詐欺
【2023年最新】市区役所を語る還付金詐欺にご注意を!手口や見分け方などわかりやすくご紹介!
皆さんは「還付金詐欺」について、ご存知でしょうか?高齢者の中には機械操作に不慣れな方も多く、詐欺師は彼らにATM操作をさせてお金をだまし取り、その後音信不通になるというケースが多く報告されています。本記事では、還付金や還付金詐欺とは何か・還付金詐欺の手口や口実・被害に遭った場合の対応など、わかりやすく解説します。
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皆さんは「還付金詐欺」について、ご存知でしょうか?
「還付金」とは、払い過ぎた税金があった場合、その超過分が返還される制度のことです。
しかしながら、還付金の仕組みや返還条件は複雑であり、専門知識が必要です。
そのため、詐欺師が固定電話を通じて、もっともらしい話を持ちかけると、自身で詐欺かどうかを判断するのは難しく、騙されやすい傾向があります。
詐欺師はこの心理を逆手に取り、在宅時間や固定電話を使用する機会の多い、60歳以上の高齢者の方をターゲットにし、還付金詐欺を実行するのです。
高齢者の中には機械操作に不慣れな方も多く、詐欺師は彼らにATM操作をさせてお金をだまし取り、その後音信不通になるというケースが多く報告されています。
ご自身と大切な家族を守るためにも、本記事では、還付金や還付金詐欺とは何か・還付金詐欺の手口や口実・被害に遭った場合の対応など、わかりやすく解説します。
この記事が、還付金詐欺についての対策を学びたい方や被害に遭ってお困りの方の一助となれば幸いです。
そもそも還付金とは
「還付金」とは、源泉徴収や予定納税で「所得税」などの税金を納めすぎた場合に、納税者へ返還されるお金のことです。
還付金は、「確定申告」を行うことで、取り戻す(還付する)ことができます。
この申告のことを「還付申告」と呼び、過去5年分まで申告が可能です。
還付金の具体的な額は、申告した人の所得や還付申告の種類により異なるため、一概に〇〇円と定まっているわけではありません。
ご自身の還付金を調べたい場合には、税務署のウェブサイトを活用したり、弁護士をはじめとする専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることをおすすめします。
「源泉徴収」とは、1年間の収入にかかる所得税を、会社側が給与からあらかじめ差し引き、納税者本人に代わって納付する仕組みのことです。
「予定納税」とは、所得税が15万円以上であると見込まれる場合、前払いする仕組みのことです。
確定申告とは
「確定申告」とは、1年間(1月1日〜12月31日)の収入から経費などを差し引いて所得を計算し、そこから納める税金の額を計算することで、税務署に報告する手続きのことです。
申告期間は、翌年の2月16日から3月15日と定められています。(還付申告だけの場合は、1月から受付けています。)
会社員やパートタイマーの場合、基本的に勤務先が税金の申告をするため、年末調整がされていれば、確定申告はする必要はありません。
《自身の収入のない、専業主婦(主夫)の方は、確定申告の対象外です。》
ただし、収入が2,000万円を超える場合や2か所以上から給与を得ている方などはご自身で確定申告をする必要があります。
確定申告の対象者 | |||
フリーランスや自営業などの 個人事業主・自営業 | 年収2000万円を超える人 | 2か所以上から 収入を得ている人 | 副業の所得が 20万円を超える会社員 |
年の途中で退職をし、 仕事をしていない人 | マイホームを 売却した人 | 保険の満期金を受け取った人 | – |
重ねて、年末調整の範囲外である、医療費控除や初めての住宅ローン控除の適用する際には、自身で申告が必要です。
上記のような医療費控除や住宅ローン控除の対象となる場合、確定申告すると払い過ぎの税金が戻ってくるケースも存在するため、チェックしてみてください。
確定申告する税務署は、国税庁のホームページにて、確認しましょう。
https://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/chizu/chizu.htm
