債務整理(任意整理・個人再生・自己破産・過払金)
【弁護士監修】自己破産と連帯保証人:保証人への影響と対策を徹底解説!大切な人に迷惑をかけずに借金問題を解決するための全知識と具体的な対応策
自己破産を考えているけれど、連帯保証人への影響が心配ですか?自己破産が保証人に与える具体的な影響、請求を避けるための対策、そして保証人と協力して借金問題を解決するための交渉術まで、あなたの不安を解消する完全ガイドです。

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はじめに:連帯保証人、それは信頼と責任の証
多額の借金に苦しみ、自己破産という最終手段を検討する際、多くの人が最も頭を悩ませ、心を痛めるのが連帯保証人の存在でしょう。連帯保証人とは、主債務者(お金を借りた本人)が借金を返済できなくなった場合に、主債務者に代わってその返済義務を負う人のことです。多くの場合、親、兄弟、配偶者、友人など、あなたにとってかけがえのない大切な人が連帯保証人になっています。
「自分が自己破産したら、連帯保証人に迷惑をかけてしまうのではないか?」「大切な人に借金を背負わせてしまうのか?」このような不安は、自己破産を決断する上で最大の壁となるかもしれません。
本記事では、自己破産が連帯保証人にどのような影響を与えるのかを徹底的に解説します。さらに、連帯保証人への影響を最小限に抑えるための具体的な対策、そして借金問題を根本的に解決するための全知識と具体的な対応策を、網羅的にご紹介します。この完全ガイドを読めば、あなたの連帯保証人に関する不安はきっと解消され、最適な解決策を見つける一助となるでしょう。

1. 連帯保証人とは?自己破産との関係性を理解する
まずは、連帯保証人の基本的な仕組みと、自己破産が連帯保証人にどのような影響を及ぼすのかを正確に理解しましょう。
1-1. 連帯保証人の法的責任:主債務者と同等の義務
連帯保証人は、通常の「保証人」よりも重い責任を負います。一般的な保証人には、「催告の抗弁権(主債務者にまず請求するよう主張できる権利)」や「検索の抗弁権(主債務者に財産があることを証明して、まずそこから取り立てるよう主張できる権利)」が認められていますが、連帯保証人にはこれらの権利がありません。
つまり、連帯保証人は、主債務者が返済を滞納した場合、貸金業者から主債務者と全く同等の立場で、直接返済を請求されることになります。主債務者に返済能力があるかどうかに関わらず、また、主債務者に請求があったかどうかも関係なく、連帯保証人はいつでも全額の返済を求められる可能性があるのです。
この「連帯保証債務」は、主債務者が借りた金額全て(元金、利息、遅延損害金を含む)に及びます。
1-2. 自己破産と連帯保証債務:免責は主債務者のみ
結論から言うと、あなたが自己破産によって借金の返済義務を免責されたとしても、連帯保証人の返済義務は免除されません。
あなたが自己破産手続きを開始すると、裁判所から債権者(お金を貸している側)に対し、自己破産の通知が送られます。この通知を受け取った債権者は、あなたに対する債権回収を停止し、代わりに連帯保証人に対して残りの債務の一括請求を行います。
なぜなら、自己破産による「免責」は、破産者であるあなた個人に対する借金の支払い義務が法的に消滅するだけであり、連帯保証人が負っている「連帯保証債務」には影響しないからです。連帯保証債務は、主債務者の債務とは独立して存在する、連帯保証人自身の債務とみなされるのです。
この点が、自己破産において連帯保証人との関係が最も複雑かつ重要な問題となる理由です。
1-3. 保証の種類と連帯保証人の違い
混同されやすい保証の種類を確認しましょう。
項目 | 連帯保証人 | 保証人 |
法的責任 | 主債務者と全く同等。強い責任。 | 主債務者が返済不能な場合に限り責任を負う。 |
抗弁権 | 催告の抗弁権、検索の抗弁権なし | 催告の抗弁権、検索の抗弁権あり |
