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【借金解決】会社の倒産で借金返済が困難に!生活再建のためのロードマップ

【借金解決】会社の倒産で借金返済に困窮する方へ。生活再建のためのロードマップを徹底解説。失業手当、公的支援、債務整理の選択肢と注意点を網羅的にご紹介します。

【借金解決】会社の倒産で借金返済が困難に!生活再建のためのロードマップ

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「まさか、自分の会社が倒産するなんて…」 「突然の失業で、来月からの生活費も、ましてや借金の返済なんて、どうすればいいんだ…」

もし今、あなたが会社の倒産という予期せぬ事態に直面し、借金返済の重圧と、今後の生活への不安に押しつぶされそうになっているのなら、そのお気持ちは痛いほどよく分かります。突然職を失い、収入の道が閉ざされた中で、毎月の返済日が迫ってくる恐怖は、計り知れないものでしょう。

しかし、どうかご安心ください。会社の倒産によって借金返済が困難になったとしても、必ず生活を再建する道はあります。 適切な知識と行動があれば、この困難な状況を乗り越え、新しい一歩を踏み出すことは十分に可能です。

そして、その過程では、弁護士という法律の専門家が、あなたの強力な味方となってくれます。

この記事は、会社の倒産によって借金返済が困難になったあなたが、安心して生活を再建するための具体的なロードマップを、圧倒的な情報量と質で徹底的に解説します。

失業後の生活費の確保から、借金問題の解決、そして新たな職を見つけるまでの全てを網羅し、あなたがこの危機を乗り越えるための、実践的な情報を提供します。


1. 会社の倒産!まず何から手をつけるべきか?緊急時の対応

会社の倒産は、まさに青天の霹靂かもしれません。しかし、この緊急事態に冷静に対処することが、その後の生活再建の明暗を分けます。

1-1. 失業後の生活費確保:最優先事項

収入が途絶えた中で、まず何よりも優先すべきは、当面の生活費を確保することです。

1-1-1. 雇用保険(失業手当)の申請

会社の倒産による失業は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の給付対象となります。これは、生活再建のための重要な柱です。

  • 申請条件:
    • 離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
    • ただし、会社の倒産(特定受給資格者)の場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば対象となります。
    • 働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態であること。

給付期間と給付額
▪️給付期間は、被保険者期間や年齢、離職理由によって異なりますが、会社の倒産の場合は特定受給資格者となり、給付期間が長くなる傾向があります(例えば、被保険者期間20年以上で330日)。▪️給付額は、原則として離職前6ヶ月間の賃金日額のおよそ【50~80%程度】です。

  • 申請に必要な書類:
    • 離職票(会社が発行)
    • 雇用保険被保険者証
    • 住民票記載事項証明書
    • 印鑑
    • 写真2枚
    • 本人確認書類(運転免許証など)
    • マイナンバーカードまたは個人番号が記載された住民票
    • 預金通帳(本人名義)

  • 申請の流れ:
    1. 離職票の受け取り: 会社から発行されます。倒産手続きの関係で遅れることもあるので、確認しましょう。
    2. ハローワークへの求職申込: 住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行い、受給資格の決定を受けます。
    3. 雇用保険受給説明会への参加: 雇用保険の受給に関する説明会に参加します。
    4. 失業の認定: 4週間に一度、ハローワークで失業の認定を受けます。求職活動の実績が必要です。
    5. 給付金の支給: 認定後、指定口座に給付金が振り込まれます。

注意点
・自己都合退職とは異なり、会社の倒産による失業は「特定受給資格者」となるため、給付制限期間(通常2ヶ月)がありません。申請後、待期期間(7日間)が過ぎれば、すぐに給付が開始されます。
・給付期間中は、原則として月に2回以上の求職活動実績が必要です。

