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風評被害

【2024年最新】SNSで被害増加中⁉︎プロバイダ責任制限法からみるネット風評被害を徹底解説

ネット風評被害とは、SNSや掲示板を中心に、悪意のある書き込みや虚偽の情報が拡散され、個人や企業の評判に悪影響を与えるといった事例のことです。拡散された悪評に対し、早急な削除または訂正に加え、迅速な法的対処が早期解決の為にも重要です。万が一、被害に遭った場合のためにも、ネット風評被害について徹底解説させていただきます。

【2024年最新】SNSで被害増加中⁉︎プロバイダ責任制限法からみるネット風評被害を徹底解説

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皆さんは「ネット風評被害」という言葉を耳にしたことはありますか?

昨今、InstagramやTwitterなどのSNS(ソーシャルメディア)や掲示板を中心に、悪意のある書き込みや虚偽の情報が拡散され、個人や企業の評判に悪影響を与えるといった事例が社会問題になっています。

情報化社会により、必要な情報を場所や時間問わず瞬時に入手可能となり、SNSなどのツールを通した情報発信が一般化した一方で、良くも悪くも匿名性非対面性といった特性も持ち合わせているのがインターネットです。

特に、他者へ悪い印象を与える情報であればあるほど、不特定多数に対し、瞬時に情報拡散が成されてしまうといった側面も持ち合わせています。

ネット風評被害の早期解決にあたって、インターネットで拡散された虚偽または他者への印象を著しく低下させる情報に対し、早急な削除または訂正に加え、裁判など法的な対処が重要なポイントです。

万が一、ネット風評被害に巻き込まれた場合のためにも、ネット風評被害の概要とこれに係る法律について、解説させていただきます。

XP法律事務所では、個人や企業間のネット風評被害に対し、開示請求誹謗中傷の削除損害賠償請求刑事告訴のサポートなど、相談者様のニーズを汲み取り、最適な解決へ向け、クライアント単位でトータルソリューションを提供しています。

ビジネスのリーガルコンサルタントとして、弁護士の知識と経験を活かした効果的なアプローチを頼りに、「ネット風評被害」への適切な対応策を見つけましょう。

ネット風評被害でお困りの方やご不明点がある方は、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。

そもそもネット風評被害とは

「ネット風評被害(正式名称:インターネット風評被害)」とは次の通りです。

インターネット上で、虚偽または他者への印象を著しく低下させる情報など、個人や企業の評判に悪影響を与え、信用を損なわれる事例のことです。

「風評被害」とは

必ずしも事実であるという根拠を伴わないまま世間で取り沙汰されている情報(風評)の煽りを受けて被る害。『新語時事用語辞典』より

具体的には、インターネット上の掲示板サイトやSNS(ソーシャルメディア) 、ニュースサイト、コピーサイト、ブログサイト、動画サイト、クチコミサイトなどのプラットフォームにおいて、名誉や信用を毀損するような情報(書き込みなど)による直接的または間接的な被害を指します。

特に、インターネットという利便性・匿名性を兼ね備えたツールにおいて、悪意のある書き込みは、事実を問わず拡散しやすい傾向にあるため、早急な対処を行うことが重要です。

ネット風評被害で報告される傾向の高いインターネット上のコンテンツの例

  • 【SNS(ソーシャルメディア)】Twitter、Instagram、TikTok、Facebookなど
  • 【掲示板サイト】2ちゃんねる、5ちゃんねる、ガールズちゃんねる、爆サイ、マンションコミュニティ、ホストラブなど
  • 【ニュースサイト】新聞社サイト(読売新聞・朝日新聞・産経新聞など)ネットニュースサイト(Yahoo!ニュース・LINEニュース・ライブドアニュースなど)
  • 【ブログサイト】note、ココログ、ライブドアブログ、FC2ブログ、楽天ブログ、アメーバブログ、はてなブログなど
  • 【動画サイト】YouTube、ニコニコ動画、FC2動画、dailymotion、BuzzVideoなど
  • 【就職・転職口コミサイト】みん就、openwork、Lighthouse(旧・カイシャの評判)、就職会議、転職会議など
  • 【口コミサイトやQ&Aサイト】食べログ、Amazonレビュー、Yahoo!知恵袋、Googleマップ、jpnumber(電話番号検索)、ホットペッパー、ホットペッパー