自己破産時 | 主債務者の免責後、直ちに全額請求がいく | 主債務者の免責後、全額請求がいく(上記抗弁権は主張可能) |
特徴 | 金融機関の融資で広く用いられる。 | 親族間の個人的な貸し借りなどで用いられる。 |
現代の金融機関のローンや奨学金では、ほとんどの場合「連帯保証人」が求められます。
2. 自己破産が連帯保証人に与える具体的な影響
あなたが自己破産をすると、連帯保証人にはどのような具体的な影響が出るのでしょうか。
2-1. 残債務の一括請求
最も直接的な影響は、残っている借金の全額が連帯保証人に一括で請求されることです。
- 請求のタイミング: あなたが自己破産の申し立てを行うと、その旨が債権者に通知されます。通知を受け取った債権者は、あなたからの回収が困難になるため、即座に連帯保証人に対して残債務(元金、利息、遅延損害金すべて)の一括請求を行います。
- 連帯保証人の困窮: 連帯保証人が多額の一括請求に応じることは、経済的に非常に大きな負担となります。貯金を取り崩したり、自身の生活を圧迫したりするだけでなく、返済能力がない場合は、連帯保証人自身も深刻な経済的困難に陥る可能性があります。
2-2. 連帯保証人の信用情報への影響(ブラックリスト入り)
連帯保証人が一括請求されたにも関わらず、その請求に応じられずに返済が滞ると、連帯保証人自身の**信用情報機関に事故情報が登録されます。**これが、一般的に言われる「ブラックリスト入り」の状態です。
- 影響:
- 新たな借り入れやローンの審査に通らなくなる: 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、消費者金融からの借り入れなど、あらゆるローンの利用が困難になります。
- クレジットカードの新規作成や更新ができなくなる: 既存のクレジットカードも利用停止・解約となる可能性があります。
- 携帯電話の分割購入が難しくなる: 割賦販売契約を含む携帯電話の新規契約や機種変更が難しくなります。
- 賃貸物件の契約に影響が出る場合: 保証会社を利用する賃貸契約の審査に通らないことがあります。
- 期間: 信用情報機関によって異なりますが、事故情報は約5年~10年程度登録されます。この期間が経過すれば情報は抹消されますが、その間は金融取引が大幅に制限されます。
2-3. 連帯保証人が債務整理を迫られる可能性
連帯保証人が多額の一括請求に応じられず、自身の収入や財産では返済が不可能と判断された場合、連帯保証人自身も債務整理を検討せざるを得なくなる可能性があります。
- 連帯保証人自身の自己破産: 最悪の場合、連帯保証人自身も自己破産を申し立て、自身の借金と合わせて連帯保証債務も免責してもらうことになります。これは、あなたが自己破産することで、大切な連帯保証人の人生にまで大きな影響を及ぼしてしまう、最も避けたい状況です。
- 連帯保証人自身の任意整理・個人再生: 連帯保証人自身に安定した収入がある場合や、他の借金と合わせて整理することで返済が可能になる場合は、任意整理や個人再生を検討することもあります。
2-4. 連帯保証人との人間関係への影響
経済的な影響だけでなく、連帯保証人との人間関係にも大きな影響が出ることは避けられません。
- 信頼関係の喪失: あなたが自己破産することで、連帯保証人に多大な迷惑をかけることになり、これまで築き上げてきた信頼関係が損なわれる可能性があります。
- 精神的な負担: 連帯保証人自身も、突然の多額の請求や、自身の信用情報への影響によって、大きな精神的負担を抱えることになります。
- 家族・親族間の問題: 連帯保証人が親族の場合、家族全体の経済状況や今後の生活設計に影響を及ぼし、親族間の軋轢を生む原因となることもあります。
3. 連帯保証人への影響を最小限に抑えるための対策
連帯保証人への影響は避けられないものの、その影響を最小限に抑えるための具体的な対策を講じることが重要です。
3-1. 自己破産を決断する前に連帯保証人と「正直に話す」
