詐欺
【2023年最新】不動産投資詐欺を徹底解説!手口事例や対策、詐欺で騙されたらやるべきことなど
皆さんは、「不動産投資」の経験をお持ちですか?昨今、不動産の投資運用の仕組みが分からないまま、詐欺師の口車に乗せられ、お金を騙し取られてしまうケースも報告されているのです。本記事では、不動産投資詐欺とは何か・不動産投資詐欺の詐欺事例・被害に遭わないための対策・被害に遭った場合の対応など、わかりやすく解説していきます。
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皆さんは、「不動産投資」の経験をお持ちですか?
不動産投資とは、住宅やビルなどの不動産を購入することでその所有権を持ち、賃貸収入または将来の売却益を狙う投資のことです。
コロナ禍で将来を不安視する声が多く上がったことで、資産形成を意識させる「老後2,000万円問題」や若年層の「FIRE」への関心が高まり、不動産投資をはじめたり、興味を持つ方が増えたことが要因だと考えられています。
その一方で、不動産の投資運用の仕組みが分からないまま、詐欺師の口車に乗せられ、お金を騙し取られてしまうケースも報告されているのです。
本記事では、不動産投資詐欺とは何か・不動産投資詐欺の詐欺事例・被害に遭わないための対策・被害に遭った場合の対応など、わかりやすく解説していきます。
この記事が、不動産投資詐欺についての対策を学びたい方や被害に遭ってお困りの方の一助となれば幸いです。
そもそも不動産投資とは
「不動産投資」とは、不動産を購入し、所有者となることで、その不動産から収益を得ることです。
具体的に、マンションやアパートなどの住居をはじめ、商業施設、オフィスビルなどの不動産物件を購入し、賃貸料や売却益などで、収益を得ることを目的とします。
不動産投資の種類は、主に次の通りです。
- 一棟投資
- 区分投資
- 戸建て投資
ここで、上記の詳しい内容について、次の図でご紹介していきます。
1. 一棟投資
具体的な内容 | 「一棟投資」とは、建物一棟=土地と建物など物件を丸ごと購入し、全室(全ての区や部分)を賃貸に出すことで、収益を得る投資方法です。 建物一棟とは、マンションやアパートなどの住居をはじめ、商業ビルや雑居ビルなどを指します。 テナントや賃借人が入居するほどに、多くの利益を得ることが可能です。 |
メリット | 複数の部屋や区画を所有しているため、突然収入がなくなるなどのリスクを分散できる一棟を所有するため、管理規則を自分で決められる(民泊不可など)一棟を所有するため、リフォーム・リノベーションなどを自由に行える土地と建物を所有するため、資産価値が高い |
デメリット | 所有・運用までに時間と手間を要する管理が難しく複雑リフォーム・リノベーション費用が高い老朽化や集客力が低下すると空室率が上昇する |
2. 区分投資
具体的な内容 | 「区分投資」とは、マンションやアパートの一室を一単位として購入し(=一室から購入可能)、賃貸に出すことで収益を得る投資方法です。 |
メリット | 物件の種類が多く、投資額の幅が広い上に、少額からでも投資可能立地条件が異なるマンションやアパートの部屋を複数所有するなど、分散投資が可能一室を一単位とするため、少額からでも投資可能一室を一単位とするため、売却が容易 |
デメリット | 空室により、収益が不安定かつ赤字のリスク管理規則や権限が限定されている一室だけを所有する場合、高利回りを狙いにくい自由にリフォーム・リノベーションなどの修繕を行えない |
3. 戸建て投資
具体的な内容 | 「戸建て投資」とは、一戸建ての住宅=一軒家を購入し、「貸家」として賃貸に出すことで収益を得る投資方法です。 |
メリット | マンションやアパートを建てるスペースのない土地を活用出来る一棟を所有するため、管理規則を自分で決められる(民泊不可など)マンションやアパートに比べ、物件数が少ないため、需要が高い土地と建物を所有するため、資産価値が高い |
デメリット | 所有・運用までに時間と手間を要する区分投資に比べ、維持管理費用を要する区分投資に比べ、リフォーム・リノベーション費用がかかるマンションやアパートに比べ、需要が少ないため、空室リスクが比較的大きい |
最近では、テレビドラマが火付け役となり話題に上がった「シェアハウス」をはじめ、「サービス付き高齢者住宅」や「民泊(Airbnbなど)」、「コインパーキング」、「バイク駐輪場」、「トランクルーム」なども、事業性の高い不動産投資として人気を集めています。
また、不動産投資で利益を得る方法は、主に次の通りです。
不動産投資で利益を得る方法 | 具体的な内容 |
物件投資(賃貸収入) | 「物件投資(賃貸収入)」とは、不動産を購入し、賃貸に出すことで収益を得る投資方法です。 |
キャピタルゲイン(売却益) | 「キャピタルゲイン(売却益)」とは、不動産を購入し、所有している不動産価格が上昇した際に売却することで収益を得る投資方法です。 |
リート投資: 不動産投資信託 | 「リート投資」とは、投資者から集めた資金で不動産を購入し、賃貸料収入や不動産の売買益を投資者に配当することで収益を得る投資方法です。 一般的に「不動産投資信託」とも呼ばれています。 |
フリップ投資: 転売 | 「フリップ投資」とは、中古物件などの不動産を安く購入し、改修やリノベーションなど不動産の価値を向上させ、短期間かつ高値で売却することで収益を得る投資方法です。 |
不動産投資詐欺が増加している?!
