債務整理(任意整理・個人再生・自己破産・過払金)
【2024年最新版】「任意整理」のメリットとデメリットを弁護士目線でわかりやすく徹底解説!
本記事では、借金問題解決策の一つである「任意整理(にんいせいり)」のメリットとデメリットについて、弁護士目線でわかりやすく解説します。こちらの記事が、任意整理を弁護士に依頼するか判断を決めかねている方、どの債務整理の方法が自分に適しているのか迷っている方、借金問題に直面しお困りの方の一助となれば幸いです。
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皆さんは、弁護士などが借金をしている業者(債権者)と和解交渉し、長期の分割払いで支払う、借金問題解決策の一つである「任意整理(にんいせいり)」をご存知ですか?
裁判所などの公的機関を通さず手続を進められるため、比較的迅速かつ配慮により家族や職場などに知られずに借金問題を解決することが可能な手法です。
本記事では、任意整理のメリットとデメリットについて、弁護士目線でわかりやすく解説します。
任意整理を相談するにあたって、詳しい仕組みが分からず、ハードルが高いのではないかと、弁護士に相談するのを躊躇してしまう方も少なくありません。
こちらの記事が、任意整理を弁護士に依頼するか判断を決めかねている方、どの債務整理の方法が自分に適しているのか迷っている方、借金問題に直面しお困りの方の一助となれば幸いです。
「任意整理(にんいせいり)」をおさらいしましょう
こちらの章では、前回の記事でメインテーマとして取り上げた「任意整理」の内容について、おさらいの意味を込めて、再度ご紹介させていただきます。
「任意整理(にんいせいり)」とは、次の手続を指します。
債務整理において、借金を負った人を「債務者(さいむしゃ)」、借金をしている業者を「債権者(さいけんしゃ)」と呼ぶため、これらの用語を覚えておきましょう。
任意整理は、裁判所に直接出向く必要がなく、手続きが比較的簡単かつ生活を維持しながら借金を返済していくことができることから、債務整理の中で、最も利用されています。
ただし、文字通り任意の手続のため、任意整理を成立させるには、借金をしている業者(債権者)との合意(和解)が必要です。▶︎ 借金をしている業者(債権者)と和解しなければ、手続を行えません。
任意整理を行う場合には、弁護士や司法書士が代理人として介入し、交渉を進めるのが一般的です。
具体的には、弁護士などの代理人が借金を負った人(債務者)と毎月支払いに回せる金額について話し合った後、返済計画書(支払額・返済期間などが記載)などを作成します。
その後、借金をしている業者(債権者)と和解交渉を進めます。
ちなみに、費用を抑えるため、借金を負った人(債務者)自らが任意整理を行うことも可能ですが、次のような点に注意する必要があります。
- 弁護士と異なり、任意整理の手続をした場合も取り立てが続いたり、自らが業者とコンタクトを取る必要がある
- 弁護士や司法書士を通さない場合、借金をしている業者(債権者)に応じてもらえない可能性が高い
- 弁護士や司法書士を通さない場合、借金を負った人(債務者)にとって不利な条件で和解に至る可能性がある
交渉をする際には、借金をしている業者(債権者)に、次の内容で合意するよう交渉を進めます。
「将来金利などを0にしてもらい、3〜5年の長期分割払いで返済額を引き下げてもらう」
現時点で残っている借金(債務)を完済するまで支払い続ける必要のある利息のことです。
ただし、お金の借り入れから任意整理をするまでの期間が1年未満の場合、先ほどご紹介したような合意内容が認められないケースもある点にご留意ください。
まずは、弁護士や司法書士に現在の状況や今後の対応について相談することを推奨します。
「任意整理(にんいせいり)」のメリットとは?
