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【2023年最新】過払金のからくり徹底解説!メリットデメリットや返金方法、弁護士依頼の利点も
皆さんは、過払金とその仕組みをご存知ですか?過払金とは何かという基本的な疑問をはじめ、過払金を請求する上での条件・対象となる借金、過払金を請求するメリット・デメリット、個人で請求するリスク、弁護士に依頼する利点など徹底解説します。この記事が弁護士に依頼するか迷っているや借金問題を抱えてお困りの方の一助となれば幸いです。
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皆さんは、過払金とその仕組みをご存知ですか?
テレビCMやラジオ広告で、過払金や過払金請求という言葉を耳にし、「自分や家族が過払金を請求できる条件に該当しているのではないか」「過払金について興味がある」といった方も多いのではないでしょうか。
皆さまの課題解決をお助けできるよう、過払金とは何かという基本的な疑問をはじめ、過払金を請求する上での条件・対象となる借金、過払金を請求するメリット・デメリット、個人で請求するリスク、弁護士に依頼する利点など徹底解説します。
この記事が弁護士に依頼するか判断を決めかねている方や借金問題を抱えてお困りの方の一助となれば幸いです。
そもそも過払金とは
「過払金」とは、「実際には払う必要がないにも関わらず、払いすぎた利息」のことです。
法律の上限を超えて貸付をしていた貸金業者(主に消費者金融やクレジットカード会社など)に対して、債務者(借金を負った人)が過払金の返還を求めることを「過払金返還請求(過いわゆる過払金請求のこと)」と呼びます。
過払金が発生してしまう原因は、2010年6月17日に行われた「出資法」と「利息制限法」の法改正により、上限金利の改正が成されたためです。
出資法・利息制限法ともに、お金の貸借に関する法律ですが、各法律で異なる金利上限を設定しています。
法改正以前の「出資法上限金利(29.2%)」と「利息制限法の上限金利(15〜20%)」の差が「グレーゾーン金利」で、この金利で支払った利息こそ「過払金」です。
▼ 「出資」「利息制限法」の金利変化
期日 | 法改正前:2010年6月17日以前 | 法改正後:2010年6月17日以降 |
「出資法」上限金利 | 29.2% | 15〜20% ・10万円未満:20% ・10万円以上100万円未満:18% ・100万円以上:15% |
「利息制限法」上限金利 | 15〜20% ・10万円未満:20% ・10万円以上100万円未満:18% ・100万円以上:15% | 15〜20% ・10万円未満:20% ・10万円以上100万円未満:18% ・100万円以上:15% |
貸金業者にとって、上限金利の低い「利息制限法」よりも、上限金利が高い「出資法」をもとに貸付をすることで、効率よく稼げることから、グレーゾーン金利が生じてしまったと言えます。
▼「出資」と「利息制限法」の規定
法律名称 | 出資法 | 利息制限法 |
規制対象 | 個人を含む貸金業者かつ 「銀行法」の対象となる金融機関を除く | 個人・貸金業者・金融機関を問わない |
罰則 | 【刑罰】 10年以下の懲役もしくは 3,000万円以下の罰金またはその両方 | 【なし】 過払金がある場合、民事裁判で返還請求可 |
過払金返還請求の対象となる借金と条件
過払金返還請求を希望する場合、次の4つの条件を満たす必要があります。
1. 金利:利息制限法の制限を超える金利でお金を借りた
過払金返還請求をする場合、2010年6月17日の法改正以前の「利息制限法の上限金利(15〜20%)」を超えた金利が対象となります。
次の貸金業者は、法改正以前より、利息制限法の制限内で貸付けを行なっているため、原則過払金が発生することはありません。
- 銀行・信用金庫のカードローン
- 住宅ローンなどのローン契約
- 奨学金や日本政策金融公庫からの借入
2. 借金の種類:クレジットカードのキャッシング利用・カードローン(ローン専用カード)の利用
消費者金融やクレジットカードなどの貸金業者で「キャッシング利用した場合」や「カードローン(ローン専用カード)を利用した場合」に限り、過払金返還請求を行えます。