還付金詐欺とは
「還付金詐欺」とは、対象者(被害者)に架空の還付金や返金を約束し、その手続きのために金銭を騙し取る手口のことです。
詐欺師は、区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関などと名乗り、対象者(被害者)の自宅の固定電話に電話をかけます。
その際、還付金を受け取るのに必要な手続きであると装い、携帯電話を持ち、対象者に対し、急いで金融機関の無人ATMやコンビニエンスストアのATMに向かうよう誘導するのです。
対象者に還付金を得るための手続きであると偽ることで、振り込み(口座間送金)をさせます。
しかし、一度振込してしまうと、詐欺師は金銭を持ち逃げし、2度と還付金が支払われることはありません。
詐欺師は、「払い戻しの期限が迫っている」「即座に振り込まないと無効になる」などの言葉で対象者を焦らせ、プレッシャーをかけて冷静な判断を阻害し、確実に金銭をだまし取る手法を用いるのです。
近年では、ATM経由だけでなく、インターネットバンキングを通じて振り込ませる手法も見受けられます。
このような詐欺に巻き込まれる可能性が高いのは、60歳以上の方々です。
「還付金がある」「ATMで手続きができる」「申請の期日が過ぎている」「今なら最寄りのATMコーナーで手続きができる」などの誘い文句には注意しましょう。
大切な資産と自身を守るために、信頼できる人や最寄りの警察・消費生活センターなどの公的機関、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
万が一、詐欺師の指示通りに口座に振込してしまった場合には、早急に弁護士に相談し、返金に向けた適切な適切なアドバイスを得ることが重要です。
還付金詐欺における手口や入金の口実
還付金詐欺の手口
まずは、一般的な還付金詐欺の流れについてご紹介します。
詐欺師が詐欺のターゲットに選ぶのは、60歳以上の高齢者が多い傾向です。
高齢者が狙われやすい理由として、次の事柄が考えられます。
- インターネットやATMなどの機械操作に不慣れである
- 詐欺に関する情報を得る機会が少なく、判断を誤ってしまいやすい(対策を知らない)
- 自宅滞在時間が多く、固定電話に出る機会が多い
次に記載する還付金詐欺の流れを家族や友人、信頼できる方と共有し、注意喚起し合うことで、詐欺の被害を未然に防ぎましょう。
還付金詐欺の流れ | 注意事項 |
【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関の担当者】を名乗り【固定電話】に電話を掛けてくる。 | ・左記の担当者だけでなく、【偽の金融機関の担当者を語る電話】を掛けることで、対象者を信用させる。 ※複数の人物が登場する「劇場型勧誘」に注意。 |
電話の中で対象者に【還付金が返還される】と偽の話を持ちかけてくる。 | ・詐欺師は、電話だけで大金を得られるため、【実在する公的機関や企業名】の名前を出したり、「今なら最寄りのATMコーナーで手続きができる」など巧妙な話術を用いる。 |
携帯電話を持ち、急いで【金融機関の無人ATMやコンビニエンスストアのATM】に向かうよう指示する。 | ・「期限が迫っている」などの文言で対象者を急かし、プレッシャーをかけることで、確実に振込させようとする。 |
還付金を受け取るのに必要な手続きであると装い、ATMで【指定の口座に振込させる。】 | ・対象者(被害者)が振込するのを阻害されないよう、【無人ATM】を指定することが多い。(銀行・郵便局であれば、職員やスタッフが怪しみ、声かけされる可能性があるため)・詐欺であることを誤魔化すため、ATM画面を【英文表示】などに切り替えさせることもある。 |
還付金が返還されることはなく、詐欺師または詐欺集団の口座に入金される。この後、【音信不通】となってしまう。 | ・電話で金銭の振込を支持された場合には、詐欺である可能性が非常に高いため注意が必要。 |
還付金詐欺の入金の口実
「還付金詐欺」において、詐欺師は対象者(被害者)に送金させるため、さまざまな口実を用いてきます。くれぐれもご注意ください。
以下に、代表的な入金口実を4つご紹介します。
