債務整理(任意整理・個人再生・自己破産・過払金)
【弁護士監修】自己破産で自動車は残せる?所有状況別の影響と愛車を守るための対策を徹底解説!借金問題を解決しながら移動手段を確保する賢い方法
自己破産で大切な自動車を失うのではないかと不安に感じていませんか?ローン状況、車の価値、必要性に応じた自動車への影響と、家族名義への変更、自由財産拡張など、愛車を守りながら借金問題を解決するための具体的な対策を網羅的に解説します。

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はじめに:生活の足、自動車と自己破産の現実
現代社会において、自動車は単なる移動手段を超え、私たちの生活や仕事に深く根ざした存在です。通勤、通学、子どもの送迎、買い物、営業活動、あるいは趣味のドライブなど、多くの人にとって「愛車」はかけがえのないパートナーであり、生活の足として不可欠なものです。
しかし、多額の借金に苦しみ、最終手段として自己破産を検討せざるを得ない状況に追い込まれた時、多くの人が真っ先に不安に感じるのが「自己破産をしたら、この車は手放さなければならないのだろうか?」「生活の足がなくなってしまうのではないか?」という問いでしょう。
自己破産は、借金の返済義務を法的に免除してもらうための強力な手続きですが、その一方で、所有する財産が処分される可能性も伴います。特に自動車は、その価値やローン状況によって、破産手続きにおける扱いが大きく異なります。
本記事では、自己破産があなたの自動車にどのような影響を与えるのかを、所有状況(ローン中、所有権留保、完済済みなど)別に徹底的に解説します。さらに、愛車を守りながら借金問題を解決するための具体的な対策や、自己破産後の移動手段を確保する賢い方法についても、網羅的にご紹介します。この完全ガイドを読めば、あなたの自動車に関する不安はきっと解消されるはずです。

1. 自己破産と自動車の基本的な関係性:原則と例外
自己破産は、借金を免除してもらう代わりに、一定以上の価値のある財産は処分され、債権者への配当に充てられるのが原則です。自動車もこの「財産」に含まれるため、原則として処分の対象となります。
1-1. 自己破産の原則:財産の処分と「自由財産」
自己破産手続きにおいて、破産者の財産は「破産財団」として扱われ、換価(現金化)されて債権者に公平に配当されます。この原則に従えば、自動車も換価・処分の対象となります。
しかし、破産者の生活再建を妨げないよう、すべての財産が処分されるわけではありません。破産法では、破産者が手元に残しておくことができる財産を「自由財産」と定めています。
自由財産の主な例 | 備考 |
99万円以下の現金 | |
生活必需品 | 家具、家電、衣類など、日常生活に不可欠なもの |
差し押さえ禁止財産 | 法律で差し押さえが禁止されているもの(例:年金受給権、生活保護費など) |
破産管財人が放棄した財産 | 価値が低く、換価しても費用倒れになるような財産は、管財人の判断で破産者に残されることがある |
裁判所が自由財産として認めた財産 | 裁判所の判断により、自由財産として認められるケースがある |
自動車がこの自由財産として認められるかどうかは、その価値と所有状況によって大きく異なります。
1-2. 自動車の価値評価:残せるかどうかの基準
自動車が自由財産として残せるかどうかの最も重要な基準は、その**時価(現在の価値)**です。
- 時価20万円(または地域によって異なる基準)以下の自動車: 多くの裁判所では、自動車の時価が20万円以下であれば、自由財産として処分されずに手元に残せる可能性が高いとされています。これは、自動車が生活必需品としての側面を持つことや、換価しても得られる配当額が少ないため、費用対効果が低いと判断されるためです。 ただし、この基準は裁判所や地域によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
- 時価20万円(または地域によって異なる基準)を超える自動車: 時価が20万円を超える自動車は、原則として処分の対象となります。破産管財人によって売却され、その売却代金が債権者への配当に充てられます。
自動車の時価評価方法
自動車の時価は、以下のような方法で評価されます。
- 中古車買取業者による査定: 複数の業者に査定を依頼し、最も高い査定額を参考にします。
- 中古車情報サイトの相場: 同車種・同年式・同程度の走行距離の車両の販売価格を参考にします。
- 自動車査定士による評価: 専門家による評価。
自己破産を検討する際は、まずご自身の車の時価を把握することが重要です。
2. 所有状況別:自己破産が自動車に与える影響
自動車の所有状況によって、自己破産が与える影響は大きく異なります。
2-1. ローンが残っている自動車(所有権留保)
最も多いケースであり、最も複雑なのが、自動車ローンが残っている場合です。特に、ローン会社が自動車の所有権を留保しているケースがほとんどです。
2-1-1. 所有権留保とは?
