス詐欺の詐欺師。
時間をかけて信頼させると、ターゲットの裸の写真を要求したり、テレビ通話で裸を見せ合おうなどと持ちかけてくることもあります。応じた場合、恥ずかしい写真は保存されたり、テレビ電話は録画されてしまうのです。
「拡散されたくなければ、お金を振り込め」と態度が一転し、親しくなって住所や家族構成を教えた場合は、彼らを傷つけに行くぞと脅されます。
特に、子供や恋人、妻・夫がいることがバレていると、大切な人を守ろうと泣き寝入りしてしまうことも。
まずは、他人に見られたくない画像を送らない・プライベートな情報を伝えないといったインターネットの基本ルールを徹底しましょう。
国際ロマンス詐欺に遭いやすい人の特徴
国際ロマンス詐欺に遭いやすい方、つまり詐欺師に目をつけられやすい方の特徴についてもご紹介します。
前提として、詐欺は罰せられるべき犯罪です。しかしながら、一つでも下記の条件に当てはまるなと感じた方は、自分自身の身を守る意味でも、事前に意識することが必要です。
SNSやインターネットに慣れていない方
普段、SNSやインターネットにあまり触れていない方は、注意が必要です。
国際ロマンス詐欺についての被害状況や騙されてしまった方の話を目にしづらい点に加え、インターネットの一般知識が乏しく、お金を払ってしまう可能性があります。
SNSは、個人情報の漏れがないよう慎重に楽しんだり、周囲のインターネットに慣れている方にアドバイスを仰ぐと良いかもしれません。
英語があまり得意でない方
メッセージを英語でやり取りする場合、外国語に慣れ親しんでいない方は、違和感のある文法や発音のアクセントに気付きにくいことが考えられます。
外国人になりすましているためにおかしな言い回しをしていたり、英語を母国語とする欧米人であるにも関わらず、拙い発音であったりする場合、詐欺師である可能性が高いです。
詐欺師であるか見抜ける一つのポイントにもなるため、しっかりと着目してみてくださいね。
お金に余裕がある方
詐欺師の目的は、より多くの金銭を騙し取ることですので、お金に余裕のある方が狙われやすい傾向にあります。
特に、SNSの投稿を見てターゲットにするか判断される場合が多いです。
海外旅行や高級車、自宅の様子、ペット、ブランド物など、経済的余裕を感じる投稿には注意するとともに、身内のみ閲覧可能なプライベートアカウントに設定するのもオススメです。
また、SNSのプロフィール写真においても、個人の情報が判るもの(自宅前や勤務先で撮影したもの、社章などのバッジを身につけた写真)を避けると良いでしょう。
押しに弱い、断るのが苦手な優しい方
日本人の国民性に現れているように、他者に優しく断るのが苦手な方・押しに弱く頼まれごとを聞いてしまう方は、騙されやすく、お金を払ってしまうことが多いです。
「困っているから助けてあげたい」という優しい気持ちは素晴らしい一方で、詐欺師はその親切心に漬け込んできます。
ご自身の大切なお金を使う際には、一度立ち止まって考えてみてください。
また、送金に迷った際は、周囲の人間はもちろん、消費者ホットラインなどの第三者機関にアドバイスを仰いでみるのもおすすめです。
自分は騙されないと思っている人
先ほど、人を疑わない優しい人が騙されやすいと書きましたが、「自分は騙されない」と思っている方も、注意が必要です。
自分は騙されない、と思っている方は、詐欺師の嘘を見破ってやろうと話を聞いてしまったり、矛盾点を突こうとメッセージのやり取りしてしまったりする方が多い傾向にあります。
また、プライドが高く、間違いを認めるのが苦手で、周りに相談できない方も多く、その盲点を詐欺師にコントロールされてしまうのです。
相手はプロの詐欺師です。偽物であると気づいた場合は、直ちに連絡を止め、自分の身を守りましょう。
結婚願望が強く、焦っている方
年齢や周りのプレッシャーから焦ってしまい、冷静な判断が下しにくくなってしまうことはもちろん、結婚資金を貯めている方も多いことからターゲットに狙われやすいです。
さらに、結婚願望を逆手に取り、「結婚式は〇〇(憧れの式場)で挙げたいね」「結婚したら高級不動産を購入したいね」「ハネムーンはハワイやヨーロッパを巡りたいね」など、素敵な夢を抱かせてきます。
相手とのチャンスを逃したくない、これが最後の機会であると結婚を急いでしまったばかりに、ロマンス詐欺に遭ってしまうのは、元も子もありません。
相手が本当にあなたに相応しい人であるのか、今一度見極めてみると良いでしょう。
国際結婚に憧れがある方
海外や外国人に強い憧れがある方は、注意が必要です。