1-1-2. 退職金・未払い賃金の確認と請求

会社の倒産であっても、退職金や未払いの賃金(給与、残業代など)を請求する権利はあります。

  • 退職金: 就業規則に退職金規定がある場合、請求できます。

  • 未払い賃金: 倒産直前や倒産後に支払われていない給与や残業代など。

  • 立替払制度の活用:
    • 会社に財産がなく、退職金や賃金が支払われない場合でも、「未払賃金立替払制度」を利用できる可能性があります。
    • これは、独立行政法人労働者健康安全機構(労働者災害補償保険の運営)が、会社の倒産等によって賃金が支払われない労働者に対し、一定範囲の未払賃金を会社に代わって立替払いする制度です。
    • 対象: 倒産した会社に1年以上雇用されていた労働者で、未払い賃金があることなどが条件です。
    • 立替払いの範囲: 未払い賃金総額の8割(上限あり)。
    • 手続き: 破産管財人や会社の代表者などから「倒産の事実の確認」を受け、所定の手続きを経て請求します。

注意点
・未払い賃金や退職金の請求には時効があります【賃金は3年・退職金は5年】。
・倒産手続きの状況によって、請求方法や受け取り時期が異なります。管財人が選任されている場合は管財人に、そうでない場合は、会社の清算担当者などに確認しましょう。
・弁護士に債務整理を依頼する際に、【未払い賃金】や【退職金の請求】についても相談できる場合があります。

1-1-3. 当面の生活費を切り詰める

失業手当の支給には時間がかかり、未払い賃金の受け取りも不透明な中で、当面の生活費を確保するためには、徹底的な支出の見直しと節約が不可欠です。

  • 家計簿をつける: 何にいくら使っているかを把握し、無駄な支出を洗い出します。

  • 固定費の見直し:
    • 通信費(スマホの格安SIMへの切り替え、不要なオプション解除)
    • サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信など、不要なものは解約)
    • 保険料(保障内容の見直し、一時的な減額など)
    • 光熱費(節電・節水)

  • 変動費の削減:
    • 食費(自炊を基本に、外食を控える)
    • 交通費(公共交通機関の利用、自転車の活用)
    • 交際費、娯楽費(一時的に制限)

  • 国民健康保険・国民年金への切り替え:
    • 会社員の場合、通常は社会保険(健康保険・厚生年金)に加入していますが、退職後は原則として国民健康保険と国民年金に切り替える必要があります。
    • 失業期間中は、国民健康保険料や国民年金保険料の減免・猶予制度を利用できる場合があります。お住まいの市区町村の窓口で相談しましょう。

  • 高額療養費制度の活用:
    • 医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた部分が払い戻される制度です。医療機関の窓口や加入している健康保険組合に確認しましょう。

1-2. 借金の状況把握:全債務のリストアップ

生活費の確保と並行して、現在抱えている全ての借金を正確に把握することが重要です。

  • 借入先・残高・金利・毎月の返済額をリストアップ:
    • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン
    • クレジットカードのキャッシング、ショッピングリボ払い
    • 消費者金融からの借り入れ
    • 銀行のカードローン
    • 友人・知人からの借り入れ(個人間の借金も含む)

  • 債務整理の対象となる借金、ならない借金:
    • 原則として、全ての借金が債務整理の対象となりますが、連帯保証人がついている借金や、税金・社会保険料などは取り扱いが異なります。

  • 債務状況把握の重要性:
    • 全ての借金を把握することで、返済の優先順位を決めたり、どの債務整理の方法が最適かを判断したりする上で、不可欠な情報となります。
    • 借入先の多さや借金の総額によって、選択すべき債務整理の方法が変わってきます。

借金リストアップ表(例)

借入先種類(ローン、カードローンなど)残高(約)金利(約)毎月の返済額(約)返済日担保・保証人(有/無、氏名)備考(使途など)
A銀行住宅ローン2,000万円1.0%7万円毎月27日自宅(担保)居住用
B消費者金融カードローン150万円18.0%4万円毎月5日なし生活費
Cカード会社クレジットカード(リボ)80万円15.0%3万円毎月10日なしショッピング
D銀行自動車ローン100万円3.0%2.5万円毎月15日車(担保)
E友人個人借金50万円0%1万円(不定期)不定期なし医療費
合計2,380万円19.5万円