所有権留保とは、自動車の購入代金をローンで支払う場合、ローンを完済するまで、自動車の「所有権」はローン会社(または販売会社)にあり、購入者(使用者)は「使用権」のみを持つという契約形態です。車検証の「所有者の氏名又は名称」欄にローン会社の名前が記載されている場合、所有権留保の状態です。
2-1-2. 自己破産時の影響:原則として引き上げ
所有権留保中の自動車は、ローン会社に所有権があるため、自己破産を申し立てると、ローン会社は残りのローンを一括で請求してきます。そして、支払いができない場合は、自動車をローン会社に引き上げられることになります。
これは、自己破産手続きにおいて、ローン会社が「債権者」として扱われ、その債権(自動車ローン残債)が免責の対象となるためです。ローン会社としては、債権が回収できなくなる代わりに、その担保である自動車を回収するという形になります。
- 引き上げのタイミング: 自己破産手続き開始決定後、破産管財人や弁護士からローン会社に通知が行くと、ローン会社は自動車の引き上げを求めてきます。
- 引き上げ後の処理: 引き上げられた自動車は、ローン会社によって売却され、その売却代金がローン残債に充当されます。売却代金でローン残債を全額賄えない場合でも、自己破産によって残りの債務は免責されます。
2-1-3. 引き上げを回避する方法は?(現実的には困難)
原則として引き上げられる所有権留保中の自動車ですが、例外的に引き上げを回避する方法が理論上は存在します。しかし、現実的には非常に困難です。
- 第三者による一括返済: 家族や友人など、第三者がローン残債を一括で返済し、自動車の所有権をローン会社から移転させる方法です。ただし、自己破産手続き中に特定の債権者(この場合はローン会社)にだけ返済を行うことは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」となり、免責不許可事由に該当する可能性があります。そのため、破産管財人の許可を得るか、手続き開始前に完済する必要があります。また、第三者が支払ったお金が破産者の財産とみなされる可能性もあるため、弁護士と綿密に相談しなければなりません。
- 管財人による買い取り: 破産管財人が、破産財団からローン残債を支払って自動車を買い取り、破産者に残すというケースも理論上はあり得ます。しかし、これは自動車の価値が非常に低く、かつ破産管財人が自動車を破産者の生活に不可欠と判断した場合など、極めて限定的な状況に限られます。
2-2. ローンを完済している自動車(所有権が自分にある)
ローンをすでに完済しており、自動車の所有権があなた自身にある場合、状況は大きく変わります。この場合、自動車はあなたの「財産」として扱われます。
2-2-1. 時価20万円(または地域基準)以下の自動車
前述の通り、多くの裁判所では、時価が20万円以下の自動車であれば、自由財産として手元に残せる可能性が高いです。
- 確認事項:
- 時価の正確な評価: 複数の業者に査定を依頼し、客観的な時価を把握しておくことが重要です。
- 車検証の確認: 車検証の「所有者の氏名又は名称」欄があなた自身の名前になっていることを確認してください。
2-2-2. 時価20万円(または地域基準)を超える自動車
時価が20万円を超える自動車は、原則として処分の対象となります。
- 管財事件となる可能性: 20万円を超える財産がある場合、自己破産手続きは「管財事件」となる可能性が高くなります。管財事件では、破産管財人が選任され、自動車の売却手続きを進めます。
- 売却と配当: 自動車は破産管財人によって売却され、その売却代金は破産管財人の報酬や手続き費用に充てられた後、残りが債権者へ配当されます。
- 引き渡し: 破産管財人の指示に従い、自動車を引き渡す必要があります。
2-2-3. 家族名義の自動車への影響
あなたが自己破産しても、**家族(配偶者、子供など)名義の自動車は原則として影響を受けません。**自己破産はあくまで破産者本人の債務と財産にのみ影響するためです。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 実質的な所有者: 家族名義であっても、あなたが購入資金を負担し、実質的にあなたが所有・使用しているとみなされる場合は、破産管財人によってあなたの財産と判断される可能性があります。
- ローン保証人: 家族名義の自動車のローンについて、あなたが保証人になっている場合、そのローンもあなたの債務として扱われます。
2-3. リース契約の自動車
自動車をリース契約で利用している場合、自己破産をすると、リース会社との契約は解除されるのが原則です。
- 所有権: リース契約の場合、自動車の所有権はリース会社にあります。
- 自己破産時の扱い: 自己破産手続きにおいて、リース契約は「双務契約」(双方に義務がある契約)として扱われます。破産管財人は、契約を解除するか継続するかを選択できますが、通常は破産者の負担を減らすため、契約を解除します。
- 引き上げ: 契約解除に伴い、自動車はリース会社に引き上げられます。