積極的でロマンチックな言葉をくれたり、海外暮らしを提案され、心が揺らいでしまう方が多いと言われています。
遠距離恋愛であっても、結婚を考える際には、機会を設けて対面で会える相手であること。また、共通の知り合いがいたり、身元がはっきりとしなかったりする場合は、あなたの将来のため、一旦冷静になる必要がありそうです。
国際ロマンス詐欺に遭わないための対策
国際ロマンス詐欺に遭わないようにするためにも、次の対策を行いましょう。
事前に心がけておくと、スムーズな対応を行えるだけでなく、被害拡大を防ぐことにも繋がるため、対策について頭に入れておくと良いでしょう。
当事者意識
国際ロマンス詐欺は、手間暇かけて騙す場合が多いことから、詐欺を見破るのが難しいと言われています。
「私は騙されない」と思っていても、何百万円、何千万円と送金してしまったケースが複数あります。
オンライン上のやり取りの中で、お金の話が出たら、まずは相手を疑いましょう。
出会って1ヶ月しか経っていない人にお金を貸すべきなのか、金銭のやり取りをする関係性なのかを冷静に判断してみることが大切です。
また、見知らぬアプリやインターネット上のサイトを勧められたら注意してくださいね。
甘い言葉に騙されない
詐欺師は、あなたから多額の金銭を騙し取ることが目的です。過度な褒め言葉やお世辞を巧みに操り、信用させ、擬似恋愛状態に持ち込みます。
結婚や性行為の話をチラつかせたり、「愛してる」「あなたの全てが好きだ」「生涯添い遂げよう」「結婚しよう」など、直接会っていないにも関わらず、相手が欲しい言葉を躊躇いもなく浴びせてきたりするでしょう。
知り合ってすぐに求愛されたり、少しでも「話がうまく行きすぎている」と感じたりしたら、過度な褒め言葉には懐疑的になることも必要ではないでしょうか。
お相手との結婚を考えるにあたって、違和感を一つひとつ解消していくのも、大切な作業の一つです。
甘い言葉に翻弄されず、詐欺師から伝えられた居住地(現地国)の生活軸と言動の整合性を計る等、冷静な見極めをおすすめします。
他人に見られたらまずい画像は送らない
インターネットの基本である、他人に見られたらまずい画像は送らないということを徹底しましょう。
恥ずかしい画像を送った場合、国際ロマンス詐欺に関わらず、拡散されたくなければ、お金を払えと脅されてしまうことも考えられます。
詐欺師のネットワークで拡散され、更なる詐欺話を持ちかけられたり、他の被害者を騙すため再利用されてしまったり、
アカウントを乗っ取られたということもあります。
自分の身を守るために、どんなに気持ちが盛り上がっても、一度も会っていない場合には、大切な個人情報を渡さないことが重要です。
信頼できる人に相談する
「ロマンス詐欺ではないか?」と相手に伝えられたストーリーに少しでも違和感を感じた場合や不安に感じた場合、信頼できる人に相談しましょう。
また、先ほど触れた通り、相手が英語を使ってくる場合、文法の誤りや発音の訛りなど、メッセージの履歴で判別できる可能性もあります。
第三者に共有することで、自分では見えなかった矛盾点や新たな視点が見つかるかもしれません。
また、被害者本人が恋愛感情や親切心を利用されていると認識していない洗脳状態に陥っている場合もあります。
周囲の人間が国際ロマンス詐欺に気づいた場合、本人の話をよく聞き、サポートしてあげることも大切です。
相手について調べる
国際ロマンス詐欺の犯人は、ターゲットを信用させるため、インターネットで拾ってきた赤の他人の写真をプロフィールに設定しています。
実は、メッセージのやり取りをしている相手のプロフィール写真を画像検索することで、相手が詐欺師であるか判断するための手掛かりになるのです。
プロフィール写真の画像検索によって、全く同じ写真の人物が違う名前で活動していた場合には、国際ロマンス詐欺の可能性が高いです。
特に、海外スターなどの有名人の写真であった場合、注意が必要です。
画像検索方法
画像検索する場合、Googleの画像検索の機能を利用するのがおすすめです。簡単な手順となっているため、一度試してみてください。
①まずは、やり取りをしている相手のプロフィール写真を保存またはスクリーンショットしましょう。
②スマートフォンまたはパソコンのウェブブラウザ(Google ChromeやSafariなど)を開き、「Google画像検索」と検索。
③「画像で検索」と表示されるカメラマークのアイコンをクリックします。
④「ファイルをアップロード」ボタンを押し、検索したいプロフィール写真の保存画像またはスクリーンショットを選択し、アップロードしましょう。