ただし、クレジットカードのショッピング枠の利用では、過払金は発生しません。
ショッピング枠は、カード会社から借金をしているのではなく、月々の利用額が引き落とし日に引き落とされることから、あくまで立替という認識のためです。
分割払い・リボ払い・ボーナス払いの場合、「割賦販売法」が適用されることから、月々の手数料が利息ではなく、分割手数料として識別されています。
「割賦販売法」とは、消費者が安心・安全にクレジットカードを利用できるよう、クレジットカード会社が販売店の管理を行なったり、情報漏洩防止をはじめとするセキュリティ対策を行うようルールを定めた法律を指します。
3. 時効:借金完済から10年以上経っていない
過払金返還請求には、「完済日から10年未満」という時効が設けられています。
借入日から完済日までの明確な期間は設定されていません。
ただし、法改正後に借入した場合、過払金はほとんど発生していないため、過払金返還請求は期待できないでしょう。
重ねて、完済日から10年以上経過した場合、過払金返還請求の権利が時効により消滅してしまうため、注意が必要です。
▼借入日と完済日、時効の関係
借入時期 | 完済時期 | 時効 | 過払金返還請求 |
1998年5月 | 2010年10月 | 2020年10月 | × |
2006年7月 | 2014年8月 | 2024年8月 | ○ |
2020年3月31日以降に完済した場合
ここで注意したいのは、完済日から10年以上経過していない場合でも、時効が成立する場合があることです。
2020年3月31日以降に完済した借金に限り、過払金返還請求ができると知ってから5年経過すると、時効が成立してしまいます。
その結果、過払金を受け取れなくなる可能性が非常に高いです。
従って、過払金返還請求を希望する場合、借金を完済したら、できるだけ早急に弁護士に相談することで、手元に戻ってくる可能性のあるお金を取り戻しましょう。
4. 会社の存続:相手の貸金業者が倒産していない
過払金返還請求が可能な条件に、借入した貸金業者が倒産していないこと=正常に営業している状態であることも挙げられます。
相手の貸金業者が倒産した場合、過払金を返還しても、お金を取り戻せる可能性が非常に低いです。
特に、破産手続を行った場合には、配当などの支払いを受けること自体は可能ですが、本来受け取れる過払金の数%程度とかなり少ない金額になるためです。
▼過払金を受け取れる可能性のあるケース
過払金を受け取れる可能性のあるケース | 具体例 |
倒産手続中の場合 | 裁判所への債権届により 過払金の一部を回収できる可能性がある |
吸収合併された場合 | 合併先の企業に対して 過払金返還請求できる可能性がある |
過払金返還請求の流れ
一般的に、過払金の返還請求の大まかな流れは、次の通りです。
流れ | 具体的な内容 |
1. 申請者の取引履歴(貸付・返済の記録)を取り寄せる | ★XP法律事務所では、貸金業者が取引履歴を開示しない場合、 「訴訟予告通知」まで出します。 |
2. 取引履歴をもとに引き直し計算をし、過払金の有無を調べる | 払いすぎたお金を計算することで「過払金は発生しているのか」 「過払金は総額でいくらあるのか」を確定する。 |
3. 対象の貸金業者に過払金返還請求書を送付する | 計算結果をもとに、貸金業者に 過払金返還請求書の作成・送付を行う。 |
4. 貸金業者と和解交渉を行う | ・申請者または申請者の代理人と貸金業者の話し合いにより、和解を目指す。 ・個人で交渉する場合、金額を低く提示されたり、返還請求自体を退けられてしまうこともある。 ・裁判まで発展する可能性もある。 |
5. 過払金が入金 | 合意に至った場合、入金される。 |
過払金返還請求を依頼できるのは弁護士と司法書士
過払金返還請求は、弁護士または司法書士に依頼可能です。
ただし、司法書士が請け負う場合、次のような規定が設けられています。
- 過払金返還請求は、1社につき140万円以下であれば依頼可能
- 依頼できるのは、法務省の認定を受けた認定司法書士のみ
- 和解立会人の代理不可
- 司法書士が対応できるのは簡易裁判所のみ《140万円以下の訴訟かつ第1審まで》