「不動産投資詐欺」とは、不動産投資を巡るさまざまな口実を利用して金銭を騙し取る詐欺のことです。
不動産投資詐欺の代表的な手口は次の6つです。詳しい内容は、後ほど詳しくご紹介させていただきます。
手付金詐欺
二重譲渡詐欺
利回り詐称詐欺
サブリース詐欺
国際恋愛詐欺
海外不動産投資詐欺
不動産投資詐欺が増加した要因として、以下のような点が挙げられます。
- 昨今の不動産投資の低金利化
- 老後への不安
- 資産形成の興味関心の高まり
- 日本経済への懸念
特にコロナ渦の影響を受けて、不動産投資を始める方が増えた=詐欺師にとってターゲットが見つかりやすくなったことに加え、将来に対する不安などの心理を巧みに利用していると考えられます。
前提として、投資には必ずリスクが伴うことを理解することが重要です。
投資を始める際には、対象となる投資に関する正しい情報やリスク管理についての知識を深めましょう。
また、短期間での成功体験に浮かれたり、急いで大金を稼ごうとせず、慎重に投資計画を練ることや注意深く行動することが重要です。
不動産投資の詐欺事例
こちらの章では、「不動産投資詐欺」の代表的な詐欺事例を6つご紹介します。
少しでも対応に違和感を感じたり、同じような口実で振込を求められた場合は、こちらの記事を思い出してください。
1. 手付金詐欺
「手付金詐欺」とは、支払った手付金を騙し取られ、実際の不動産は手に入らない詐欺のことです。
詐欺師は、手付金を騙し取るため、巧妙な話術によって契約を取ろうとします。
「この不動産は将来的な価値の上昇を見込める」「人気物件ですぐに契約されてしまうため、急いで手付金を払ってキープしたほうがよい」などの口実には、慎重になりましょう。
また、一定の条件で契約を取り消すことができる「クーリング・オフ制度」を用いて油断を誘う手法に加え、物件の立地・人気・グレードなどの詳細情報を偽るケースも存在します。
さらに、1つの物件に対して複数の購入者と契約を結び、支払わせた手付金を持ち逃げして姿を消す事例にも注意してください。
手付金詐欺の主な特徴の一つに、詐欺師は虚偽の情報が暴かれないよう、契約を急かすことがあります。
購入希望者の質問に対し、断定的な表現や根拠のない返答をするなど、正当な情報に基づかない“うまい儲け話”には警戒しましょう。
「手付金」とは、契約を前提に不動産の購入者が売り主に対して支払うお金で、取引が確定する保証金のような役割を果たしています。 取引が確定するというのは、この手付金を払うことで、売主が他の購入希望者との交渉を制約させる=交渉をストップさせることが可能なためです。 契約が成立した際には、売買代金に充てられますが、取引が不成立になった場合には、一般的に手付金は返還されません。
2. 二重譲渡詐欺
「二重譲渡詐欺」とは、既に契約を結んでいるにも関わらず、それを故意に隠して、同じ不動産物件を複数の人に販売する詐欺行為のことです。
同じ物件に対し、複数の人に売却契約を結び、より多くの購入金を騙し取ろうとします。
詐欺者は、偽の契約書や情報を用いることで、まるで物件を所有しているかのように見せかけるのです。
二重譲渡詐欺の特徴に、不動産を複数人に売却するため、被害額が大きいことが挙げられます。
この詐欺の恐ろしいところは、複数の購入者が同じ物件の所有権を主張し、その結果、二次被害が生じてしまうことです。
現在の法律では、先に登記を終えた方が所有権を主張できると定められています。
従って、物件を手に入れることができるのは1人で、他の購入者は、売却代金を支払っていても、物件を手にすることはできません。
物件の所有者が詐欺に加担している場合、詐欺を見極めるのは困難です。
そのため、信頼できる不動産業者を選ぶことが、被害に遭わないための鍵となります。
3. 利回り詐称詐欺
「利回り詐称詐欺」とは、投資対象の不動産の利回り(投資収益率)を実際よりも高く表示する詐欺行為のことです。
利回りが高い物件を選ぶことを好む購入者の心理を利用し、実際よりも高い利回りに偽ることで、物件を契約させようと促すのです。
詐欺師が利回りを偽る代表的な手法は、次の3つです。
- 賃料収入・運営コストの過大見積もり
- 架空の入居者を設定+高額で賃貸契約【物件の売買価格が相場より高く設定】
- 入居者のつかない高額な賃料