少しでも対応に違和感を感じたり、同じような口実で送金を求められた場合は、こちらの記事を思い出してください。
重ねて、万が一詐欺師の口座に振込してしまった際には、早急に警察などの専門機関に相談しましょう。
1. 実在する機関を名乗る手法
多くの還付金詐欺で用いられている手法に【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関】を名乗る手口が挙げられます。
先ほど、詐欺師は、詐欺行為に関する情報を得る機会が少ないことで判断を誤ってしまいやすい【60歳以上の高齢者】をターゲットに選んでいるとご説明しました。
詐欺師が電話口で実在する公的機関や企業の名を用いる理由は、瞬時に詐欺であると判断がつきにくく、言われた言葉をそのまま信じてしまう傾向が高いためです。
「今手続きしなければ還付金を受け取れない」「事務手数料を支払わなければ裁判になる」などと、振込を急かされた場合、適切な対応を行うためにも、一旦冷静になりましょう。
電話でお金の話をされたら、まずは詐欺を疑うことがご自身の大切な資産を守ることに繋がります。
2. 対象者(被害者)を急かせて判断を鈍らせる手法
還付金返還の手続を謳い、対象者(被害者)から確実に金銭を奪い取るため、プレッシャーをかけて冷静な判断を阻害する手法があります。
「払い戻しの期限が迫っている。即座に振り込まないと還付金が無効になる」「還付期限は本日〇時までのため、携帯電話を持ってATMに急いでくれ」などの言葉で対象者を焦らせ、気持ちを揺さぶるのです。
詐欺師は、誘い文句に「希少性」や「緊急性・切迫感」を持たせることで、入金を促します。
【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関】が還付金返還のため、ATM操作を指示することはありません。
振込をするか否かの判断に迷った場合には、家族や知人をはじめ、信頼できる方、警察、最寄りの消費生活センターなどに相談し、詐欺師から身を守りましょう。
3. インターネットバンキングでの手続で金銭を奪う手法
前提として、「インターネットバンキング(ネットバンキング・オンラインバンキング)」とは、従来の都市銀行・地方銀行が提供する手続をスマートフォンやパソコンなどのインターネットで使用できるサービスのことです。
こちらのサービスでは、【口座残高/明細確認・他の口座への振込/振替】など、現金の預け入れ・引き出し以外のほとんどの取引を行えます。
ネット銀行と混同されることがありますが、インターネットバンキングは都市銀行や地方銀行が運営しているため、実店舗も存在します。
インターネットバンキングは、都市銀行・地方銀行の普通口座を持っている方なら、【口座の店番・口座番号・暗証番号・名前】などの情報を入力するだけで、簡単に作成できるのが特徴です。
しかし、誰でも簡単にインターネットバンキング口座を開設できる利便性を逆手に取って、還付金詐欺が行われるケースも報告されています。
詐欺師は、【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関の担当者】であると偽り、還付金を受け取るための口座情報として、【口座番号・暗証番号】などの個人情報を聞き出そうとするのです。
その結果、不正にインターネットバンキングを作成し、口座残高(金銭)を騙し取ったり、口座を犯罪に不正利用されることがあります。
対象者自身にインターネットバンキングの申込みをさせた場合や既にインターネットバンキングの口座を持っている方であれば、詐欺師は【ログインに必要なID・口座番号・パスワード】などを聞き出そうとするため、注意してください。
【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関の担当者】などの機関が【電話や手紙】を通して、【口座番号・暗証番号・ログインID・パスワード】などの個人情報を尋ねることは絶対にありません。
詐欺の可能性が非常に高いため、個人情報を教えないよう徹底しましょう。
4. 還付金名目でキャッシュカードの新規作成を誘う手法