こちらの章では、本記事のメインテーマである、任意整理のメリットについてご紹介させていただきます。
1. 無理なく借金を返済できるようになる
前章でご紹介した通り、任意整理は、「弁護士や司法書士が代理人として介入し、債務者と毎月支払いに回せる金額について話し合った後、返済計画書を作成し、債権者と和解交渉を進める手続」です。
そもそも「返済計画書」は、借金を負った人(債務者)の現実的な経済状況を考慮し、支払額と返済期間のバランスについて慎重に検討し作成されます。
毎月の負担となる返済額が減ることで、生活を立て直せるのが大きな利点と言えます。
2. 過払い金が発生していた場合、元金も減らせる
「過払金」とは、任意整理をする過程で、判明することがある「実際には払う必要がないにも関わらず、払いすぎた利息」のことです。
具体的には、「利息制限法」で定められている利率より高い利息の借金の場合、「過払金」として認められ、元金を減らすことができます。
貸付の際の金利(利息)の上限を定めた法律です。貸し付けの際に、業者が過剰な金利を設定して貸し付けることがないよう、金利の上限を定めています。
弁護士などに任意整理の手続を依頼する場合、「過払金」が発生しているか確認することができるため、お気軽にご相談ください。
利息制限法における金利(利息)の条件は次の表をご覧ください。
借金した金額 | その利子 |
元本の金額が10万円未満の上限金利 | 年20% |
元本の金額が10万円〜100万円未満の上限金利 | 年18% |
元本の金額が100万円以上の上限金利 | 年15% |
ちなみに、借金をしている業者(債権者)に過払金を返してもらう手続のことを「過払金返還請求」と呼びます。
返還された利息の金額が大きければ、手元に利息分のお金がプラスの収入として戻ったり、すでに借金を完済している場合、大きな不利益なく、お金を取り戻せるかもしれません。
3. 業者からの督促や取り立てが止まり、周囲にバレるリスクを抑えられる
任意整理を弁護士に依頼する場合、弁護士が借金をしている業者(債権者)に「受任通知(介入通知)」という法的な強制力を持つ書類を送ります。
また、弁護士に依頼することで、借金を負った人(債務者)が借金をしている業者(債権者)と直接やりとりをしたり、必要書類の作成や裁判所へ出向くことはありません。
一方で、借金を負った人(債務者)自身が個人で任意整理の手続をする場合、必要書類を集めたり、貸金業者と直接やり取りを進めることになります。
そのため、電話連絡や書類作成・書類集めなどの連絡の過程で同居家族に知られる可能性があるため、ご注意ください。
4. 任意整理の手続をしたい借入先を選べることで財産を守れる
借金をしている業者(債権者)が複数ある場合、任意整理したい借入先だけに交渉を持ち掛けることができる=任意整理する業者を選択することが可能です。
守ることができる財産は、借金を負った人(債務者)が所有するすべての財産【自動車や不動産、現金、預貯金、株券等の有価証券、生命保険など】です。
ただし、担保が設定されている借金を任意整理する場合、担保は売却処分として、差し押さえとなる点にご留意ください。
5. 条件により保証人への影響がない
先ほど、任意整理の手続をしたい借入先を選べる、とご紹介しました。
ただし、保証人を設定している借金を任意整理する場合、任意整理をする前に、保証人との関係を十分に配慮することが大切です。
重ねて、弁護士などの専門家に、借金を負った人(債務者)や保証人の現在の状況に応じたアドバイスを求めることを推奨します。
「任意整理(にんいせいり)」のデメリットとは?
こちらの章では、任意整理のデメリットについてご紹介させていただきます。
1. 信用情報への記載(ブラックリスト)
任意整理をした場合、信用情報(ブラックリスト)へ記載されることになります。
信用情報とは、個人や法人が金融機関やクレジットカード会社などから融資を受ける際に関わる情報のことです。
日本における、主要な信用情報機関は次の3つです。
名前 | 加盟期間 |
全国銀行個人信用情報センター(KSG) | 銀行・信用金庫・信用保証協会など |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融 |
信用情報(ブラックリスト)に登録されるタイミングは、任意整理の受任通知を送付した日で、その期間は借金完済後から5年程度です。
信用情報(ブラックリスト)が登録されることで制限される条件は、次の通りです。
制限 | 制限内容・注意事項 |
ローンやキャッシングなどの借り入れ | 「信用情報に記載中でも借入できる」などと謳う業者は、違法な闇金業者の可能性が高いため、注意が必要。 |
クレジットカードの利用や新規作成 | 現在使用しているクレジットカードは、強制解約となる。 |
奨学金の保証人 | クレジットカードを使う必要性がある場合、家族カードやデビットカードなどを利用することが可能。 |
携帯電話やスマートフォンの分過払い | 一括払いなら購入可能。 |
▲ 賃貸契約 | 賃貸物件の審査時に信用情報が問われることは少ないが、家賃保証会社との契約を義務付けている場合には難しい。 |
ただし、信用情報(ブラックリスト)に登録される期間は、永久的ではなく、借金完済後から約5年程度となり、信用情報が回復すれば、制約は撤廃されます。
制約を理解した上で、返済が可能な範囲で借金を無理なく整理し、生活を立て直したいという場合には、任意整理が適しているでしょう。