万が一、簡易裁判所において、第1審で決着がつかない場合、依頼者本人が法廷に立ち、訴訟を進めていく必要があります。
一方で、弁護士には、過払金返還請求で対応可能な業務・扱える金額・裁判手続の制限はありません。
そのため、独自のノウハウを要する必要書類の作成代行はもちろん、裁判になった場合でも、請け負ってもらえるメリットがあります。
迅速で速やかな示談交渉力のある弁護士が代理人となることで、相談者の権利を守り、過払金を取り戻すための一助となるでしょう。
▼司法書士と弁護士が代理可能な裁判所
裁判所名 / 代理の可不可 | 司法書士 | 弁護士 |
簡易裁判所 | ○(第1審のみ) | ○(第1審〜3審まで可) |
地方裁判所 | × | ○ |
高等裁判所 | × | ○ |
最高裁判所 | × | ○ |
過払金返還請求のデメリット
1. 過払金で債務を完済できないと信用情報(ブラックリスト)に記載される
現在も借金を返済中で、過払金返還後もまだ借金が残る場合、信用情報(ブラックリスト)へ記載されます。
信用情報に登録される理由は、過払金の返還請求を「任意整理」と捉えられるためです。
信用情報とは、個人や法人が金融機関やクレジットカード会社などから融資を受ける際に関わる情報のことです。
信用情報に登録される期間は永久的ではなく、手続から約7〜10年程度で、信用情報が回復すれば、制約は撤廃されます。
▼日本における、主要な信用情報機関
名前 | 加盟期間 |
全国銀行個人信用情報センター(KSG) | 銀行・信用金庫・信用保証協会など |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融 |
信用情報に記載されると、次のような項目が規制されます。
規制内容 | 具体例 |
①新たな借入やローンを組むこと(住宅・自動車) | 借入やローンの審査に通らないため。 |
② 賃貸物件の契約 | 保証会社が設定されている場合、審査に通らないため。 |
③ 携帯電話の分割払い | 新規で購入したい場合には、一括払いや家族名義で契約すると、 信用情報が照会されないため、購入可能。 |
④ クレジットカードの新規作成・既存のカードの利用 | ・新規作成する場合、審査に通らない。 ・過払金返還請求した既存のカードは、強制解約(利用停止)される。 ・過払金返還請求をしていない既存のカードも、クレジットカードの【更新審査・途上与信・キャッシング利用の申込み時・支払いの遅延&滞納時】に強制解約(利用停止)される。 |
⑤ 奨学金の保証人 | 保証人のいらない奨学金や 第三者を保証人に設定可能な奨学金に申し込む必要がある。 |
「途上与信」とは、定期的に利用者の信用力を調査する審査のことです。ただし、過払金返還請求をしても、信用情報に登録されないケースもあります。
条件 | 具体例 |
① 既に完済した借金の過払金返還請求をする場合 | 信用情報に記載されないため、新たな借入やローン、クレジットカードの作成に困らない。 |
② 借金返済中で過払金により完済できる場合 | 貸付業者により、過払金の返還請求の手続き中に、一時的に信用情報に登録される可能性がある。 → 手続(完済)が確認できた時点で情報が削除される。 |
2. 過払金返還請求した貸金業者を利用できなくなる
過払金返還請求をした場合、請求先の貸金業者の利用が制限される可能性があります。
消費者金融やクレジットカードをはじめとする多くの貸金業者では、社内に顧客リストを所有しています。
多くのケースで、その社内リストに過払金返還請求を行ったことが記載される(=社内ブラック扱いになる)ため、新たな借入は困難と言えるでしょう。
重ねて、この社内リストは、グループ会社に共有されている可能性が高いため、新たな借入を希望している場合は、注意してください。
過払金返還請求をした場合、該当の業者から今後借り入れづらいというデメリットはありますが、払いすぎたお金が戻り有効活用できる利点があります。
3. 生活保護が受けられなくなる
生活保護を受給している方が、過払金返還請求をすると、生活保護の受給が停止される可能性があります。
前提として、生活保護とは、生活のために最小限の生活費を得られない人に対して、生活費や医療費、住宅費などを支給する社会保障制度です。