1と2の手法は、現在の利回りを良く見せるためのものであり、3は将来の利回りを高く見せかけるための手法です。
しかし、実際に利回りを偽った物件を購入して賃貸経営を始めても、架空の入居者の契約が続いたり、予想と異なる利回となり、経営が立ち行かなくなります。
さらに、架空の入居者の退去後に、部屋を確認しても生活の痕跡が見当たらず、電気・ガス・水道の契約が一切されていなかったという恐ろしい事例も多発しています。
詐欺に巻き込まれないようにするためにも、詐欺師が提示する情報だけでなく、独自に情報を収集し、実際の物件価値を理解することが重要です。
「利回り」とは、投資額に対してどれくらいのリターン・利益があるのかを数値化したものです。
4. サブリース詐欺
「サブリース詐欺」とは、賃貸者の家賃を永続的に保証するという謳い文句で、サブリース契約を勧める詐欺のことです。
しかし、賃料見直し時期になると、現在の契約が解約されることがあります。
当然のことながら、実際には初めに謳われた通りに家賃が永続的に保証されることはありません。
さらに、偽りの家賃保証のために相場よりも高い賃貸契約を結ぶことが多いですが、賃料の更新時には低い賃料に見直されてしまうケースも多く見受けられます。
全てのサブリース契約が詐欺であるわけではありませんが、消費者庁などからも注意喚起が行われているほど、トラブルが多いのが現実です。
トラブルを避けるためには、契約関連書類を十分に確認するとともに、契約のデメリットやリスクについての知識を深めましょう。
「サブリース」とは、オーナーが所有する物件をサブリース会社が一括借り上げし、入居者に転貸することです。
5. 国際恋愛詐欺
「国際恋愛詐欺」とは、主にインターネット上のSNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどを通し、外国人を装い、時には恋愛感情を抱かせるような甘い言葉で対象者を騙し、金銭を送金させる詐欺のことです。
不動産投資詐欺の場合、親密になったところで投資用不動産の購入を勧め、不動産購入後に相手との連絡が途絶えるケースが多いです。
被害が拡大している要因に、新型コロナウイルスによる行動制限により、SNSの利用率が増加し、オンライン上での出会いが一般化したことが挙げられます。
国際恋愛詐欺は、詐欺師が手間暇かけて関係を築く傾向があり、そのため被害額が大きいといった傾向があります。
「一緒に日本や外国で暮らすため」「結婚式を挙げるための費用」「不動産投資で利益が出た分を出金するための手数料・所得税」などの謳い文句で不動産投資を勧められた場合には、十分な警戒が必要です。
6. 海外不動産投資詐欺
「海外不動産投資詐欺」とは、海外の不動産に投資することを装い、購入者からお金を騙し取る詐欺のことです。
詐欺師は、高い利益や安定した収入を保証する虚偽の情報を用いて、購入者を欺きます。
この詐欺は、投資先の物件が海外にあることで、実際に現地に足を運ぶことが難しいことを逆手に取っているのです。
詐欺師は、実際に存在しない物件を販売したり、相場よりも高い価格で販売するなどの手法を使い、被害者の資金をだまし取りますが、最終的には物件を手に入れることができないケースが多く報告されています。
こうした被害を防ぐためには、契約前に必ず自分で現地調査をすることが大切です。
現地調査が難しい場合には、信頼性のある不動産業者を選ぶなど、現実的で合理的な情報を求め、慎重な判断を心掛けましょう。
不動産投資詐欺に遭わないための対策
自分の大切な資産を守るためにも、詐欺師との連絡を断ち、きっぱりと誘いを断ることが重要です。
また、信頼できる人間に相談したり、詐欺の相談窓口や最寄りの警察へ助けを求めることで、被害が拡大するのを防止しましょう。
1. 宅建免許の有無を確認
不動産投資詐欺を防ぐために、「取引相手の宅建免許の有無」を確認しましょう。
前提として、宅建免許がないのに関わらず、不動産売買をすることは、違法行為です。
こうした物件を購入した場合、相場より高い価格でありながら利回りが低かったり、大規模な修繕費が必要になるなど、条件の悪い物件を購入することになってしまいます。
宅建免許を所持していない場合、詐欺師である可能性が非常に高いです。
実際に支払いを行う前に、不動産会社のウェブサイトや担当者の名刺で、免許番号を確認しましょう。