1-3. 家族への相談:理解と協力の必要性

借金問題は、家族に隠したいという気持ちがあるかもしれませんが、会社の倒産という事態は、家族にも大きな影響を与えます。可能な限り、早い段階で家族に状況を伝え、理解と協力を得ることが重要です。

  • なぜ家族に話すべきか:
    • 今後の家計の見直しや、生活費の削減には、家族の協力が不可欠です。
    • 債務整理の手続きによっては、家族の収入や財産に関する書類が必要になる場合があります。
    • 精神的な負担を一人で抱え込まず、共有することで、心理的な支えにもなります。
    • もし家族が借金の保証人になっている場合、無断で債務整理を進めると、保証人に多大な迷惑をかけることになります。

  • 伝え方の工夫:
    • 「ごめんなさい」という謝罪だけでなく、「これからどうしていくか」という前向きな姿勢を見せることが大切です。
    • 具体的な状況(会社の倒産、失業手当、今後の手続きなど)を冷静に説明し、不安な気持ちも正直に伝えましょう。
    • 弁護士に相談することを伝え、専門家のアドバイスを受けながら解決していく意思を示すことで、家族も安心しやすくなります。

  • 家族に内緒にしたい場合:
    • 「家族にバレずに借金を整理したい」というご要望も理解できます。
    • 任意整理であれば、家族にバレずに手続きを進められる可能性は比較的高いです。
    • しかし、個人再生や自己破産は裁判所を介するため、郵送物や必要書類の関係で、家族にバレるリスクが非常に高くなります。
    • 家族に内緒で進めることのリスクも理解した上で、弁護士と慎重に相談しましょう。


2. 借金返済の最終手段:債務整理の種類と選び方

会社の倒産によって借金返済が困難になった場合、法的な手続きである「債務整理」を検討する時期に来ています。債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があり、あなたの借金の状況や、生活再建への希望に応じて最適な方法を選択します。

2-1. 任意整理:柔軟な交渉で返済負担を軽減

任意整理

任意整理は、裁判所を介さず、弁護士(または司法書士)が直接債権者(消費者金融、銀行、クレジットカード会社など)と交渉し、今後の返済条件を見直してもらう方法です。

  • 手続きの概要:
    • 弁護士が債権者に対し、受任通知を送付します。これにより、それ以降の督促や取り立てが停止します。
    • 弁護士が債権者と交渉し、主に将来利息(これから発生する利息)のカットや、**返済期間の延長(通常3~5年)**を合意します。
    • 和解後は、減額された元金を弁護士事務所経由で毎月返済していきます。

メリット
【督促・取り立てが止まる】:弁護士が受任通知を送れば、即座に債権者からの督促や取り立てがストップし、精神的な負担が大幅に軽減されます。
【将来利息がカットされる】:毎月の返済額に充てられる元金が増えるため、効率的に借金を減らせます。
【柔軟性が高い】:対象とする借金を選ぶことができます(例:保証人がついている借金を除外する)。
【裁判所を介さない】:手続きが比較的簡素で、迅速に進む傾向があります。
【官報に掲載されない】:氏名や住所が公開されることはありません。
【原則として財産を処分する必要がない】:自宅や車など、高価な財産を維持できる可能性が高いです。

デメリット
【元金自体は減らない】:将来利息はカットされますが、元金そのものが減額されるわけではないため、減額幅は限定的です。借金の総額が大きい場合は、効果が薄い可能性があります。
【信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入り)】:手続き後、完済から約5年間は、新たな借り入れやクレジットカードの作成、住宅ローンや車のローンの審査などが困難になります。
【債権者が交渉に応じない場合がある】:全ての債権者が交渉に応じるとは限りません。特に、銀行系カードローンや保証会社が代位弁済している場合などは、交渉が難しいことがあります。
【安定した収入が前提】:合意後の返済が必要なため、継続的かつ安定した収入があることが前提となります。会社の倒産で失業したばかりの場合、再就職の見込みが立たないと難しいケースがあります。