近年増加している詐欺事例に、市役所や金融機関を装い、還付金を受け取るには「キャッシュカードを新しくする必要がある」という口実で、個人情報と金銭を奪う手法が存在します。
こちらの手口の大まかな流れは次の通りです。
- 固定電話でキャッシュカードの新規作成を促す。
- 新たなキャッシュカードに交換するため、既存のキャッシュカードを回収しに、自宅に担当職員を向かわせると語る。
- 市役所や金融機関の担当者を名乗る人物が自宅を訪れ、既存のキャッシュカードを渡すよう指示する。
- その際、口座の暗証番号や個人情報を聞き出す。
- 一度キャッシュカードや個人情報を渡してしまうと、口座を別の犯罪行為に悪用されたり、金銭を奪われ、連絡が取れなくなる。
年々手口も巧妙化しており、自宅訪問した際に、封筒に既存のキャッシュカードを入れ、割印をさせることで、対象者(被害者)を安心させる手口も報告されています。
昨今の詐欺の傾向として、確実に対象者を騙すため、事前に下調べをし、家族などの同居人が留守になる曜日や時間帯を狙うこともあるため、注意が必要です。
還付金詐欺に遭わないための対策
続いて、融資保証金詐欺から身を守るための対策や注意事項についてご紹介します。
まず、注意すべきことは、詐欺は法的に罰せられるべき犯罪行為であるという点です。
ご自身の大切な資産を守るためにも、こちらの記事を参考にし、詐欺師との連絡を断ち、誘いには決然と断りましょう。
また、信頼できる方に相談したり、詐欺の相談窓口や最寄りの警察へ助けを求めることで、被害の拡大を防止することに繋がります。
1. ATMで還付金を返還することは絶対にない
【区・市役所職員、自治体、税務署、年金事務所、金融機関】が還付金を返還するためにATMの操作を要求することは絶対にありません。
重ねて、ATMにはキャッシュカードを使用し、還付金を受け取る機能は搭載していないことを覚えておきましょう。
還付金が生じる可能性がある場合には、ご自身で関連する役所や部署に直接連絡し、還付金の有無を確認してください。
還付金の手続で現金の振込を要求された場合、確実に詐欺であると言えます。まずは、速やかに電話を切り、家族や信頼できる人に相談しましょう。
2. 携帯電話を持ってATMへ誘導されたら詐欺である
「還付金があるためATMに行ってください」という電話がかかってきた場合、家族や警察に相談しましょう。
詐欺師の指示により、声かけで振込を阻害されないよう、無人ATMを指定されることが多い傾向にあります。
従って、こちらの段階で詐欺であると気づくことが重要です。
また、【名前・住所・銀行名・口座番号】などの個人情報を求められても絶対に提供しないでください。
次の手順に従い、詐欺の被害から身を守りましょう。
- 相手の部署・担当者氏名を確認し、メモを取る。
- 不審に思ったら、電話を切る。
- 市役所や警察に詐欺の電話かどうか確認する。※相手から伝えられた電話番号は、別の詐欺師である可能性が高いです。絶対に折り返さないでください。
3. 万一に備えATMの利用限度額を低く設定しておく
普段、高額な取引を行わない場合、ATMの【1日の利用限度額】を予め低く設定することを検討しましょう。
詐欺のターゲットとして狙われやすい高齢のご家族がいる方は、被害の範囲を最小限に抑えるためにも役立つでしょう。
また、ATMへの振込を求められた場合には、銀行職員に相談するといったルールを決めておくと良いかもしれません。
4. 固定電話の設定を見直す
防犯機能を備えた電話機を導入したり、留守番電話機能を設定することをおすすめします。
重ねて、ナンバーディスプレイ機能を活用することも、選択肢の一つとして検討してみてください。
その理由に、固定電話や携帯電話が還付金詐欺で最も利用される連絡ツールであることが挙げられます。
詐欺師と直接やりとりしてしまうと、言葉巧みに言いくるめてしまう可能性が高いため、根本を断つことで、詐欺師による電話が減少する可能性があります。
不安を感じたら、迷わず家族や友人、警察、最寄りの消費者センターなどに相談しましょう。
還付金詐欺に遭ったらはじめにやるべきこと
こちらの章では還付金詐欺に遭ったらはじめにやるべきことについて、ご紹介します。
トラブルに巻き込まれた場合には、こちらの記事を思い出し、次の対応を行ってください。