2. 収入が無ければ任意整理の手続ができない
任意整理を行う上で「月々決まった額を返済できる安定した収入」があることが必須条件です。
具体的には、借金を3〜5年の期間で完済できるか【借金の元金を36回(3年)または 60回(5年)で割った額】が毎月支払える余裕のある収入が必要となります。
ちなみに、安定した収入が得られる場合、アルバイトやパートでも、任意整理は可能です。
3. 任意整理できない業者もいる
任意整理は、裁判所を通さない任意の手続のため、借金をしている業者(債権者)の合意が必要不可欠です。
借金をしている業者(債権者)は、「支払い期間が分割されても返済してほしい」「利息は免除するから元本は完済してほしい」と考えるケースが多い印象にあります。
しかし、任意整理の合意に至らないケースや元本の返済分割回数が制限されてしまうこともある点にご留意ください。
重ねて、お金の借り入れから任意整理を決断するまでの期間が短い(1年未満)ケースでは、任意整理が認められない場合もあるため、注意が必要です。
任意整理はXP法律事務所に依頼しましょう
1. 豊富な経験と相談実績で最適な和解内容に導くことが可能
XP法律事務所では、任意整理をはじめ、債務整理に関するご相談を無料で承っております。
相談をご希望の方は、次の方法より、XP法律事務所へご連絡ください。
- 記事内のお問い合わせ先に記載された電話番号
- 記事内の問い合わせフォーム
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弊所では、累計相談件数110,933件(2017年5月〜2023年10月)と、豊富な経験と相談実績があり、借金問題解決を強みにしております。
弁護士に一任していただくことで、1日でも早く問題解決できるよう、迅速かつ最適な債務整理の方法をご提案することが可能です。
また、代理人として弁護士を立てることで、迅速な対応はもちろん、精神面や時間の負担を軽減することにも繋がるのではないでしょうか。
2. 借金をした業者からの取り立てがストップしたり、和解交渉を任せることができる
XP法律事務所では気になる費用の部分についても、ご依頼前に提示させていただきます。
お見積りに納得いただけましたら、正式に弁護土と委任契約を締結していただきます。
弁護士には守秘義務があるため、ご相談内容が外部に漏れることは一切ありません。
弁護士との契約後は、借金をしている業者(債権者)に、法的強制力のある「受任通知(介入通知)」を送付します。
受任通知を送付することにより、借金をしている業者(債権者)は、弁護士とやり取りする必要性が生じるため、取り立てなどを受けなくなります。
支払い催促・返済の対策は、早めの行動が肝心です。
従って、交渉力のある弁護士が手続を行うことで、円滑に物事を進められるでしょう。
3. 任意整理で必要な業者とのやり取りを代行してもらえる
任意整理では借金をしている業者(債権者)と和解交渉を行うため、法的観点に基づいた説得力のある交渉スキルが必要不可欠です。
また、相談者様個人=借金を負った人(債務者)では、借金をしている業者(債権者)が任意整理に応じないケースも少なくありません。
弁護士が代理人として介入することで、スムーズに借金問題を解決できる可能性が高まります。
さらに、毎月の返済額が減り、借金完済までの目処が立てられるだけでなく、生活を立て直せるのが大きな利点ではないでしょうか。
法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、相談者様にとって最適な解決策を見つけましょう。
まとめ
今回の記事では「任意整理(にんいせいり)」のメリットやデメリットについてご紹介させていただきました。
任意整理は、借金を負った人が無理なく返済できるようにするため、借金をしている業者に対し、裁判所を通さず弁護士などが直接交渉する、毎月の返済額を下げたい人向けの手続を指します。
任意整理をすることで、次のようなメリットが挙げられます。
- 無理なく借金を返済できるようになることで生活を立て直せる
- 過払金が発生していた場合、元金も減らせる上に、借金を完済している場合には手元に利息分のお金がプラスの収入として戻る可能性がある
- 借金をしている業者からの督促や取り立てが止まり、精神的なストレスを軽減できたり、手紙や電話により周囲にバレるリスクを抑えられる
- 任意整理の手続をしたい借入先を選べることで車や家などの財産を守れる
- 条件により保証人への影響がない
借金を負った人(債務者)個人で交渉した場合、任意整理の手続に応じてもらえなかったり、悪条件を突き付けられる可能性が高いため、まずは弁護士や司法書士などに相談することを推奨します。
任意整理をさらに詳しく知りたい方をはじめ、弁護士に依頼するか判断を決めかねている方、どの債務整理の方法が自分に適しているのか迷っている方、借金問題を抱えてお困りの方は、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。
※こちらの記事は、2024年8月5日時点の情報です。
お問い合わせ先
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- 代表弁護士:今井 健仁(第二東京弁護士会)
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