3. 愛車を守るための対策と自己破産以外の選択肢
自己破産で愛車を手放したくないと考えるのは当然のことです。ここでは、愛車を守るための対策や、自己破産以外の債務整理の選択肢について解説します。
3-1. 自己破産前にできる対策(慎重な検討が必要)
自己破産を申し立てる前に、自動車に関してできる対策はいくつかありますが、法的なリスクを伴う可能性もあるため、必ず弁護士と相談しながら慎重に進める必要があります。
3-1-1. 時価が低い車への買い替え(推奨されない)
自己破産を検討する段階で、時価の高い車から時価20万円以下の車に買い替えることを考える人もいるかもしれません。しかし、これは推奨されません。
- 財産隠匿とみなされるリスク: 自己破産直前に高価な財産を処分し、低価なものに買い替える行為は、財産を隠匿したとみなされ、免責不許可事由に該当する可能性があります。
- 偏頗弁済のリスク: 買い替えによって得た資金を特定の債権者への返済に充てることも、偏頗弁済とみなされるリスクがあります。
3-1-2. 第三者への売却・譲渡(推奨されない)
自己破産を申し立てる前に、自動車を友人や家族に売却・譲渡することも、原則として避けるべき行為です。
- 財産隠匿とみなされるリスク: 破産直前の財産処分は、財産隠匿とみなされ、免責不許可事由に該当する可能性が非常に高いです。
- 詐害行為取消権: 破産管財人は、破産者が債権者を害することを知って行った財産処分行為(詐害行為)を取り消す権利を持っています。売却・譲渡された自動車が、後で破産管財人によって取り戻される可能性があります。
3-1-3. ローンの一括返済(推奨されない)
家族や友人からお金を借りて、自動車ローンを一括返済し、所有権を自分に移すことを考える人もいるかもしれません。しかし、これも偏頗弁済となり、免責不許可事由に該当するリスクがあります。
- 弁護士との相談が必須: 自己破産手続き開始前にローンを完済したい場合は、必ず事前に弁護士に相談し、その行為が免責不許可事由に当たらないか、あるいは破産管財人の許可を得て行う必要があるかなどを確認しなければなりません。
3-2. 自己破産以外の債務整理の選択肢
愛車を残したいと強く願うのであれば、自己破産以外の債務整理を検討することが最も現実的な選択肢となります。
3-2-1. 個人再生:住宅や車を残しながら借金を大幅減額
個人再生は、裁判所を介して借金総額を大幅に減額(原則1/5~1/10程度)してもらい、残りの借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく手続きです。自己破産とは異なり、住宅や自動車などの財産を残せる可能性が高い点が最大の特徴です。
- 個人再生で自動車を残す条件:
- ローンを完済している自動車: 時価が高額であっても、ローンを完済している自動車であれば、原則として手元に残すことができます。ただし、その自動車の価値が「清算価値」(破産した場合に処分される財産の価値)に算入されるため、再生計画で返済する金額がその清算価値を下回らないようにする必要があります。
- ローンが残っている自動車(所有権留保): ローンが残っている自動車の場合、個人再生では「別除権」という特別な権利を持つ債権者(この場合はローン会社)が存在します。個人再生では、この別除権付きの債務(自動車ローン)は原則として再生計画の対象外となります。そのため、ローン会社との間で別途交渉し、返済を継続する合意を得るか、第三者がローンを肩代わりするなどの対応が必要になります。これが「巻き戻し」と呼ばれる手法で、ローン会社が同意すれば返済を継続し、車を残すことが可能です。ただし、ローン会社が同意しない場合は、自己破産と同様に引き上げられることになります。
- 個人再生のメリット:
- 借金が大幅に減額される。
- 住宅ローン特則を利用すれば、家を残せる。
- 自動車を残せる可能性が高い。
- 資格制限がない。
- 個人再生のデメリット:
- 手続きが複雑で、弁護士費用も高め。
- 安定した収入が必要。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(7~10年程度)。
- 官報に掲載される。
3-2-2. 任意整理:柔軟な交渉で返済負担を軽減
任意整理は、債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを通じて、毎月の返済額を軽減してもらう手続きです。
- 任意整理で自動車を残す条件:
- 自動車ローンを任意整理の対象から外す: 自動車ローンを任意整理の対象から外し、これまで通り返済を継続することで、自動車を手元に残すことができます。任意整理は整理する借金を選べるため、自動車ローン以外の借金(カードローン、消費者金融など)のみを整理することが可能です。
- 自動車ローンの返済を継続できる収入があること: 自動車ローンを任意整理の対象から外すということは、そのローンはこれまで通り全額返済していく必要があるということです。そのため、他の借金を整理することで、自動車ローンの返済を継続できるだけの収入と余裕があることが前提となります。