最も重要であり、かつ最も難しいのがこの点です。自己破産を決断する前に、必ず連帯保証人に現状と今後の見込みを正直に伝え、理解を求めることです。
- 早期の相談: できる限り早い段階で相談することが肝要です。問題が深刻化してからでは、連帯保証人も対応の準備ができません。
- 誠意をもって説明: 借金が増えてしまった経緯、自己破産を検討している理由、そして連帯保証人に迷惑をかけてしまうことへの謝罪と感謝の気持ちを、誠意をもって伝えましょう。
- 協力依頼: 今後の手続きや、債権者からの連絡などについて、連帯保証人の協力を仰ぐ必要があることを説明します。
- 連帯保証人の状況把握: 連帯保証人自身の経済状況(収入、貯金、他の借金の有無など)を確認し、どの程度の負担なら対応可能か、あるいは債務整理が必要になるかなどを把握しておくことが重要です。
3-2. 連帯保証人と共に債権者と交渉する
連帯保証人への一括請求が行われる前に、または請求があった段階で、連帯保証人と共に債権者(貸金業者)に連絡し、返済方法について交渉することも検討できます。
- 分割払いの交渉: 一括返済が難しいことを伝え、連帯保証人が無理なく返済できるような分割払いのプランを提案します。
- 任意整理の交渉: 連帯保証人自身が任意整理を検討する場合、弁護士を介して債権者と交渉してもらうことになります。
ただし、債権者が交渉に応じるかどうかは状況によるため、必ずしも希望通りの結果になるとは限りません。
3-3. 連帯保証人が債務整理を検討する
連帯保証人自身の経済状況によっては、あなたと同様に債務整理を検討せざるを得ない場合があります。
- 連帯保証人の任意整理: あなたの借金以外の、連帯保証人自身の借金と合わせて任意整理を行い、返済の負担を軽減します。連帯保証債務についても、交渉により分割払いにしてもらえる可能性があります。
- 連帯保証人の個人再生: 連帯保証人自身に安定した収入があり、住宅や車などの財産を残したい場合は、個人再生を検討します。連帯保証債務も減額の対象となります。
- 連帯保証人の自己破産: 連帯保証人自身も返済能力が全くなく、他の債務整理も困難な場合は、最終手段として自己破産を検討せざるを得ません。
これらの債務整理を連帯保証人が行う場合も、やはり弁護士のサポートが不可欠です。
3-4. 代位弁済後の「求償権」と相殺
連帯保証人があなたの代わりに借金を返済した場合、連帯保証人にはあなたに対して「求償権」という権利が発生します。これは、「私があなたの借金を肩代わりしたのだから、その分のお金を私に返してほしい」とあなたに請求できる権利です。
しかし、あなたが自己破産によって免責された場合、この求償権もあなたの他の借金と同様に免責の対象となります。つまり、連帯保証人はあなたに支払ったお金を請求できなくなります。
これは、連帯保証人にとって酷な状況ですが、法律上は自己破産によりその求償権も消滅すると解釈されています。
4. 借金問題を根本解決するための債務整理の選択肢
連帯保証人に迷惑をかけずに借金問題を解決したいと考えるなら、自己破産以外の債務整理の選択肢も理解しておくことが重要です。
4-1. 任意整理:整理する借金を選べるメリット
任意整理とは、債権者(お金を貸している側)と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを通じて、毎月の返済額を軽減してもらう手続きです。
- 連帯保証人への影響を回避できる可能性: 任意整理の最大のメリットは、整理する借金を選べることです。もし連帯保証人が付いている借金(例:奨学金、保証人がいるカードローンなど)がある場合、その借金を任意整理の対象から外し、これまで通り返済を継続することで、連帯保証人への請求を回避できる可能性があります。
- メリット:
- 将来利息がカットされるため、返済総額が減る。
- 整理する借金を選べる。
- 財産の処分は原則不要。
- 官報に載らない。
- 家族や職場に知られにくい。
- デメリット:
- 元金は減らない(例外あり)。