⑤アップロードが完了すると、自動的に画像検索の結果が表示されます。プロフィール写真と同じ人物の写真が検索結果に表示されている場合、詐欺の可能性が高いです。
銀行口座は判断基準にも
画像検索だけでなく、振り込みを指定された銀行口座で判断するといった方法も存在しています。
海外住みと謳っているにも関わらず、相手に伝えられた国籍と異なる国の口座である場合にはご注意ください。
また、相手の名前と全く関係ない人の銀行口座である場合も詐欺の可能性が非常に高いです。
国際ロマンス詐欺に遭ったら初めにやるべきこと
自分が詐欺に遭ったと判明した際、お金を騙し取られたことはもちろん、信じていた人に裏切られたということでパニックになってしまう方も多いでしょう。
しかし、これ以上被害を拡大させないためにも、一旦冷静になり、対応することが必要です。
こちらの章では、万が一、国際ロマンス詐欺に巻き込まれた際に、やるべきこと3点について、ご紹介します。
1. まずは、これ以上入金しない
大金を支払ってしまった場合、損した分を取り返そうとさらに入金してしまう人もいます。
相手が詐欺師であること、更なる被害を生まないためにも、これ以上お金を失わないよう振り込みはストップしてください。
また、定期払いに登録してしまった場合は、クレジットカードや銀行口座の解除も行いましょう。
2. 消される前に、素早く証拠の確保
被害金額を取り返すため、素早く証拠の確保を行いましょう。
弁護士や警察、国民生活センターに解決するよう動いてもらうためには、何より証拠が大切です。
やり取りしたツールのトーク内容や支払い状況、詐欺師の情報など、スクリーンショットで画像を保存したり、印刷して書面に残しましょう。
特に、SNSや違法サイトであれば、証拠を掴まれないよう、ブロックやアカウントの削除・退会、サイトを削除することも考えられます。
可能な限り早めの対応をすることが、被害額を取り返す大きな鍵となってくれるでしょう。
3. 詐欺師との連絡を一才断つ
相手は、あなたを騙し、金銭を奪い取った詐欺師です。
これ以上関係を続けることは、あなたの大切なお金はもちろん、精神面でも擦り減ってしまいます。
相手を挑発したり、手口を暴こうとせず、証拠を確保した後、そっとフェードアウトして、専門機関に委ねることが大切でしょう。
国際ロマンス詐欺に遭った場合の頼るべき相談先
1. 警察
前提として、詐欺行為は、刑法第246条の「詐欺罪」に該当します。また、不正な金銭を銀行口座から引き出すことで、235条の「窃盗罪」にも問われます。
また、単独ではなく、詐欺グループと関与して犯罪収益を受け取ることで、「組織犯罪処罰法」の違反にもなるなど、厳しい処罰を受ける、れっきとした犯罪行為です。
警察に相談する際には、詐欺に遭った流れ・被害額・詐欺師の情報・現在の状況を伝えます。
最寄りの相談窓口は、「#9110」で紹介してもらうことも可能です。
2. 国民生活センター
国民生活センターとは、国が運営する、消費者のための独立行政法人です。
総合的見地から、国民生活をよりよくするための情報の提供や調査・研究を行うとともに、消費者トラブルについて法による解決を目指した手続を行っています。
ロマンス詐欺については、専門の相談員から的確な対処方法についてアドバイスがもらえたり、犯人の連絡先が判明している場合には、間に立って連絡を取ってもらえることも。
相談は無料で、「188」(消費者ホットライン)に電話をかければ、最寄りの相談先を紹介してもらえます。
3. 弁護士
国際ロマンス詐欺に遭い返金を求める場合、法的観点からのアドバイスが役に立つこともあります。
また、被害者本人では相手が応じないケースもあるため、代理人として介入したり、金融機関と交渉する必要も考えられるでしょう。
直接出向かなくても、LINEやフリーダイヤルでの電話相談を無料で受けてくれる事務所もありますので、活用してみるのも一つの手ではないでしょうか。
すぐに金融機関へ連絡を
国際ロマンス詐欺であることが判明し、詐欺師の指定口座にお金を振り込んでしまった場合は、振込先の金融機関とのやり取りを行うことになります。
まずは銀行に連絡
各金融機関には「国際ロマンス詐欺」に遭ってしまった際に、連絡可能なヘルプデスクや相談ダイヤルが設けられています。
連絡先が分からない場合には、直接銀行に出向き、早急に対処することが重要です。
疑わしい口座なら銀行判断で口座凍結が可能
一般社団法人 全国銀行協会では、全ての銀行へ向け、「事務取扱手続」を通達しています。