  • 任意整理が適しているケース:
    • 借金の総額が比較的小さい(数百万程度)。
    • 病気や健康上の問題が回復し、再就職の目処が立っている、または失業手当などで当面の返済が可能である。
    • 住宅ローンなどの大きな借金があり、それは維持したいが、それ以外の借金の負担を減らしたい。
    • 財産を処分したくない、官報に掲載されたくない。
    • 保証人がいる借金があり、保証人に迷惑をかけたくない(その借金だけを対象外にできる)。

2-2. 個人再生:自宅を守りつつ借金を大幅減額

個人再生

個人再生は、裁判所に申し立てを行い、借金を大幅に減額(原則として5分の1~10分の1程度)してもらい、減額された残りの借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく方法です。

最大の特長は、「住宅ローン特則(住宅資金貸付債権に関する特則)」を利用することで、住宅ローンの返済はこれまで通り続けながら、それ以外のカードローンやクレジットカード、自動車ローンなどの一般債務だけを整理し、減額できる点にあります。

メリット
【自宅を失わずに済む】:住宅ローン特則を利用すれば、自宅を競売から守り、住み続けることができます。
【他の借金を大幅に減額できる】:住宅ローン以外の借金が整理されるため、全体的な返済負担が大幅に軽減されます。
【職業制限がない】:自己破産のように、手続き期間中に一部の職業(士業など)に就けないといった制限がありません。
【免責不許可事由がない】:自己破産で問題となる浪費やギャンブルなどが原因の借金でも利用できます。
【ギャンブルや浪費による借金でも利用可能】:自己破産では免責不許可事由となる可能性のある借金であっても、個人再生は利用できます。

デメリット
【安定した収入が必要】:減額された借金と住宅ローンを返済していく必要があるため、継続的かつ安定した収入があることが前提となります。会社の倒産後、再就職が困難な場合や、収入が不安定な場合は利用が難しいです。
【手続きが複雑で時間がかかる】:裁判所を介する手続きであり、必要書類が多く、弁護士に依頼しても半年~1年程度の期間を要します。
【信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入り)】:完済から約5~7年間は、新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
【官報に掲載される】:国が発行する「官報」に氏名や住所などが掲載されます。一般の人が官報を見る機会は稀ですが、掲載される事実があることは認識しておく必要があります。
【住宅ローン以外の借金に保証人がいる場合、保証人に請求がいく】:個人再生では、保証人がついている借金も原則として減額対象となるため、その減額分は保証人に請求が行くことになります。事前に保証人への連絡と相談が不可欠です。
【清算価値保障の原則】:所有している財産(預貯金、自動車、保険の解約返戻金など)の合計額が、減額された借金の最低弁済額を上回る場合、その財産の合計額が最低弁済額となります。つまり、ある程度の財産を持っている場合は、思ったほど減額されない可能性もあります。

  • 個人再生が適しているケース:
    • 会社の倒産後、再就職の目処が立ち、安定した収入が見込める
    • 住宅ローン以外の借金が多く、その返済負担を大幅に軽減したい。
    • 自宅をどうしても手放したくない
    • ギャンブルや浪費で借金が増えてしまったが、自己破産は避けたい。

2-3. 自己破産:全ての借金問題を根本的に解決する最終手段

自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てを行い、免責許可決定が下されれば、原則として全ての借金の返済義務が免除されるという、最も強力な借金整理の方法です。

  • 手続きの概要:
    • 裁判所に「破産手続開始申立書」を提出し、破産手続き開始決定を受けます。
    • 破産手続きの中で、一定以上の価値のある財産(持ち家、高価な車、一定以上の預貯金など)は換価され、債権者に配当されます(管財事件の場合)。財産がほとんどない場合は「同時廃止事件」となり、財産処分の手続きは行われません。
    • その後、裁判所が免責許可決定を下せば、原則として全ての借金の返済義務が免除されます。