ただし、宅建免許を持っている場合でも注意が必要です。
実在する他の不動産会社を装っているケースもあるため、実際に業者に足を運んで確認することが良いでしょう。
なお、不動産業者の免許は、次の2種類に分類されます。これらの情報を目安にすることで、信頼性を判断する助けとなるでしょう。
- 国土交通大臣発行【複数の都道府県に支店を構える不動産業者】
- 都道府県知事発行【1つの都道府県のみで運営している不動産業者】
2. 不動産登記の内容の確認
不動産投資詐欺の被害を防ぐためには、「不動産登記の内容」の確認も欠かせません。
まず「不動産登記」とは、土地や建物の所在地や面積、所有者の住所や氏名などの権利関係が記載された公的な文書です。
これは手数料を支払えば誰でも閲覧可能となっており、権利関係を明確にすることで、取引の安全と円滑さを確保する役割を果たしています。
不動産の法的な所有権は、金銭のやり取りではなく、各地の法務局で行われる「登記」の手続きによって確定すると、前の章でご紹介しました。
不動産登記の内容を事前に確認することで、詐欺被害から身を守ることができます。
確認する際には、特に取引直前の短期間に不正な所有権移転登記が何度も行われていないかどうかをチェックすることが重要です。
この確認行為により、詐欺の手口を見抜くことに繋がります。
3. 過度な利回りに注意する
過度な利回りを謳う物件には注意することも、不動産投資詐欺の被害を防ぐための鍵となります。
こうした物件は、現在の耐震基準に適合していない物件や管理状態の悪い物件、架空の入居者を設定している可能性のある物件、売却が難しい物件などが含まれる可能性があります。
また、高利回りに見せるため、管理費や修繕金を高く見積もることで、売買価格を下げるなど、多くのリスクを抱えている可能性も高いです。
現実的でないほど高い利回りは、詐欺の兆候かもしれません。
こうした被害に遭わないためには、実際に物件を現地で見てみたり、直近に不自然な入居者や短期間の退去者が増えていないか確認することが大切です。
物件の実態をきちんと把握することで、不動産投資におけるリスクを最小限に抑えることに繋がるでしょう。
4.うまい話
不動産投資の詐欺師は購入者にとって甘い言葉やおいしい儲け話を用いて、お金を騙し取ろうとしてきます。
「この物件は絶対に儲かる」「将来的な価値の上昇が期待される」「人気の物件で早い者勝ちである」といった口実が使われますが、これらは購入を急かすための手段です。
また、「契約するまで帰らない」という文言をはじめ、深夜や長時間拘束の勧誘、生活に支障をきたすなどの強引な手法には、警戒しましょう。
注意すべきポイントは次の通りです。
- 過度に高い利益を謳う話には、疑いを持つこと
- メリットばかり強調する場合には、冷静な判断をすること
- 契約を急かされる場合には、用心すること
- リスクを故意に隠したり、説明を省く場合には、契約を進めないこと
投資や不動産取引においては、慎重なリサーチと情報収集が重要です。
疑わしい話は鵜呑みにせず、信頼できる情報源や専門家の意見を求めることで、詐欺被害を未然に防ぐことができます。
不動産投資詐欺に遭ったらはじめにやるべきこと
こちらの章では、不動産投資詐欺に遭ったらはじめにやるべきことについて、ご紹介します。
トラブルに巻き込まれた場合には、次の対応をスムーズに行うことで、解決への鍵となるでしょう。
1. 冷静になり、これ以上入金しない。
不動産投資詐欺被害に遭った場合、損した分を取り返そうとさらに入金してしまう人もいます。
まずは、冷静になり、起きてしまった出来事を客観視しましょう。
怒りや焦りといった感情が支配すると、適切な対応ができなくなる可能性があります。
2. SNSや偽の投資サイトが消される前に、素早く証拠を確保する。
不動産投資の被害金額を取り返すため、素早く証拠の確保を行いましょう。
弁護士や警察、国民生活センターに解決するよう動いてもらうためには、何より証拠が大切です。
以下の情報をスクリーンショットで画像を保存したり、印刷して書面に残しましょう。
- 詐欺師とやり取りした内容(トーク履歴)
- 詐欺の取引日時
- 詐欺が行われた取引履歴
- 詐欺師の情報(電話番号やメールアドレスなど)
- 詐欺師とやり取りしたSNSのアカウント情報