最低生活費(13万円/月)よりも、世帯収入が少ない場合、生活保護を受給可能です。年収換算した場合、収入156万円以下の計算となります。
生活保護の受給要件以上の過払金を得た場合、そのお金は「収入」と見なされます。
生活保護=国から特別に恩恵を受けている状態にも関わらず、自由に使えるお金があることで、生活保護の超過分の返還を求められたり、生活保護が廃止されてしまうので注意してください。
生活保護の受給中に過払金を受け取った際には、すぐに担当の福祉事務所に申告しましょう。
申告せずに過払金を隠していた場合、不正受給と判断されてしまいます。
悪質な場合には、警察への告訴等を含めた厳正に罰せられてしまうため、生活保護の受給のルールに基づいた手続を行いましょう。
ただし、過払金を受け取り、生活保護を停止した場合でも、再び収入がない状態になれば、生活保護の再申請は可能ですので、ご安心ください。
▼生活保護受給にまつわる対応策
生活保護受給するか否か | 対応策 |
生活保護受給を継続したい場合 | 担当の福祉事務所に申告し、過払金を役所に納める |
生活保護受給を一時停止する場合 | 過払金で生活ができる間は受給を止め、再び再申請する |
過払金返還請求を自分で行うリスク
1. 交渉がまとまらず、返金額が減少したり、請求が却下されてしまう
過払金返還請求の和解交渉を個人で進める場合、素人相手には強気で交渉に臨む債権者(借金をしている業者=貸金業者)も多いため、注意が必要です。
まず、債務者(借金を負った人)の取引履歴(貸付・返済の記録)を取り寄せる場合、さまざまな理由を付けて開示を拒否したり、一部の情報しか開示してもらえないこともあります。
また、取引履歴の開示請求が成功しても、交渉段階で、返還金額の減額を求められたり、実際の過払金よりも低く見積もった金額を提示してくる可能性が高いです。
高額の過払金返還を希望する場合、法律のプロである弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
2. 過払金返還請求の書類作成や引き直し計算の時間と手間がかかる
過払金返還請求を個人で進める場合、さまざまな書類の準備や作成、提出まで時間と手間をかけ準備する必要があります。
また、貸金業者からの郵便物は自宅に届くため、借金をしていたことが家族に知られる可能性が高いです。
主に必要となる書類は次の通りです。
必要書類 | 具体的な内容と取得方法 |
取引履歴 | 【貸付・返済の記録】債権者(借金をしている業者=貸金業者)に開示請求する。免許証やパスポートの写しなど本人確認書類が必要となる。 |
過払金返還請求書 | 【債権者に過払金の請求を命じる書類】債権者に通達する。 |
引き直し計算書(法定利息計算書) | 【取引履歴から過払金を算出した書類】実際に支払った利息を利息制限法の上限金利に則って計算し、書類作成する。 |
★債権者=貸金業者が破産した場合債権調査票 | 【破産した貸金業者が顧客に送る書類】必要項目に情報を記入し、期限内に管財人に返送する。返送しない場合、破産手続に参加できず、配当を受け取れない。 |
特に、引き直し計算書は複雑な仕様となっており、計算結果が間違うと、返還額が減少する可能性もあるため、正確性が求められます。
裁判に発展した場合は、上記の書類に加え、次の書類が必要です。
必要書類 | 具体的な内容と取得方法 |
訴状 | 【原告(裁判を起こした人)の言い分を記載し、裁判所に提出する書類】先ほどご紹介した書類と、配達記録をもとに作成する。 |
収入印紙 | 【租税や手数料などの収納金微収のため政府が発行する証票】郵便局などで購入する。 |
資格証明書《被告(貸金業者)の登記簿謄本》 | 【会社の代表取締役などが商業登記簿に登記されていることを登記所が証明する書類】法務局またはオンラインで申請し、購入する。 |
弁護士や司法書士に依頼する場合、時間と手間を省け、高額の過払金返還を見込める一方で、多少なりとも費用がかかります。
少しでも支出を抑えるため、弁護士や司法書士に支払う報酬を節約したい場合には、個人での過払金返還請求を検討してみてもよいでしょう。
3. 訴訟になった場合に、対応できないリスク