焦らず、迅速に行動することが、被害を最小限に抑える大きな鍵となるでしょう。
1. 冷静になり、これ以上入金しない
還付金詐欺に遭った場合、振り込んでしまった分を取り返そうと、詐欺師の要求に従い入金してしまう方もいらっしゃいます。
まずは、冷静になり、起きてしまった出来事を客観視することが重要です。
怒りや焦りといった感情が支配すると、適切な対応ができなくなる可能性があります。
被害を大きくしないためにも、法律のプロである弁護士に相談し、今後の行動についてアドバイスをもらいましょう。
2. 素早く証拠を確保する
還付金詐欺の被害金額を取り返すためにも、素早く証拠の確保を行いましょう。
弁護士や警察、国民生活センターに解決するよう動いてもらうためには、何より証拠が大切です。
以下の情報をスクリーンショットで画像を保存したり、印刷して書面に残しましょう。
- 詐欺師とやり取りした内容(電子メールやテキストメッセージのトーク履歴)
- 詐欺師との通話記録
- 詐欺の取引日時
- 詐欺が行われた取引履歴
- 詐欺師の口座へ支払った証拠
- 詐欺師の情報(電話番号やメールアドレス、顔写真など)
重ねて、SNSで詐欺師とやり取りした場合、詐欺師は証拠を掴まれないよう、やり取りした該当アカウントをブロックしたり、削除・退会することも考えられます。
上記のような情報は、被害額を取り返すことはもちろん、後の調査や報告に役立つため、早急な対応を行いましょう。
3. 詐欺師との連絡を一切断つ
詐欺師は、巧妙に被害者を騙すために連絡を続けるかもしれませんが、一切の応答をせず、メッセージをブロックするなどの対策を取りましょう。
自分を騙したということで、詐欺師に対し、感情的になったり挑発したりすることは避け、冷静に行動しましょう。
証拠を確保した後、そっとフェードアウトして、警察や弁護士などの専門機関に委ねることが大切です。
銀行に連絡しましょう
還付金詐欺であることが判明し、詐欺師の指定口座にお金を振り込んでしまった場合、振込先の金融機関とのやり取りを行うことになります。
疑わしい口座なら銀行判断で口座凍結が可能
一般社団法人 全国銀行協会では、全ての銀行へ向け、「事務取扱手続」を通達しています。
この通達により、振込先の銀行判断で詐欺であると確認できた該当の口座を凍結(口座への出入金の停止と口座自体の解約)させることが可能です。
次のケースでは、すみやかに口座が凍結される可能性があります。
凍結口座の残金は被害者に分配される
犯罪利用された疑いのある該当口座が一定の条件を満たすと「被害回復分配金」=凍結口座の残金を受け取ることが可能です。
被害回復分配金受け取りの流れ
還付金詐欺をはじめとする、詐欺被害者の被害回復分配金受け取りの流れについてご紹介します。
ただし、該当口座の口座残高により、受け取り金額が異なるため、被害額を全て受け取れるわけではありません。
重ねて、詐欺被害者が複数人いる場合、被害回復分配金は被害額に応じ、各被害者に配分されます。
詐欺師がすでに口座からお金を引き出してしまっており、口座残高が1,000円未満の場合、受け取りができないことをご了承ください。
① 犯罪に利用された口座が凍結される。
② 預金保険機構のホームページ【https://furikomesagi.dic.go.jp/】に該当口座の情報や口座名義人の氏名などが公開される。
③ 公開後、60日以内に口座名義人(=詐欺師)から「自己の権利行使」を主張する届出がない場合、預金の権利が消滅する。
④ 被害者からの「被害回復分配金支払申請」の受付が開始される。
⑤ 被害者は、90日の被害回復分配金支払申請の期間中に、振込先の金融機関に対して申請をする。
⑥ 金融機関が支払該当者を精査し、被害回復分配金受け取りとなる。
詐欺被害者が被害回復分配金を受けるための条件
詐欺被害者が被害回復分配金を受け取るためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 被害回復分配金支払申請を行っていること
- 指定期間中に、振込先の金融機関へ申請すること
救済を受けられないケース
現金を直接詐欺師に手渡しした場合、救済措置の対象から外れるので、ご注意ください。