メリット
【全ての借金が免除される】:住宅ローンだけでなく、カードローン、クレジットカード、自動車ローン、個人からの借金など、全ての借金から完全に解放されます。 会社の倒産で収入が途絶え、借金が多額で返済の目処が全く立たない場合に、根本的な解決策となります。
【精神的負担からの解放】:借金の重圧や取り立ての恐怖から完全に解放され、ゼロからの再スタートが可能です。

デメリット
【自宅を失う(原則)】: 住宅ローンの残債がある自宅は、原則として処分され、競売にかけられます。
【一定の財産は処分される】:持ち家以外にも、高額な車や貴金属など、一定以上の価値のある財産は、換価されて債権者に配当に充てられます。ただし、生活に最低限必要な財産は残せます(自由財産)。
【信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入り)】:手続き開始から約7~10年間は、新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
【官報に掲載される】】国が発行する「官報」に、氏名や住所などが掲載されます。
【一時的な職業制限】:破産手続中は、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、宅地建物取引業者、警備員などの一部の職業に就くことが制限されます。ただし、免責決定が下されれば、この制限は解除されます。
【保証人に請求がいく】:住宅ローンを含め、保証人がいる全ての借金の返済義務は保証人に移り、保証人が一括請求を受けることになります。事前に保証人への連絡と相談が不可欠です。
【免責不許可事由】:借金の原因が「浪費」「ギャンブル」「詐欺的な借り入れ」などである場合、免責が認められない「免責不許可事由」に該当する可能性があります。ただし、会社の倒産による失業は免責不許可事由には当たりません。

  • 自己破産が適しているケース:
    • 会社の倒産後、再就職の見込みが立たない、または収入が極めて不安定である。
    • 借金総額が非常に大きく、任意整理や個人再生では返済が不可能なほど多額である。
    • 住宅を含む財産がほとんどない、あるいは財産が処分されても構わない。
    • 生活を根本から立て直し、借金の重圧から完全に解放されたい。

債務整理の種類別比較表

項目任意整理個人再生自己破産
借金解決度将来利息カット、返済期間延長借金を大幅減額(1/5~1/10)全ての借金が免除
対象となる借金指定した債務のみ住宅ローン以外全て(原則)全て(住宅ローン含む)
安定収入必須必須不要(生活保護受給者も可)
自宅の扱維持可能(住宅ローンを対象外にすれば)維持可能(住宅ローン特則利用)原則手放す
財産の扱処分不要処分不要(清算価値保障の原則はあり)一定以上の財産は処分
裁判所介入なしありあり
官報掲載なしありあり
信用情報影響あり(約5年)影響あり(約5~7年)影響あり(約7~10年)
保証人への影響対象外にすれば回避可住宅ローン以外に影響あり全てに影響あり
費用比較的安い比較的高額比較的高額
手続き期間数ヶ月半年~1年程度半年~1年程度
適した状況収入回復見込みあり、借金少額、自宅維持収入回復見込みあり、借金高額、自宅維持収入見込みなし、借金多額、自宅手放してもOK

3. 失業後の生活再建ロードマップ:職探しから新たなスタートまで

会社の倒産後、借金問題と並行して、新たな職を見つけ、生活を再建するための具体的なステップを踏むことが重要です。

3-1. 再就職活動:新たな仕事を見つける

失業手当を受給しながら、早めに再就職活動を開始しましょう。

  • ハローワークの活用:
    • 失業手当の受給手続きだけでなく、ハローワークは求人情報の提供、職業相談、職業訓練の案内など、再就職を強力にサポートしてくれます。
    • 専門の職業相談員に、あなたのスキルや経験、希望などを伝え、適切な求人を探してもらいましょう。