特にSNSで詐欺師とやり取りした場合、詐欺師は証拠を掴まれないよう、やり取りした該当アカウントをブロックしたり、削除・退会することも考えられます。
上記のような情報は、被害額を取り返すため、後の調査や報告に役立つため、早急な対応を行いましょう。
3. 詐欺師との連絡を一切断つ
詐欺師は、巧妙に被害者を騙すために連絡を続けるかもしれませんが、一切の応答をせず、メッセージをブロックするなどの対策を取りましょう。
自分を騙したということで、詐欺師に対して感情的になったり挑発したりすることは避け、冷静に行動しましょう。
証拠を確保した後、そっとフェードアウトして、専門機関に委ねることが大切です。
銀行に連絡しましょう
不動産投資詐欺であることが判明し、詐欺師の指定口座にお金を振り込んでしまった場合は、振込先の金融機関とのやり取りを行うことになります。
疑わしい口座なら銀行判断で口座凍結が可能
一般社団法人 全国銀行協会では、全ての銀行へ向け、「事務取扱手続」を通達しています。
この通達により、振込先の銀行判断で詐欺であると確認できた該当の口座を凍結(口座への出入金の停止と口座自体の解約)させることが可能です。
次のケースでは、すみやかに口座が凍結される可能性があります。
凍結口座の残金は被害者に分配される
犯罪利用された疑いのある該当口座が一定の条件を満たすと「被害回復分配金」=凍結口座の残金を受け取ることが可能です。
被害回復分配金受け取りの流れ
詐欺被害者の被害回復分配金受け取りの流れについてご紹介します。
ただし、該当口座の口座残高により、受け取り金額が異なるため、被害額を全て受け取れるわけではありません。
重ねて、詐欺被害者が複数人いる場合、被害回復分配金は被害額に応じ、各被害者に配分されます。
詐欺師がすでに口座からお金を引き出してしまっており、口座残高が1,000円未満の場合、受け取りができないことをご了承ください。
- 犯罪に利用された口座が凍結される。
- 預金保険機構のホームページ【https://furikomesagi.dic.go.jp/】に該当口座の情報や口座名義人の氏名などが公開される。
- 公開後、60日以内に口座名義人(=詐欺師)から「自己の権利行使」を主張する届出がない場合、預金の権利が消滅する。
- 被害者からの「被害回復分配金支払申請」の受付が開始される。
- 被害者は、90日の被害回復分配金支払申請の期間中に、振込先の金融機関に対して申請をする。
- 金融機関が支払該当者を精査し、被害回復分配金受け取りとなる。
詐欺被害者が被害回復分配金を受けるための条件
詐欺被害者が被害回復分配金を受け取るためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 被害回復分配金支払申請を行っていること
- 指定期間中に、振込先の金融機関へ申請すること
救済を受けられないケース
現金を詐欺師に手渡しした場合、救済措置の対象から外れるので、ご注意ください。
なお、現金をレターパックなど、現金書留以外の方法で郵送した場合、郵便法違反に該当し、罰金刑または懲役刑などの罪に問われる可能性が非常に高いです。
現金書留以外の方法で郵送してしまった際には、郵便局に追跡番号を伝え、すぐに配達をキャンセルしてもらいましょう。
不動産投資詐欺に巻き込まれた場合の頼れる相談先
不動産投資詐欺について相談できる機関についてもご紹介します。
万が一トラブルに巻き込まれた際には、早急に下記の窓口にて助けを求めてください。
1. 国民生活センター・消費者ホットライン
「国民生活センター」とは、国が運営する、消費者のための独立行政法人です。
消費者のための情報提供や調査・研究、消費者トラブルに関して法的解決手続も行っており、専門の相談員からアドバイスをもらえます。
不動産投資詐欺については、専門の相談員から適切な対処方法についてアドバイスがもらえたり、犯人の連絡先が判明している場合には、間に立って連絡を取ってもらえることも。
国民生活センターでは、電話での無料相談も可能なため、今後の対応について、アドバイスを仰ぐのも一つの選択肢ではないでしょうか。
- 電話番号:03-3446-1623
- 受付時間:平日10:00~12:00、13:00~16:00
- HP:https://www.kokusen.go.jp/map/