なお、現金をレターパックなど、現金書留以外の方法で郵送した場合、郵便法違反に該当し、罰金刑または懲役刑などの罪に問われる可能性が非常に高いです。
現金書留以外の方法で郵送してしまった際には、郵便局に追跡番号を伝え、すぐに配達をキャンセルしてもらいましょう。
還付金詐欺に巻き込まれた場合の頼れる相談先
還付金詐欺について相談できる機関についてもご紹介します。
万が一トラブルに巻き込まれた際には、早急に下記の窓口にて助けを求めてください。
1. 国民生活センター・消費者ホットライン
「国民生活センター」とは、国が運営する、消費者のための独立行政法人です。
消費者のための情報提供や調査・研究、消費者トラブルに関して法的解決手続も行っており、専門の相談員からアドバイスをもらえます。
還付金詐欺については、専門の相談員から適切な対処方法についてアドバイスがもらえたり、犯人の連絡先が判明している場合には、間に立って連絡を取ってもらえることも。
国民生活センターでは、電話での無料相談も可能なため、今後の対応について、アドバイスを仰ぐのも一つの選択肢ではないでしょうか。
- 電話番号:03-3446-1623
- 受付時間:平日10:00~12:00、13:00~16:00
- HP:https://www.kokusen.go.jp/map/
消費者ホットライン
還付金詐欺について、どの機関に相談すれば良いかわからない場合、最寄りの相談先を紹介してもらえる消費者ホットラインに問い合わせましょう。
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してもらえます。
- 電話番号:188
- 受付時間:相談窓口により異なる
- 通話料金:無料
2. 警察
融資保証金詐欺は「詐欺罪」に該当し、不正な金銭を銀行口座から引き出すことで、「窃盗罪」にも問われるなど、厳しい処罰を受けるれっきとした犯罪行為です。
また、単独ではなく、詐欺グループと関与して犯罪収益を受け取ることで「組織犯罪処罰法」の違反にも該当します。
警察に相談することを躊躇せず、電話口の相手に冷静に次の情報を伝えましょう。
- 還付金詐欺に遭った流れ
- 被害額・振込先
- 詐欺師の情報(詐欺師のSNSアカウントや特徴、電話番号などの連絡先など)
- 現在の状況
相談する際には、「#9110」に問い合わせることをおすすめします。
こちらの番号に詐欺被害を報告することで、相談内容に準じて、関連部署が連携して対応し、指導・助言・詐欺師への警告・検挙などの措置を行ってもらえます。
※「110」は、すぐに警察官に駆けつけてもらいたい緊急の事件・事故などを受け付ける通報ダイヤルです。
- 電話番号:#9110
- 受付時間:平日8:30~17:15(各都道府県警察本部で異なる)
- 「#9110」の紹介ページ《政府候補オンライン》:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html
3. 金融庁「金融サービス利用者相談室」
還付金詐欺をはじめとする金融関係でトラブルが発生した場合には、「金融サービス利用者相談室」に問い合わせるのも一つの選択肢ではないでしょうか。
この相談室は、金融関係全般の問題について、スムーズな解決を目指し、論点整理などのアドバイスをもらえる窓口です。
ただし、個々のトラブルの直接仲介・解決・あっせんは専門外ですので、ご注意ください。
- 電話番号:0570-016811
- 受付時間:平日10:00~17:00
- HP:https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/index.html
4. 弁護士
還付金詐欺に遭い返金を求める場合、法的観点からのアドバイスが役に立つこともあります。
弁護士には、法的関連で対応可能な業務や裁判所・審理の制限がないため、相談者の状況に最も適した手段で問題解決へ向けてアプローチすることが可能です。
煩雑な手続や書類作成を代行してもらえたり、金融機関との交渉や被害者本人では詐欺師が応じない場合も、代理人として介入することでスムーズに借金問題を解決できたりすることもあります。