  • 転職サイト・転職エージェントの活用:
    • インターネット上の転職サイトや、専門の転職エージェントも積極的に利用しましょう。
    • 転職エージェントは、非公開求人の紹介や、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策など、手厚いサポートが期待できます。

  • 職業訓練制度の活用:
    • スキルアップやキャリアチェンジを目指す場合、職業訓練制度を利用することも有効です。
    • 雇用保険を受給している人は、訓練期間中も給付を受けられる場合があります。
    • ハローワークで相談し、興味のある分野や需要のある分野の訓練を探してみましょう。

  • 資格取得・スキルアップ:
    • 失業期間を自己投資の期間と捉え、再就職に有利になる資格の取得や、新たなスキルの習得に励むのも良いでしょう。

注意点
・焦ってすぐに職を決めるのではなく、【自分の希望や能力に合った職場】を見つけることが、長期的な安定につながります。
・就職活動は精神的に負担がかかるものですが、ハローワークや支援機関を積極的に利用し、一人で抱え込まないようにしましょう。

3-2. 公的な支援制度の活用:生活のセーフティネット

失業期間中、生活を支えるための公的な支援制度は、雇用保険以外にも複数存在します。

3-2-1. 生活保護制度

生活保護

生活保護は、生活に困窮する全ての国民に対し、その状況に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的とした制度です。

申請条件
▪️資産(預貯金、不動産、自動車など)や能力(働く能力)を活用しても、生活に困窮する場合。 ▪️扶養義務者(親、子、兄弟姉妹など)からの援助が受けられない場合。 ▪️失業手当や年金、他の公的扶助などを活用しても、なお最低生活費に満たない場合。

支給される費目
▪️生活扶助(食費、光熱水費など) ▪️住宅扶助(家賃) ▪️医療扶助(医療費) ▪️教育扶助(学費) ▪️介護扶助、出産扶助など

注意点
・生活保護を受給すると、原則として所有している車や持ち家は【処分対象】となります。
・借金がある場合、生活保護費から返済することはできません。生活保護の申請と同時に、【債務整理(特に自己破産)】を検討することが一般的です。
・申請には厳しい審査があり、手続きも複雑なため、お住まいの地域の福祉事務所や、弁護士に相談することをおすすめします。

3-2-2. 生活福祉資金貸付制度

  • 低所得者世帯、高齢者世帯、障害者世帯に対し、生活費、療養費、住宅補修費などを貸し付ける制度です。無利子または低利子で借りられる場合があります。
  • お住まいの地域の社会福祉協議会が窓口です。

3-2-3. 住居確保給付金

  • 離職・廃業などにより住居を失うおそれがある方に対して、家賃相当額を支給する制度です(住宅ローンには直接適用されないことも多いですが、生活費の足しにすることで住宅ローンを補填できる可能性も)。
  • 支給対象や期間に条件があります。お住まいの自治体の窓口で確認しましょう。

3-3. 新たな生活設計:再発防止と目標設定

借金問題を解決し、新たな職を得た後も、同じ過ちを繰り返さないために、将来を見据えた生活設計が重要です。

  • 家計管理の徹底:
    • 家計簿をつけ、収入と支出を常に把握しましょう。
    • 収入の範囲内で生活することを徹底し、無理な借り入れは避けます。

  • 貯蓄の習慣化:
    • 緊急時のための予備費や、将来のための貯蓄を始めましょう。
    • 自動積立などを利用し、給料が入ったらまず貯蓄に回す習慣をつけることが大切です。

  • 債務整理後の信用情報の回復:
    • 信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリスト入り)期間は、新たな借り入れやクレジットカードの作成ができません。この期間は、現金やデビットカードなどを活用して生活しましょう。
    • 期間が経過すれば、信用情報は回復し、再びクレジットカードを持ったり、ローンを組んだりできるようになります。焦らず、信用回復を目指しましょう。

  • キャリアプランの再構築:
    • 今回の経験を活かし、安定した職に就くだけでなく、将来のキャリアプランを改めて考え直す機会としましょう。
    • スキルアップや資格取得を継続し、市場価値を高める努力を怠らないことが、長期的な生活の安定につながります。


4. 会社の倒産と借金問題:よくある疑問と注意点

会社の倒産という特殊な状況だからこそ生じる、借金問題に関する疑問や、特に注意すべき点をまとめました。

4-1. 会社からの借金(社内貸付)はどうなる?