- 交渉に応じない債権者もいる。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(5年程度)。
- 任意整理後も返済を続ける必要がある。
- 向いている人: 借金が比較的小額で、利息負担が大きい人。連帯保証人に迷惑をかけたくない借金がある人。
4-2. 個人再生:住宅や車を残しながら借金を大幅減額
個人再生とは、裁判所を介して、借金総額を大幅に(原則として1/5〜1/10程度に)減額してもらい、残りの借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく手続きです。自己破産とは異なり、住宅や車などの財産を残せる可能性が高い点が特徴です。
- 連帯保証人への影響: 個人再生では、全ての債務が減額の対象となります。そのため、連帯保証人が付いている借金も減額の対象となり、あなた個人が返済する金額は減ります。しかし、連帯保証人には減額前の借金全額が請求されます。
- 対策: 連帯保証人が付いている借金については、個人再生の申立て時に、その債務について連帯保証人に迷惑がかからないよう、別途返済を継続するなどの対応を検討する必要があります。例えば、再生計画とは別に、その債務だけを今まで通り返済を続ける意思を債権者に示すことで、連帯保証人への請求を一時的に回避できる場合もありますが、これはあくまで債権者の判断によるため、保証人への請求が避けられないケースがほとんどです。
- メリット:
- 借金が大幅に減額される。
- 住宅ローン特則を利用すれば、家を残せる。
- 資格制限がない。
- デメリット:
- 裁判所を介するため、手続きが複雑。
- 安定した収入が必要。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(7~10年程度)。
- 官報に載る。
- 向いている人: 住宅や車を残したいが、借金返済が困難な人。借金が多額で、自己破産以外の選択肢を検討したい人。
4-3. 自己破産:最終手段だが連帯保証人への影響大
自己破産は、裁判所を介して、自身の財産をすべて清算し、それでもなお返済しきれない借金の支払い義務を法的に免除してもらう手続きです。
- 連帯保証人への影響: 繰り返しになりますが、**あなたが自己破産によって免責されたとしても、連帯保証人の返済義務は免除されません。**そのため、自己破産は、連帯保証人への影響が最も大きい債務整理方法と言えます。
- メリット:
- 全ての借金が免除される(非免責債権を除く)。
- 債権者からの取り立てが停止する。
- デメリット:
- 原則としてすべての財産を処分する必要がある。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(5~10年程度)。
- 一部の職業や資格に制限がかかる期間がある。
- 官報に載る。
- 連帯保証人に多大な迷惑をかける。
- 向いている人: 借金が高額で、返済の見込みが全くない人。連帯保証人がいない、または連帯保証人も同時に債務整理を検討している人。
4-4. 債務整理の種類別比較表(連帯保証人への影響に注目)
項目 | 自己破産 | 個人再生 | 任意整理 |
連帯保証人への 影響 | 主債務者の免責後、直ちに全額請求 | 主債務者の減額後も全額請求 | 対象外にすれば回避可能 |
借金の免除・減額 | 全ての借金が免除 | 借金が大幅に減額される | 将来利息がカットされる(元金は減らない) |
財産処分 | 原則としてすべての財産を処分 | 住宅や車などを残せる可能性が高い | 原則として財産の処分なし |
信用情報 | 5~10年程度登録 | 7~10年程度登録 | 5年程度登録 |
官報掲載 | あり | あり | なし |
5. 自己破産を検討する際の連帯保証人との連携と対応策
自己破産を決断せざるを得ない場合でも、連帯保証人との連携を密にし、できる限りの対応策を講じることが重要です。