直接出向かなくても、LINEやフリーダイヤルでの電話相談を無料で受けてくれる法律事務所もありますので、活用してみるのも一つの手ではないでしょうか。
法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、融資保証金詐欺への適切な対応策を見つけましょう。
被害が拡大する前に弁護士へ相談しましょう
1. 「最適な解決方法」で問題解決へアプローチ
先程もご紹介しましたが、弁護士に相談することで、法的観点から相談者の状況に最も適した解決方法を提案してもらうことが可能です。
法律のプロに法的観点から冷静に問題を分析してもらい、今後どうするべきかアドバイスをもらいましょう。
また、弁護士には、詐欺事案に関する業務の幅に制限はありません。
従って、トラブルが裁判へ発展した場合にも、迅速な対応を行うことが可能です。
相談者ごとに合わせた対策を講じることで、還付金詐欺の解決へ向けて、効率的にアプローチが行えます。
特に、詐欺事案の解決を強みにしている法律事務所であれば、経験豊富で相談実績も多く、相談者の頼もしいサポートとなることでしょう。
2. 被害金の返還請求手続を代理してもらえる
詐欺師から返金を求める場合、つまり詐欺問題解決には、スピード感を持って対処することが重要です。
しかし、警察や消費者センターでは、具体的な返金対応は望めず、限られた範囲内でのサポートとなります。
その理由に、詐欺事件の捜査や犯人の逮捕は可能ですが、被害金の返還請求は管轄外であることが挙げられます。
一方で、弁護士は、専門知識を要する被害金の返還請求を請け負うことが可能です。
詐欺師とやり取りする場合、弁護士の交渉力が加わることで、円滑に物事を進められるのもメリットではないでしょうか。
3. 刑事告訴の手続をサポートしてもらえる
還付金詐欺の詐欺師を刑事告訴する場合、その手続や警察とのやり取りには、法的知識だけでなく、独自のノウハウが必要不可欠です。
弁護士に依頼することで、内容証明の送付や警察への被害届提出、その後の対応まで一任できるなど、スムーズな問題解決や気持ちの負担を軽減する一助となるのではないでしょうか。
さらに、刑事告訴する際の必要な書類の準備や作成まで請け負ってもらえるため、相談者の時間と手間を削減することにも繋がります。
法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、あなたにとって最適な対応策を見つけましょう。
まとめ
ここまで、還付金詐欺について解説させていただきました。
還付金詐欺に遭った場合、予想していた還付金を手にできないという状況に陥り、パニックになって冷静な判断が難しくなるケースが少なくありません。
特に還付金の仕組みは複雑なため、専門知識がない場合、騙されやすい傾向にあります。
人のニーズを巧妙に汲み取ったようなうまい話やデメリットのないおいしい話には裏があることを念頭に置きましょう。
あなたのニーズに合わせたような甘い話やデメリットをほとんど感じさせない魅力的な話には、仕組まれた裏の目的が存在する可能性があることを忘れないでください。
詐欺師の説得力に惑わされず、一時の感情に流されて急いで支払いを決める前に、一度冷静になり、支払いについてよく考える必要があります。
重ねて、詐欺であるか判断が難しい場合や少しでも違和感を感じた際には、まず信頼できる人に相談することをおすすめします。
また、身近な人に相談しづらい場合はもちろん、被害を拡大させないためにも、警察や消費センターなどの公的機関、弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを得ることが、詐欺被害の解決に向けた重要な一歩になるのではないでしょうか。
※こちらの記事は、2023年8月28日時点の情報です。
お問い合わせ先
【XP法律事務所】
- 代表弁護士:今井 健仁(第二東京弁護士会)
- 所在地:〒104-0061 中央区銀座1-15-4 銀座一丁目ビル13階
- TEL:0120-239-235(詐欺問題専用番号)
- ホームページ:https://sagihigai-henkinsoudan.jp/illust02/02/g/lad/