会社の倒産により、会社からお金を借りていた場合、その借金も原則として返済義務があります。

  • 相殺の可能性:
    • 未払い賃金や退職金がある場合、会社に対するあなたの借金と、会社があなたに支払うべき未払い賃金や退職金を「相殺」できる可能性があります。
    • ただし、相殺には法的な要件があり、状況によって可否が異なります。弁護士に相談し、適切な手続きを取りましょう。

  • 破産管財人からの請求:
    • 会社が破産手続きに入り、破産管財人が選任された場合、管財人から借金の返済を求められることになります。
    • この借金も、あなたの債務整理の対象とすることができます。

4-2. 住宅ローンや車のローンはどうなる?

住宅ローンや車のローンは、担保がついている借金(担保権付債権)として、他の借金とは異なる扱いになります。

  • 住宅ローン:
    • 会社の倒産で住宅ローンが払えなくなった場合でも、自宅を維持したいなら「個人再生(住宅ローン特則)」を検討します。
    • 自宅を手放す場合は、「任意売却」「自己破産」を検討することになります。
    • いずれにしても、住宅ローンの借り入れ先である金融機関は、自宅を担保としていますので、滞納が続けば最終的には競売にかけられることになります。早めの対応が肝心です。

  • 車のローン:
    • 車のローンは、ローン会社が車の所有権を留保しているケース(所有権留保)がほとんどです。この場合、ローンの支払いが滞ると車は引き上げられてしまいます。
    • 債務整理(特に自己破産や個人再生)の対象とすれば、車は引き上げられる可能性が高いですが、その分、ローンの返済義務からは解放されます。
    • 任意整理であれば、車のローンを対象から外すことで、車を維持できる可能性がありますが、その場合は別途、車のローンを返済し続ける必要があります。

4-3. 税金や社会保険料は債務整理の対象になる?

税金(所得税、住民税、固定資産税など)や社会保険料(国民健康保険料、国民年金保険料など)は、債務整理の対象にはなりません。 自己破産をしても、これらの滞納分は免除されません。

  • 分納や猶予の相談:
    • 支払いが困難な場合は、お住まいの市区町村役場の税務課や国民健康保険課、年金事務所に相談し、分納(分割払い)や猶予の相談をしましょう。
    • 会社の倒産による失業であることを伝えれば、相談に応じてくれる可能性があります。

  • 滞納を続けると:
    • これらの滞納を続けると、財産(預貯金、給与など)の差し押さえが行われる可能性があります。差し押さえは、債務整理をしても止められないため、早めに相談することが重要です。

4-4. 連帯保証人がいる借金はどうなる?

連帯保証人がいる借金がある場合、その借金を債務整理の対象に含めると、連帯保証人に返済義務が移り、金融機関から連帯保証人へ一括請求が行われます。 これにより、連帯保証人に確実に借金がバレてしまい、迷惑をかけることになります。

  • 事前の相談が不可欠:
    • 連帯保証人がいる借金について債務整理を検討する場合、手続きをする前に必ず連帯保証人へ相談し、了解を得る必要があります。
    • もし無断で手続きを進めて連帯保証人に請求が行けば、連帯保証人に多大な迷惑をかけ、関係性が完全に崩れてしまう可能性があります。

  • 連帯保証人への影響を避ける対策:
    • 任意整理で連帯保証人付きの借金を除外する: 任意整理であれば、対象とする債権者を選ぶことができるため、連帯保証人がついている借金だけを整理対象から外すことができます。ただし、その借金は引き続き自分で返済していく必要があります。
    • 連帯保証人自身も債務整理を検討する: あなたが債務整理をしたことで連帯保証人に請求が行った場合、連帯保証人自身も返済が困難であれば、連帯保証人自身も債務整理を検討する必要が出てくることがあります。この場合も、弁護士が双方にとって最善の解決策を提案してくれます。

4-5. ブラックリスト入り(信用情報への影響)とは?