5-1. 連帯保証人への情報提供と共有
自己破産の手続きが開始されると、債権者から連帯保証人へ直接連絡が入ります。そのため、連帯保証人が状況を把握できるよう、以下の情報を共有しておきましょう。
- 借金の総額と債権者: どの会社からいくら借りていて、そのうち連帯保証人が付いているのはどの借金か。
- あなたの自己破産手続きの状況: 現在の手続きの段階(申立て準備中、開始決定済みなど)。
- 弁護士の連絡先: 弁護士に依頼している場合、連帯保証人が困った時に相談できるよう、弁護士の連絡先を伝えておきましょう。
5-2. 債権者からの取り立てへの対応
連帯保証人には、あなたからの連絡とは別に、債権者から直接、電話や書面で厳しい取り立てが来る可能性があります。
- 冷静な対応を促す: 連帯保証人に対し、債権者からの連絡があっても感情的にならず、冷静に対応するよう伝えておきましょう。
- 無理な約束はしない: 返済が困難な状況で、無理な返済計画を債権者と約束しないよう助言します。
- 弁護士への相談を促す: 連帯保証人自身も返済が困難な場合は、自身の借金問題として弁護士に相談し、債務整理を検討すべきであることを伝えます。
5-3. 奨学金の連帯保証人の場合
奨学金の場合、多くは日本学生支援機構(JASSO)からの借金であり、人的保証(連帯保証人・保証人)と機関保証の2種類の保証制度があります。
- 人的保証の場合:
- あなたが自己破産をすると、連帯保証人(多くは親や親戚)に奨学金残額の一括請求がいきます。
- 連帯保証人は、JASSOに連絡し、返還期限猶予制度や減額返還制度の利用を検討できる場合があります。これにより、一時的に返済の負担を軽減できる可能性があります。
- ただし、これらの制度はあくまで一時的なものであり、根本的な解決にはならないことが多いです。最終的には、連帯保証人自身が返済していくか、債務整理を検討することになります。
- 機関保証の場合:
- あなたが自己破産をすると、保証機関があなたの返済義務を肩代わり(代位弁済)するため、親や親戚といった個人が保証人になっている場合には、彼らに直接的な請求がいくことはありません。
- 代位弁済後、保証機関はあなたに対して求償権を行使します。しかし、あなたが自己破産で免責されれば、この求償権も免責の対象となります。
5-4. 債権者との和解交渉(連帯保証人側)
連帯保証人自身が債務整理を選択せず、債権者との交渉で解決を目指す場合、以下の点を考慮します。
- 具体的な返済プランの提示: 連帯保証人の収入、支出、保有財産などを考慮した上で、現実的に返済可能な月々の金額を提示します。
- 利息のカット交渉: 可能であれば、将来利息のカットなどを交渉します。
- 弁護士を通じた交渉: 個人が直接交渉するよりも、弁護士を介して交渉する方が、債権者が交渉に応じる可能性が高まります。
6. よくある質問 (FAQ)
Q1. 自己破産したら、連帯保証人の借金もゼロになりますか?
A1. いいえ、**なりません。**自己破産による免責は、破産者であるあなた個人の借金についてのみ適用されます。連帯保証人が負っている連帯保証債務は、独立した責任として残り、免責の対象とはなりません。そのため、あなたが自己破産しても、連帯保証人には引き続き借金全額の返済義務が残ります。
Q2. 連帯保証人に迷惑をかけずに自己破産する方法はありますか?
A2. 自己破産を選択した場合、連帯保証人に何らかの迷惑がかかることは**避けられません。**なぜなら、あなたが免責されると、債権者は連帯保証人に対し全額請求を行うからです。 しかし、任意整理であれば、連帯保証人が付いている借金を対象から外すことで、連帯保証人への影響を回避できる可能性があります。また、個人再生であれば、あなた自身の借金を減額し、連帯保証人が付いている借金についても別途対応を検討することで、影響を最小限に抑えられる可能性があります。
Q3. 連帯保証人が返済に応じられない場合、どうなりますか?