ネット風評被害のリスクや影響

前章では、「ネット風評被害の概要」についてご紹介しました。

こちらの章では、ネット風評被害によるリスクや影響について、個人と企業に分けて解説させていただきます。

事前に風評被害のリスクや影響を知ることで、一情報発信者として、インターネットの正しい使い方に配慮するだけでなく、対策を見直す機会となるほか、被害にあった場合の迅速な対処法を学べることにも繋がるのではないでしょうか。

また、ネット風評被害は、企業のイメージやブランドを貶め経済的な悪影響を与えたり、個人に対する信用を損なうなど、深刻な被害に発展してしまう可能性があります。 

インターネットの拡散力の高さをはじめとする特性を理解し、事前に対策を立てることが重要です。

個人の場合

まず、ご紹介するのは、ネット風評被害における「個人への影響」についてです。

こちらの節では、職業的影響・社会的影響・精神的影響に分類し、想定されるリスクについてご説明いたします。

1. 職業的影響

インターネット上のSNS(ソーシャルメディア)や掲示板などにおいて、虚偽の情報や悪評が広まることで、対象者の仕事やキャリアに影響が及ぶことがあります。

誤った情報で社会的評価を落とされることにより生じる可能性のあるリスクは、次の通りです。

  • 仕事仲間やクライアントからの信用を失い、仕事の機会を奪われる
  • 個人の信頼性や能力に疑念を抱かれ、昇進やキャリアの可能性が減少する
  • 採用(新卒・転職)が見送られる
  • 虚偽の情報で職場の人間関係が悪化し、仕事のパフォーマンスや生産性が低下する
  • 職場を解雇される

根拠のない噂によって、仕事が立ち行かなくなり、最悪の場合では職場を解雇されるケースも想定できます。

SNSや掲示板などのインターネット上のプラットフォームにおいて、悪用される可能性のある個人情報を誰もが閲覧可能な場に書き込まないことをはじめ、公開範囲を親しい友人や知人に留めて写真・動画を投稿するなど、インターネットの使い方に配慮することで、自身の身を守ることにも繋がるのではないでしょうか。

2. 社会的影響

他者への印象を著しく低下させる情報がSNS(ソーシャルメディア)や掲示板などのインターネット上のプラットフォームなどで拡散されることにより、対象者に社会的影響を与える可能性があります。

具体的には、先にご紹介した仕事面を除いた生活面において、次のリスクが想定可能です。

  • 個人情報の流出によるストーカー被害
  • 事実無根の悪評により、不特定多数が自宅や職場を特定するなど、更なる情報発信によるプライバシーの侵害や安全への懸念
  • 犯罪歴・逮捕歴の公開による結婚破談・社会的復帰の阻害
  • 配偶者や家族への信頼への揺らぎが生じ、家庭内環境の悪化
  • 悪意のある情報により、職場や学校でのいじめや社会的な孤立感、差別

これらの影響は、対象者の生活に大きな負担をかける可能性があります。

従って、ネット風評被害に対処するためにも、初期段階で法律のプロである弁護士に専門的かつ具体的なサポートを受けることが重要ではないでしょうか。

3. 精神的・身体的影響

インターネット上のSNSや掲示板において、悪評が広まることで、対象者の精神的かつ身体的な負担が生じる可能性があります。

攻撃的なコメントや中傷を受けることで、非常に大きなストレスや不安感、抑うつなどの心理的影響に加え、これらの作用による、不眠・食欲不振・頭痛・胃痛などの身体的な症状が現れることがあるのです。

特に、悪評が頻繁に繰り返される場合や大勢の人々からの非難を受ける場合は、自己否定感や無力感が強まり、心理的な健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。

ネット風評被害に遭った場合は、個人の精神的健康を守るためにも、弁護士などの専門家に早期の段階でアドバイスを仰ぐほか、一人で問題を抱えこまず、家族や友人など信頼できる第三者に相談し、証拠集めの協力や精神的なサポートを得ることをおすすめします。