消費者ホットライン
不動産投資詐欺について、どの機関に相談すれば良いかわからない場合、最寄りの相談先を紹介してもらえる消費者ホットラインに問い合わせましょう。
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してもらえます。
- 電話番号:188
- 受付時間:相談窓口により異なる
- 通話料金:無料
2. 警察
前提として、詐欺行為は「詐欺罪」に該当し、不正な金銭を銀行口座から引き出すことで、「窃盗罪」にも問われるなど、厳しい処罰を受けるれっきとした犯罪行為です。
また、単独ではなく、詐欺グループと関与して犯罪収益を受け取ることで「組織犯罪処罰法」の違反にも該当します。
警察に相談することを躊躇せず、電話口の相手に冷静に次の情報を伝えましょう。
- 不動産投資詐欺に遭った流れ
- 被害額・振込先
- 詐欺師の情報(詐欺師のSNSアカウントや特徴、電話番号などの連絡先など)
- 現在の状況
相談する際には、「#9110」に問い合わせることをおすすめします。
こちらの番号に詐欺被害を報告することで、相談内容に準じて、関連部署が連携して対応し、指導・助言・詐欺師への警告・検挙などの措置を行ってもらえます。
※「110」は、すぐに警察官に駆けつけてもらいたい緊急の事件・事故などを受け付ける通報ダイヤルです。
- 電話番号:#9110
- 受付時間:平日8:30~17:15(各都道府県警察本部で異なる)
- 「#9110」の紹介ページ《政府候補オンライン》:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html
3. 金融庁「金融サービス利用者相談室」
不動産投資詐欺をはじめとする金融関係でトラブルが発生した場合には、「金融サービス利用者相談室」に問い合わせるのも一つの選択肢ではないでしょうか。
この相談室は、金融関係全般の問題について、スムーズな解決を目指し、論点整理などのアドバイスをもらえる窓口です。
ただし、個々のトラブルの直接仲介・解決・あっせんは専門外ですので、ご注意ください。
- 電話番号:0570-016811
- 受付時間:平日10:00~17:00
- HP:https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/index.html
4.「全国宅地建物取引業保証協会」「不動産保証協会」
「全国宅地建物取引業保証協会」や「不動産保証協会」は、不動産投資にまつわるトラブルや苦情を相談できる窓口を設けています。
両者ともに、ほとんどの不動産会社が所属する保証協会です。
不動産投資詐欺などのトラブルに巻き込まれた際には、該当の不動産会社と相談者の間に立って自主解決をサポートしてもらえます。
さらに、相談者が何らかの損害を受けたり、自主解決に至らなかった場合、「弁済業務」を行ってもらえるのがポイントです。
ちなみに、弁済業務とは、不動産会社に代わり、上限が設けられていますが、保証協会が損害額を保証してもらえることを指します。
- 電話番号:都道府県・相談窓口により異なる
- 受付時間:相談窓口により異なる
- 【全国宅地建物取引業保証協会 HP】:https://www.zentaku.or.jp/about/free_consultation/
- 【不動産保証協会 HP】:https://www.fudousanhosho.or.jp/admission/complaint/
5. 免許行政庁
「免許行政庁」は、不動産投資において、悪質な勧誘を受けた場合に相談できる機関です。
前提として、時間を問わないしつこく勧誘や断定的かつ脅迫めいた言葉で契約を迫ったり、自宅に押しかけるなどの行為は法律で禁止されています。
上記のような悪質な勧誘を受けた場合は、勧誘を受けた日時や該当の会社名・所在地、やり取りの内容などを証拠に取り、免許行政庁に報告しましょう。
悪質であると判断された際には、該当の不動産会社に対し営業停止・免許取り消しなどの対処が下される場合があります。
- 電話番号:担当の「免許行政庁」を下記URLより検索してください
- 受付時間:相談窓口により異なる
- HP:https://www.mlit.go.jp/about/oshirase_index.html