A3. 連帯保証人が請求された借金を返済できない場合、連帯保証人自身も金融機関から**督促を受け、信用情報機関に事故情報が登録されます(ブラックリスト入り)。**その後、財産の差し押さえなどの法的措置が取られる可能性があり、最悪の場合、連帯保証人自身も自己破産などの債務整理を検討せざるを得なくなります。
Q4. 自分が自己破産する前に、連帯保証人に借金を肩代わりしてもらうのは大丈夫ですか?
A4. あなたが自己破産手続きを検討している、あるいは手続き開始が目前に迫っている状況で、特定の債務(連帯保証人が付いている債務など)を**連帯保証人に肩代わりしてもらうことは、「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とみなされ、免責不許可事由に該当する可能性があります。**これは、特定の債権者(この場合は連帯保証人が返済する貸金業者)のみを優遇する行為とみなされるためです。必ず事前に弁護士に相談し、リスクがないか確認してください。
Q5. 奨学金の連帯保証人です。本人が自己破産したらどうすればいいですか?
A5. あなたが奨学金の連帯保証人である場合、本人が自己破産すると、日本学生支援機構(JASSO)からあなたに奨学金残額の一括請求が来ます。まずはJASSOに連絡し、返還期限猶予制度や減額返還制度の利用を検討してください。それでも返済が困難な場合は、あなた自身も弁護士に相談し、任意整理や個人再生、場合によっては自己破産などの債務整理を検討することになります。一人で抱え込まず、早めに専門家に相談することが重要です。
まとめ:大切な人への影響を最小限に。そのために、弁護士へ相談を
自己破産は、多額の借金から解放され、生活を再建するための強力な法的手段です。しかし、連帯保証人がいる場合、その手続きはあなた一人だけの問題では済みません。連帯保証人に多大な経済的・精神的負担をかけてしまう可能性があり、そのことが自己破産を決断する上での最大の障壁となることも少なくありません。
本記事で解説したように、あなたが自己破産しても、連帯保証人の返済義務は免除されません。連帯保証人には残りの借金全額が一括で請求され、その結果、信用情報に傷がつき、最悪の場合は連帯保証人自身も債務整理を迫られる可能性があります。
しかし、任意整理や個人再生といった自己破産以外の債務整理の選択肢は、連帯保証人への影響を最小限に抑えながら借金問題を解決できる可能性があります。特に任意整理は、整理する借金を選べるため、連帯保証人が付いている借金を対象から外すことで、大切な人に迷惑をかける事態を回避できる場合があります。
連帯保証人への影響を最小限に抑え、あなた自身の借金問題も根本的に解決するためには、あなたの状況と連帯保証人の状況を総合的に判断し、最適な解決策を導き出す必要があります。
だからこそ、借金問題に直面し、連帯保証人に迷惑をかけずに解決したいと考えるのであれば、できるだけ早く弁護士に相談することを強くお勧めします。
弁護士は、あなたの借金の状況や連帯保証人の有無、それぞれの経済状況を詳細に把握し、自己破産、個人再生、任意整理の中から、あなたと連帯保証人双方にとって最も影響が少なく、かつ確実に借金問題を解決できる最適な方法を提案してくれます。
また、債権者からの取り立てを停止させ、複雑な法的手続きの全てを代行してくれるため、あなたの精神的・肉体的負担を大幅に軽減することができます。さらに、連帯保証人への説明の仕方や、連帯保証人自身の対応についても的確なアドバイスを提供してくれるでしょう。
「連帯保証人に迷惑をかけたくない」というあなたの思いは、弁護士に相談することで、より具体的な解決策へと繋がります。不安を抱え込まず、専門家である弁護士の力を借りて、大切な人を守りながら、あなた自身の新しい人生をスタートさせましょう。
弁護士に相談することが、あなたと連帯保証人の双方にとって、借金問題を解決し、安心して未来へ進むための最も賢明な第一歩となるでしょう。