企業の場合

続いて、ネット風評被害における「企業への影響」についてご紹介します。

SNS(ソーシャルメディア)や掲示板などのインターネット上のプラットフォームにおいて、風評被害が企業に及ぼす影響は大きく、売り上げや企業イメージに深刻な悪影響を与える可能性が高いです。

こちらの節では3つの項目に分類し、想定されるリスクについてご説明いたします。

1. ブランドイメージの毀損

ネット風評被害における、1つ目の企業への影響は、「企業のブランドイメージの毀損」です。

SNSや掲示板などのインターネット上のプラットフォームにおいて、企業に関する虚偽の情報が広まることで、企業の信用度に大きな影響を与え、商品やサービスが売れなくなるといったケースも想定できます。

さらに、企業のブランドイメージが損なわれることにより、一般消費者だけでなく、企業のクライアント(顧客)やパートナー(協定関係)との関係にも影響を及ぼし、契約が見送られるといった可能性もあるのです。

重ねて、従業員の意欲の低下(モチベーションの低下)や定着率の悪化求人への応募の減少といった、企業の運営面に関しても、影響を及ぼすことがあります。

ブランド価値の低下は、企業の市場競争力収益に直接影響を与えるため、風評被害が生じた際には、迅速な対応が求められます。

風評被害発生時に備え、弁護士などの専門家のアドバイスのもと、あらかじめ具体的な対策が記載されたガイドラインを作成することをおすすめします。

2. 消費者離れと売上減少

ネット風評被害における、2つ目の企業への影響は、「消費者離れと売上減少」です。

インターネット上のSNSや掲示板において、事実無根のデマや企業に対する印象を著しく低下させる情報により、顧客の信頼を失うことに繋がります。

これにより、既存の顧客が離れたり新規顧客の獲得が困難になってしまう上に、消費者の購買意欲に悪い影響を与えることで、売上減少に繋がる可能性が高いです。

中でも、地域密着型の企業では、インターネット上のプラットフォームで広がった悪評が口コミに転じ、更なる拡散が成され、直接的に売上が大きく減少するといった、深刻な被害に発展するケースも想定できます。

拡散力の高いインターネットによる風評被害により、企業の信用度が揺らいでしまった場合、イメージ回復のために多くの時間と労力を要するのです。

特に、企業の広報担当者は、SNSなどの運用ルールを設け常に正しい情報発信を心掛けることで、ネット風評被害を生まないよう徹底する必要があります。

3. 投資家や株主への影響

ネット風評被害における、3つ目の企業への影響は、「投資家や株主への影響」です。

SNSや掲示板などのインターネット上のプラットフォームにおける風評被害により、企業のブランドイメージや業績に悪影響を与えると、株価が下落したり、企業の配当利回りが低下し、投資家や株主の信頼を失うことも考えられます。

この場合、株主は企業の信用力将来の収益性不安を感じ、株を売却する可能性が高いです。

また、円滑な経営をするにあたって、資金集めは重要なテーマとなっていますが、投資家の信用を失うことで、投資に応じてもらえなくなることも想定できます。

資金繰りが困難になり、倒産してしまうといった事態も考えられるため、企業の『信用』を損なわないよう、SNSの使い方など、従業員の教育を徹底することが大切です。

ネット風評被害による企業のイメージを守るだけでなく、大切な従業員を守るためにも、悪評による損害がさらに大きくなる前の段階で、顧問弁護士の起用を検討するなど、迅速に対処しましょう。

ネット風評被害と深い関わりのある「プロバイダ責任制限法」

ネット風評被害を解決するにあたって、深く関わりのある法律に「プロバイダ責任制限法」が挙げられます。

「プロバイダ責任制限法」とは、正式名称「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(通称:特定電通法)」のことです。

【省令 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令より】
(令和2年改正版)

前提として、「プロバイダ(正式名称:インターネット・サービス・プロバイダー《ISP》)」とは、インターネットと回線事業者が提供する回線をつなげる接続事業者を意味します。 