6. 弁護士
不動産投資詐欺に遭い返金を求める場合、法的観点からのアドバイスが役に立つこともあります。
弁護士には、法的関連で対応可能な業務や裁判所・審理の制限がないため、相談者の状況に最も適した手段で問題解決へ向けてアプローチすることが可能です。
煩雑な手続や書類作成を代行してもらえたり、金融機関との交渉や被害者本人では詐欺師が応じない場合も、代理人として介入することでスムーズに借金問題を解決できたりすることもあります。
直接出向かなくても、LINEやフリーダイヤルでの電話相談を無料で受けてくれる法律事務所もありますので、活用してみるのも一つの手ではないでしょうか。
法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、不動産投資詐欺への適切な対応策を見つけましょう。
被害が拡大する前に弁護士へ相談しましょう
1. 「最適な解決方法」で問題解決へアプローチ
先程もご紹介しましたが、法的観点から相談者に最も適した解決方法を提案してもらうことが可能です。
法律のプロに、法的観点から冷静に状況を分析してもらい、今後どうするべきかアドバイスを仰ぎましょう。
また、弁護士には、詐欺事案に関する業務の幅に制限がないため、裁判へ発展した際にも、迅速な対応を行えます。
状況に適した対策を講じることで、不動産投資詐欺の解決へ向けて、効率的にアプローチができるのです。
特に、詐欺事案の解決を強みにしている法律事務所であれば、経験豊富で相談実績も多く、相談者にとって心強い存在になってくれるのではないでしょうか。
2. 被害金の返還請求手続を代理してもらえる
詐欺師から返金を求める場合、つまり詐欺問題解決には、スピード感を持って対処することが大きな鍵となります。
しかし、警察や消費者センターでは迅速かつ具体的な対応を望めません。
その理由に、詐欺事件の捜査や犯人の逮捕は可能ですが、被害金の返還請求は管轄外であることが挙げられます。
一方で、弁護士は、専門知識を要する被害金の返還請求を請け負うことが可能です。
詐欺師と交渉する場合、弁護士が介入することで、円滑に物事を進められるのもメリットではないでしょうか。
3. 刑事告訴の手続をサポートしてもらえる
加害者、つまり不動産投資詐欺の詐欺師を刑事告訴する場合、その手続には法的知識に加えて、警察とのやり取りにおける独自のノウハウが必要不可欠です。
弁護士に依頼することで、内容証明の送付や警察への被害届提出、その後の対応まで一任できるなど、スムーズな問題解決や気持ちの負担を軽減する一助となるのではないでしょうか。
また、刑事告訴するにあたって、必要な書類の準備や作成まで請け負ってもらえるため、相談者の時間と手間を削減することにも繋がります。
法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、あなたにとって最適な対応策を見つけましょう。
まとめ
ここまで、「不動産投資詐欺」について解説しました。
詐欺に遭った場合、多額の金銭を失ってしまったことはもちろん、パニックになり、冷静な判断が下せなくなってしまうケースも少なくありません。
人のニーズを巧妙に汲み取ったような“おいしい話”やデメリットのない“甘い誘い話”には裏があることを念頭に置きましょう。
詐欺師に言いくるめられ、その場の勢いで物件という大きな買い物をする前に、一旦踏みとどまって、支払いについて考える必要があります。
詐欺であるか判断が難しい場合や違和感を感じた場合、まずは信頼できる人に相談することが重要です。
身近な人に打ち明けづらい場合はもちろん、これ以上被害を拡大させないためにも、警察・消費センターなどの公的機関や弁護士などの専門家に相談し、アドバイスをもらうことが、詐欺被害解決への大きな一歩に繋がるのではないでしょうか。
※こちらの記事は、2023年8月17日時点の情報です。
お問い合わせ先
【XP法律事務所】
- 代表弁護士:今井 健仁(第二東京弁護士会)
- 所在地:〒104-0061 中央区銀座1-15-4 銀座一丁目ビル13階
- TEL:0120-239-235(詐欺問題専用番号)
- ホームページ:https://sagihigai-henkinsoudan.jp/illust02/02/g/lad/