この通達により、【振込先の銀行判断で詐欺であると確認できた該当の口座】を凍結(口座への出入金の停止と口座自体の解約)させることが可能です。
次のケースでは、速やかに口座が凍結される可能性があります。
凍結口座の残金は被害者に分配される
犯罪利用された疑いのある該当口座が一定の条件を満たすと【被害回復分配金】=凍結口座の残金を受け取ることが可能です。
被害回復分配金受け取りの流れ
詐欺被害者の【被害回復分配金】受け取りの流れについてご紹介します。
ただし、該当口座の口座残高により、受け取り金額が異なるため、被害額を全て受け取れるわけではありません。
重ねて、詐欺被害者が複数人いる場合、【被害回復分配金】は被害額に応じ、各被害者に配分されます。
ただし、詐欺師がすでに口座からお金を引き出してしまっており、口座残高が1,000円未満の場合、受け取りができないことをご了承ください。
被害回復分配金受け取りの流れ |
1. 犯罪に利用された口座が凍結される。 |
2. 預金保険機構のホームページに該当口座の情報や口座名義人の氏名などが公開される。 |
3. 公開後、60日以内に口座名義人(=詐欺師)から「自己の権利行使」を主張する届出がない場合、預金の権利が消滅する。 |
4. 被害者からの「被害回復分配金支払申請」の受付が開始される。 |
5. 被害者は、90日の被害回復分配金支払申請の期間中に、振込先の金融機関に対して申請をする。 |
6. 金融機関が支払該当者を精査し、被害回復分配金受け取りとなる。 |
詐欺被害者が被害回復分配金を受けるための条件
詐欺被害者が【被害回復分配金】を受け取るためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 【被害回復分配金支払申請】を行っていること
- 指定期間中に、振込先の金融機関へ申請すること
救済を受けられないケース
現金を詐欺師に手渡しした場合、救済措置の対象から外れるため、ご注意ください。
重ねて、現金をレターパックなど、現金書留以外の方法で郵送した場合、郵便法違反に該当し、罰金刑または懲役刑などの罪に問われる可能性があります。
現金書留以外の方法で郵送してしまった際には、郵便局に追跡番号を伝え、すぐに配達をキャンセルしてもらいましょう。
被害が拡大する前に弁護士に相談しましょう
最適な解決方法を提案してもらえる
先程もご紹介しましたが、法的観点から最適な解決方法を提案してもらうことが可能です。
弁護士に状況を冷静に分析してもらい、今後どうするべきかアドバイスをもらいましょう。
特に、ロマンス詐欺の解決を強みにしている法律事務所であれば、経験豊富で相談実績も多く、心強いのではないでしょうか。
被害金の返還請求手続きを代理してもらえる
具体的な返金を求める場合、警察や消費者センターではなかなか迅速な対応を望めません。
また、具体的な手続についても、専門知識がないと難しいのが現実です。
犯人と交渉する場合、専門家である弁護士が迅速に介入することで、円滑に物事を進められるのもメリットではないでしょうか。
刑事告訴の手続きをサポートしてもらえる
加害者を刑事告訴する場合、その手続には法的知識に加えて、警察とのやり取りにおける独自のノウハウを要します。
警察への被害届提出やその後の対応を一任できるなど、弁護士にお任せすることで、スムーズな問題解決や気持ちの緩和にも繋がるのではないでしょうか。
まとめ
ロマンス詐欺に遭った場合、多額の金銭を失ってしまったことや信じていた相手から騙されたということで、パニックになり、冷静な判断が下せなくなってしまうケースが多いです。
さらには、詐欺であることが判明したにも関わらず、お金を取り戻そうとさらに賭け金を増やしてしまったり、個人情報を拡散すると脅され、お金を支払ってしまったりする人もいます。
一度も出会ったことがない相手からお金のやり取りを提案された場合は、一旦冷静になる必要があるのではないでしょうか。
「儲かる運用方法がある」「一攫千金できる」「お金があれば結婚できる」「高価なブランド品をプレゼントしてあげる」など、人の弱みに漬け込んだ、“うまい話”には裏があることを念頭に置きましょう。
詐欺であるか判断が難しい場合や違和感を感じた場合、まずは信頼できる人に相談しましょう。
身近な人間に相談しづらい場合はもちろん、これ以上被害を拡大させないためにも、警察や消費センターなどの公的機関や弁護士などの専門家に相談し、アドバイスをもらうことが大切です。
※こちらの記事は、2023年6月14日時点の情報です。