また、「特定電気通信」とは、インターネットでのウェブページや電子掲示板等の不特定 の者により受信されることを目的とするような電気通信の送信のことです。【総務省『特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限 及び発信者情報の開示に関する法律 -解説-より】

具体的な内容としては、掲示板やSNS(ソーシャルメディア)の書き込みなど、特定電気通信による情報の流通による権利の侵害があった場合の決まりを定めたものです。

権利の侵害とは、『著作権侵害』『名誉毀損』『プライバシー侵害』などを想定しています。

第一条:趣旨

この法律は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利について定めるとともに、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。

「プロバイダ責任制限法」で定められている事項

「プロバイダ責任制限法(正式名称:「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」では、次の3つの項目について、規定を定めています。

規定事項具体的な内容
1. プロバイダ等の損害賠償責任の制限特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときに、関係するプロバイダ等が、これによって生じた損害について、賠償の責めに任じない場合の規定を設けるものです。
2. 発信者情報の開示請求特定電気通信による情報の流通により自己の権利を侵害されたとする者が、関係するプロバイダ等に対し、当該プロバイダ等が保有する発信者の情報の開示を請求できる規定を設けるものです。
3. 発信者情報開示命令事件に関する裁判手続一体的な手続による発信者情報の開示を可能とした「発信者情報開示命令事件」に関する手続等について定めたものです。

【総務省『インターネット上の違法・有害情報に対する対応(プロバイダ責任制限法)』より】

つまり、冒頭ご紹介した、ネット風評被害で報告される傾向の高いインターネット上のコンテンツにおいて、虚偽または他者への印象を著しく低下させる情報で被害が生じた場合、「プロバイダ責任制限法」により対処可能となるのです。

個人や企業間のネット風評被害への対処法を学ぶためにも、具体的な内容について、それぞれ解説させていただきます。

1. プロバイダ等の損害賠償責任の制限

「プロバイダ責任制限法(正式名称:「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」3条1項では、対象者の権利を侵害する情報《ネット風評被害に名誉や信用を毀損する情報》が流通した場合には、特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が損害賠償責任が生じる要件について規定されています。

損害賠償責任が生じる条件は次の通りです。

損害賠償責任が生じる要件
1. 特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が当該情報の流通により、権利が侵害されていることを知っていた場合
2. 特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が次の条件をすべて満たす場合
■ 当該情報の流通を知っている
■ 当該情報の流通により、他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由が存在する

つまり、上記の条件の要件に該当しない場合には、特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)などは、被害者に対する損害賠償責任を免れます。

第三条:損害賠償責任の制限

特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。

 当該関係役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知っていたとき。

 当該関係役務提供者が、当該特定電気通信による情報の流通を知っていた場合であって、当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき。

一方、「プロバイダ責任制限法」3条2項では、特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が対象者の権利を侵害する情報に対し、権利侵害情報の「送信防止措置」を講じた場合に、発信者(投稿者)に対する損害賠償責任を免れる条件について規定されています。

権利侵害情報の「送信防止措置」とは

対象者の権利を侵害する情報《ネット風評被害に名誉や信用を毀損する情報》に対し、送信を防止する措置を指します。

権利を侵害する情報に対し、「送信防止措置」を講じることで、ネット風評の被害を抑えることにも繋がる。

損害賠償責任を免れる要件は次の通りです。

損害賠償責任を免れる要件
1. 特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が当該情報の流通により、他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があった場合
2. 特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)が次の条件をすべて満たす場合

■ 被害者であることを主張する者から、侵害情報・侵害された権利・権利が侵害されたとする理由を示し、送信防止措置を講ずるように、サイト管理者などに対する申し出が成されている
■ 照会の到達日から7日を経過しても、他人の権利が不当に侵害される情報の発信者から送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申し出がない