過払金返還請求において過払金返還請求訴訟(裁判)を行う理由に、次のようなケースが考えられます。
- 貸金業者(消費者金融やカード会社)が交渉に応じない場合
- 交渉時に貸金業者が提示する条件(返還金額や返還期限)に納得できない場合
- 折り合いがつかず、交渉では話がまとまらない場合
過払金返還請求訴訟(裁判)すると、過払金の回収額が顕著に上がる傾向があります。
しかし、個人で手続を進める場合には、債務者本人(借金を負った人)が法廷に立ち、訴訟を進めていく必要があります。
裁判に持ち込んだ場合、債権者(借金をしている業者=貸金業者)は、弁護士を代理人として立てるため、法律のプロ相手に戦うことになってしまいます。
そのため、依頼費用を節約できても、返還金額が少なくなる可能性が非常に高いです。
交渉力により返還される金額に差が出てしまうため、失敗するリスクを背負い個人で手続きするよりも、弁護士などの専門家に任せた方が安心ではないでしょうか。
過払金返還請求のメリット
1. 条件に合致する場合、払いすぎたお金が戻ってくる
過払金返還請求の最大のメリットは、払いすぎた利息が手元に戻ってくる点です。
はじめに「過払金」とは、法改正以前の「出資法上限金利(29.2%)」と「利息制限法の上限金利(15〜20%)」の差が「グレーゾーン金利」で、この金利で支払った利息であるとご紹介しました。
従って、長期間かつ高金利で債務(借金)をしていた場合、それだけ多くの過払金を取り戻せるのです。
さらに、過払金が借金残高よりも多ければ、借金を相殺=帳消しにできる上に、差し引き後の過払金を受け取れます。
重ねて、借金返済中であっても過払金返還請求は可能です。
借金の残額よりも過払金が少ない場合、借金残額を減らせることで、負担が軽くなる利点もあります。
グレーゾーン金利での借入経験があれば、過払金が発生している可能性は十分に考えられます。
時効を迎える前に、少しでも早く、専門家に相談しましょう。
2. 完済している場合、ブラックリストに載らない
過払金返還請求をするのあたって、すでに完済した借金や過払金により借金を完済できる場合、信用情報(ブラックリスト)に傷がつくことはありません。
詳細は次の表をご覧ください。
条件 | 具体例 |
1. 既に完済した借金の過払金返還請求をする場合 | 信用情報に記載されないため、新たな借入やローン、クレジットカードの作成に困らない。 |
2. 借金返済中で過払金により完済できる場合 | 貸付業者により、過払金の返還請求の手続き中に、一時的に信用情報に登録される可能性がある。→ 手続(完済)が確認できた時点で情報が削除される。 |
過払金返還請求で返還されたお金の使い道に制限はなく、自由に使えるのです。
借金を完済している場合は、今後の生活に役立てられるお金を手にすることができ、借金返済中でも、返済に充当したり、借金を帳消しにできるメリットがあります。
先にご紹介した通り、今後請求先の貸金業者からの借り入れは制限されてしまいますが、完済した借金を過払金返還請求することに、ほとんどネガティブな要素はないと言えるでしょう。
3. 過払金返還請求を希望する債務の契約書や履歴が必要ない
債務に関する契約書や取引履歴が手元にない場合も、過払金返還請求を行うことが可能です。
過払金返還請求では、過去の取引履歴から過払金を算出するため、貸付・返済の記録などが記載された「取引履歴」を取り寄せます。
貸金業者は、すべての取引履歴を開示する法的義務があるため、先のご紹介した過払金返還請求の条件に該当する場合、書類の有無を問わず、過払金を請求できるのです。
債務に関する契約書や取引履歴などを紛失・処分してしまった際には、弁護士や司法書士に依頼することで、円滑に手続が進められるでしょう。
書類がないからと諦めずに、無料相談LINEなどのツールを利用し、お気軽にご相談ください。
過払金返還請求を弁護士に任せる利点
1. 書類作成や交渉など一括でお任せできる
過払金返還請求を弁護士に依頼する場合、書類の取り寄せ・作成・提出、債権者との和解交渉、裁判所とのやり取りまで、すべての手続を代行してもらえるメリットがあります。
特に、書類不足や記載ミスによる手続の遅滞や貸金業者との長期交渉などの負担を低減し、スムーズに過払金返還請求できるのがポイントです。