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます。 これがいわゆる「ブラックリスト入り」と呼ばれる状態です。

影響
①新たな借り入れ(カードローン・住宅ローン・車のローンなど)ができなくなる ②クレジットカードの新規作成や更新ができなくなる ③保証人になることができなくなる ④賃貸契約の審査などで不利になる場合がある(特に信販系の保証会社を利用する場合)

期間
▪️任意整理:完済から約5年間 ▪️個人再生:完済から約5~7年間 ▪️自己破産:手続き開始から約7~10年間

注意点
・「ブラックリスト入り」は、一生続くものではありません。上記の期間が経過すれば、信用情報は【回復】します。
・この期間は、デビットカードやプリペイドカード、現金などを活用して生活しましょう。
・信用情報機関に自分の情報が開示請求できますので、気になる場合は確認することも可能です。


5. まとめ:会社の倒産という危機を乗り越え、生活を再建するなら弁護士に相談を

会社の倒産という予期せぬ事態によって、借金返済が困難になり、生活そのものが行き詰まる恐怖は、筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。しかし、この困難な状況は、適切な知識行動専門家のサポートを得ることで、必ず乗り越えることができます。

【会社の倒産と借金問題解決の最重要ポイント】

  1. 何よりもまず、失業手当の申請手続きを最優先で行い、当面の生活費を確保しましょう。 未払い賃金の請求も忘れずに。
  2. 家計を徹底的に見直し、固定費・変動費を削減し、支出を最小限に抑えましょう。 国民健康保険や国民年金の減免制度も活用してください。
  3. 抱えている全ての借金を正確に把握し、リストアップすることが、次のステップに進むための第一歩です。
  4. あなたの借金の状況や、自宅・財産をどうしたいかによって、最適な債務整理の方法は異なります。
    • 任意整理:借金が比較的少なく、再就職の目処が立っているなら、自宅や車を守りつつ、将来利息をカットして返済負担を軽減できます。
    • 個人再生:借金が多く、住宅ローンも残っているが自宅を手放したくない場合、他の借金を大幅に減額し、住宅ローンは継続して返済できます。
    • 自己破産:借金が多額で返済が絶望的、または収入の見込みが立たない場合、全ての借金を免除される根本的な解決策です。
  5. 税金や社会保険料は債務整理の対象外です。 支払いが困難な場合は、役所や年金事務所に早めに相談し、分納や猶予を検討しましょう。
  6. 連帯保証人がいる借金がある場合は、必ず事前に連帯保証人に相談してください。 無断で手続きを進めると、連帯保証人に多大な迷惑がかかり、関係性が破綻する可能性があります。

そして、最も大切なこと。

会社の倒産によって借金返済が困難になったという状況は、非常に複雑で専門的な知識が求められる問題です。ご自身だけで解決しようとせず、必ず法律の専門家である弁護士に相談してください。

弁護士は、あなたの失業状況、借金の詳細、財産の有無、家族構成などを総合的に判断し、あなたにとって最も負担が少なく、効果的な生活再建のためのロードマップを提案してくれます。

金融機関との交渉、公的支援制度の案内、そして債務整理の複雑な手続きの全てを代行してくれるため、心身ともに疲弊しているあなたにとって、これ以上ないほどの支えとなるでしょう。

会社の倒産は、確かに大きな試練です。しかし、これを機に、借金問題を根本的に解決し、健全な生活を取り戻すチャンスでもあります。勇気を出して一歩を踏み出し、信頼できる弁護士に相談してみましょう。あなたの新しい人生のスタートを心から応援しています。

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