つまり、上記の要件に該当しない場合には、損害賠償責任が生じることになるため、ご注意ください。

第三条:損害賠償責任の制限

2 特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。

一 当該特定電気通信役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき。

二 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者から、侵害情報、侵害されたとする権利及び権利が侵害されたとする理由(以下この号において「侵害情報等」という。)を示して当該特定電気通信役務提供者に対し侵害情報の送信を防止する措置(以下この号において「送信防止措置」という。)を講ずるよう申出があった場合に、当該特定電気通信役務提供者が、当該侵害情報の発信者に対し当該侵害情報等を示して当該送信防止措置を講ずることに同意するかどうかを照会した場合において、当該発信者が当該照会を受けた日から七日を経過しても当該発信者から当該送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申出がなかったとき。

2. 発信者情報の開示請求

「プロバイダ責任制限法(正式名称:「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」では、対象者の権利を侵害する情報《ネット風評被害に名誉や信用を毀損する情報》により権利を侵害された被害者は、特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)に対し、発信者の特定につながる情報の開示を請求する手続である「発信者情報開示請求」できると定めています。

発信者の特定するための情報収集が可能な「発信者情報開示請求」は、裁判所の仮処分申立てにより行われるのが一般的です。

法的業務の制限がない弁護士に一任することで、円滑に対処が可能です。

また、裁判所が侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)により、被害者に大きな損害が生じると判断した場合には、特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)に対し、発信者情報開示の仮処分命令を下すこととなります。

裁判所の仮処分申立てにおいて、関係各所とやり取りする場合、弁護士の交渉力が加わることで、円滑に物事を進められることもあります。

重ねて、発信者の特定につながる情報とは、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則」2条・3条において述べられており、具体的には、次の項目を指します。

発信者の特定につながる情報
1. 発信者その他「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「氏名や名称」
2. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「住所」
3. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「電話番号」
4. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信又は侵害関連通信に係る者の「電子メールアドレス」
5. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る「IP(アイピー)アドレス」
6. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る移動端末設備からの「インターネット接続サービス利用者識別符号」
7. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る「SIM(シム)識別番号」
8.「IPアドレス」を割り当てられた電気通信設備・「インターネット接続サービス利用者識別符号」に係る移動端末設備・「SIM識別番号」に係る移動端末設備から、「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」が送信された年月日・時刻
9. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連の通信に係る「IPアドレス」・当該IPアドレスに組み合わされた「ポート番号」
10. 専ら侵害関連通信に係るインターネット接続サービス「利用者識別符号」・当該インターネット接続サービス利用者識別符号に係る「移動端末設備」
11. 専ら「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信に係る「SIM識別番号」・当該SIM識別番号に係る「移動端末設備」
12. 専ら「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信に係る「SMS電話番号」
13. 「IPアドレス」を割り当てられた電気通信設備・インターネット接続サービス利用者識別符号に係る「移動端末設備」・「SIM識別番号」に係る移動端末設備・「SMS電話番号」に係る移動端末設備から、「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信が行われた年月日・時刻
14. 発信者等についての「利用管理符号」

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則

先にご紹介した発信者の「情報開示請求」を行う場合には、次の条件を満たすことが求められます。

①サイト管理者・侵害情報の送信を媒介したインターネット接続業者への開示請求

A:「特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)」に対する開示請求

「発信者情報」の開示請求を行うための条件
1. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の流通により、開示請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき
2. 発信者情報が開示請求をする者の「損害賠償請求権」の行使のために必要である場合など、その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき

B:特定発信者(投稿・書き込みを行った者)に対する開示請求

「発信者情報」の開示請求を行うための条件
1. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の流通により、開示請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき
2. 発信者情報が開示請求をする者の「損害賠償請求権」の行使のために必要である場合など、その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき
3. 次の条件をすべて満たす場合
■ 「特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)」が「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」を行ったプロバイダを「特定発信者(投稿・書き込みを行った者)」以外の発信者情報を保有していないと認めるとき
■「特定電気通信役務提供者(サイト管理者など)」が保有する「特定発信者(投稿・書き込みを行った者)」以外の情報が限定されているとき
■特定発信者上がない場合、「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」を行った発信者を特定できないとき