また、司法書士に過払金返還請求を依頼する場合、認定司法書士の資格を有しており、1社につき140万円以下という規定が設けられている、と先述しました。
一方で、弁護士は、対応可能な業務や扱える金額、裁判手続の制限なく行えます。
返還される過払金が大きくなりそうな場合は、はじめから弁護士に相談することで二度手間を防げるだけでなく、依頼費用も最小限でに抑えることができるのではないでしょうか。
2. 豊富な経験と相談実績により返還額が大きくなる可能性がある
独自のノウハウを要する必要書類の作成代行はもちろん、裁判になった場合でも、請け負ってもらえる点も弁護士に依頼する大きなメリットです。
過払金返還請求をするにあたって、次のようなケースで裁判に発展する可能性があります。
- 貸金業者(消費者金融やカード会社)が交渉に応じない場合
- 交渉時に貸金業者が提示する条件(返還金額や返還期限)に納得できない場合
- 両者の折り合いがつかず、交渉では話がまとまらない場合
簡易裁判所の第1審に限り代理可能な司法書士に比べ、弁護士はすべての裁判所で対応可能です。
債権者(借金をしている業者=貸金業者)から不利な条件を提示され、裁判に持ち込んだ場合でも、弁護士であれば、スムーズな対応を行えるため、最大限過払金を回収できる可能性が高くなります。
迅速で速やかな示談交渉力と過払金を確実に回収するための手段を持つ弁護士が代理人となることで、過払金を取り戻すための大きな一助となるのではないでしょうか。
3. 借金全般の相談に乗ってもらえる
過払金返還請にまつわる相談はもちろん、借金の返済に苦しんでいる方も少なくないのではないでしょうか。
弁護士であれば、過払金返還請求だけでなく、債務者(借金を負った人)が無理なく返済できるよう、借金の返済まで相談に乗ることが可能です。
必要であれば、任意整理・個人再生・自己破産といった「債務整理」という、法の力を借り、借金問題の悩みを解決する手続を請け負えます。
債務者の生活を立て直せるだけでなく、悩みの種である借金に関して相談したり、問題解決を一任できる相手がいることで、精神面の負担を軽減することにも繋がるのではないでしょうか。
4. 周囲に知られるリスクを防げる
過払金返還請求をするにあたって、弁護士が介入する場合、債権者(借金をしている業者=貸金業者)に「受任通知(介入通知)」を通達します。
受任通知とは、弁護士が債務者(借金を負った人)の代理となり手続きを開始する旨を知らせる、法的効力を持つ書類です。
この書類を送った場合、債務者が郵便物や電話など、直接の取り立てを受けなくなるメリットがあります。
弁護士が債権者との連絡窓口代わりとなる他、手続きのほとんどを代行してもらえるため、家族や親戚、職場の方など周囲に知られるリスクを防げるのです。
重ねて、借金をしていた過去を知られたくないなど、特別な事情があることを事前に弁護士に相談することで、やり取りを家族に知られないように取り計らってもらえるのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、過払金とは何かという基本的な疑問をはじめ、過払金を請求する上での条件・対象となる借金、過払金を請求するメリット・デメリット、個人で請求するリスク、弁護士に依頼する利点など、徹底解説しました。
過払金返還請求をすることで、払いすぎたお金が戻り、借金を帳消しにし、差し引き後の過払金を自由に使えたり、借金残額を減らし負担が軽くなる利点があるのです。
過払金返還請求の手続を弁護士に依頼することで、時間と手間のかかる書類作成や負担の大きな和解交渉、裁判まで一括代行してもらえることはもちろん、債権者から直接取り立てを受けなくなったりと、精神面や時間・費用の負担を軽減できるといったメリットがあります。
特に、過払金返還請求を強みにしている法律事務所であれば、経験豊富で相談実績も多く、交渉力があなたの助けになるのではないでしょうか。
過払金があるか判断が難しい方や過払金をより多く取り戻したい方、過払金返還請求の裁判の手続について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
※こちらの記事は、2023年7月26日時点の情報です。