② 侵害情報の送信以外で、ログイン時の通信などを媒介したインターネット接続業者などへの開示請求

「発信者情報」の開示請求を行うための条件
1. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の流通により、開示請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき
2. 「損害賠償請求権」の行使やその他開示を受けるべき正当な理由があるとき

3. 発信者情報開示命令事件に関する裁判手続

「プロバイダ責任制限法(正式名称:「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」では、令和4年(2022年)10月1日より、「発信者情報開示命令事件に関する裁判手続」が新たに追加されました。

この項目では「発信者情報開示命令事件」に関する裁判手続について定めており、改正により「非訟手続」となったことで、手続きが迅速化されることを期待されています。

従来の「発信者情報開示請求の手続」で課題として挙げられていた、被害者に対する時間とコストを要するといった点に対する改善が図られているのです。

具体的には、サイト管理者・インターネット接続業者ごとに「仮処分申立て」を行っていましたが、手続が一つにまとめられるなど、早期解決へ向け、被害者に対する配慮がなされています。

第八条:発信者情報開示命令

裁判所は、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者の申立てにより、決定で、当該権利の侵害に係る開示関係役務提供者に対し、第五条第一項又は第二項の規定による請求に基づく発信者情報の開示を命ずることができる

このような裁判手続を行う場合、裁判所や関係各所とのやり取りには、法的知識はもちろんのこと、独自のノウハウが必要不可欠です。

弁護士に依頼することで、必要な書類の準備や作成まで請け負ってもらえる上に、裁判後の対応まで一任できるなど、スムーズな問題解決や精神的負担を軽減する一助となるのではないでしょうか。

相談者の時間と手間を削減することにも繋がるため、法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、最適な対応策を見つけましょう。

ネット風評被害に関するご相談はXP法律事務所へ

ここまで、ネット風評被害とプロバイダ責任制限法について解説させていただきました。

インターネット上の風評において、他者へ悪い印象を与える情報であればあるほど、不特定多数に対し、瞬時に情報拡散されてしまうといったことで、冷静な判断が下せなくなってしまうケースも少なくありません。

個人や企業の名誉や信用を毀損されるネット風評による被害を最小限に抑えるためにも、悪意のある情報の削除をはじめ、書き込みをした者の特定、損害賠償請求などの法的手段を用いるなど、迅速に行動することが重要です。

また、個人の場合は、SNSや掲示板などのインターネット上のプラットフォームにおいて、悪用される可能性のある個人情報を誰もが閲覧可能な場に書き込まないことや公開範囲を親しい友人や知人に留めて写真・動画を投稿するなど、インターネットの使い方に配慮すること。

企業の場合は、ネット風評被害が拡大しないよう正しい情報発信適正な商品・サービスの提供を行うほか、早期発見へ向けた対策サービスの利用や法律のプロである弁護士と連携し、対処法や被害発生時のガイドライン作成について検討する必要があります。

万が一、ネット風評被害に遭った場合には、初期段階にしかるべき公的機関や弁護士などの専門家に相談し、今後の対応についてアドバイスを仰ぐことが、ネット風評被害の早期解決へ向けた、大きな一歩に繋がるのではないでしょうか。

XP法律事務所では、個人や企業間のネット風評被害に対し、開示請求誹謗中傷の削除損害賠償請求刑事告訴のサポートなど、相談者様のニーズを汲み取り、最適な解決へ向け、クライアント単位でトータルソリューションを提供しています。

法律の専門家である弁護士に依頼することで、不正確な情報の発信を防ぐための社内ルールへのアドバイスをはじめ、風評被害発生時の声明文具体的な対策が記載されたガイドラインの作成、風評被害を未然に防止するためのリーガルチェック、各企業ごとに提供する商品・サービスに適応される法律に基づく訴求表現などのサポートも可能です。

ビジネスのリーガルコンサルタントとして、弁護士の知識と経験を活かした効果的なアプローチを頼りに、「ネット風評被害」への適切な対応策を見つけましょう。

ネット風評被害でお困りの方ネット風評被害を未然に防止するための広告物の審査「プロバイダ責任制限法」をはじめとする法令に関するご不明点がある方は、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。

※こちらの記事は、2024年2月7日時点の情報です。

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