- 任意整理のメリット:
- 将来利息がカットされるため、返済総額が減る。
- 整理する借金を選べるため、自動車ローンを対象外にできる。
- 財産の処分は原則不要。
- 官報に載らない。
- 家族や職場に知られにくい。
- 任意整理のデメリット:
- 元金は減らない(例外あり)。
- 交渉に応じない債権者もいる。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(5年程度)。
3-2-3. 自己破産・個人再生・任意整理の自動車に関する比較表
項目 | 自己破産 | 個人再生 | 任意整理 |
ローン中の車 | 原則引き上げ | 原則引き上げ(ローン会社同意で残せる場合あり) | ローンを対象外にすれば残せる |
完済済みの車 | 時価20万円超は処分(以下は残せる可能性あり) | 原則残せる(清算価値考慮) | 原則残せる |
財産処分 | 原則としてすべての財産を処分 | 住宅や車などを残せる可能性が高い | 原則として財産の処分なし |
手続きの複雑さ | 複雑 | 非常に複雑 | 比較的シンプル |
信用情報 | 5~10年程度登録 | 7~10年程度登録 | 5年程度登録 |
官報掲載 | あり | あり | なし |
向いている人 | 借金が高額で返済の見込みがない人 | 住宅や車を残したいが、借金返済が困難な人 | 借金が比較的小額で、利息負担が大きい人 |
4. 自己破産後の移動手段確保と生活再建
もし自動車を手放すことになったとしても、自己破産後の生活再建において移動手段を確保することは非常に重要です。
4-1. 自己破産後の移動手段の選択肢
- 公共交通機関の活用: バス、電車、タクシーなど、公共交通機関を最大限に活用します。定期券や各種割引制度を利用して、交通費を抑える工夫も必要です。
- 自転車の活用: 近距離の移動であれば、自転車は非常に経済的で便利な移動手段です。
- レンタカー・カーシェアリング:
- レンタカー: 必要な時だけ借りるため、維持費がかかりません。ただし、自己破産後すぐに借りられるかは、レンタカー会社の審査基準によります。信用情報機関への照会は通常ありませんが、過去のトラブル履歴や支払い能力が審査される場合があります。
- カーシェアリング: 会員制のサービスで、短時間から車を利用できます。審査は比較的緩やかですが、クレジットカードが必要な場合が多いです。自己破産後すぐにクレジットカードを持つことは難しいため、デビットカード対応のサービスを探すか、家族名義のカードを利用するなどの工夫が必要です。
- 家族・友人との協力: 家族や友人に送迎を頼む、相乗りするなど、周囲の協力を得ることも検討しましょう。
- 中古車の購入(現金一括): 信用情報が回復するまでの間、現金一括で中古車を購入するという選択肢もあります。ただし、高額な中古車は破産管財人の処分対象となる可能性があるので、自己破産手続き中であれば弁護士に相談が必要です。自己破産後であれば、現金があれば問題なく購入できます。
- 軽自動車の活用: 自動車が必要不可欠な地域であれば、維持費の安い軽自動車を検討するのも良いでしょう。
4-2. 自動車ローン・リースの再契約について
自己破産後、信用情報機関に事故情報が登録されるため、約5年~10年間は新たな自動車ローンやリースの契約は非常に困難になります。
- 信用情報の回復を待つ: 信用情報が回復するまで待つのが最も確実な方法です。
- デビットカード対応のカーリース: 一部のカーリース会社では、デビットカードでの支払いに対応している場合があります。この場合、信用情報審査が比較的緩い可能性がありますが、利用できる車種やプランが限られることがあります。
- 自社ローン: 中古車販売店などが独自に提供する「自社ローン」は、信用情報機関に照会せず、独自の審査基準でローンを組むものです。自己破産後でも利用できる可能性がありますが、金利が高めであったり、保証人が必要であったりするなど、デメリットも存在します。
- 連帯保証人を立てる: 信用情報が回復していない場合でも、安定した収入のある連帯保証人を立てることで、ローン契約ができる可能性もあります。ただし、保証人に大きな負担をかけることになるため、慎重に検討すべきです。
4-3. 自動車保険の継続・新規加入
自己破産をしても、自動車保険の契約自体に直接的な影響はありません。ただし、保険料の支払いを滞納すれば、当然契約は解除されます。
- 保険料の支払い: 自己破産手続き中に保険料の支払いを滞納しないよう注意しましょう。
- 等級の引き継ぎ: 自己破産によって等級がリセットされることはありません。
- 新規加入: 自己破産後でも、自動車保険の新規加入は可能です。信用情報機関への照会は基本的に行われません。
5. よくある質問 (FAQ)
Q1. 自己破産をしたら、家族名義の車も処分されますか?
A1. いいえ、**原則として処分されません。**自己破産はあくまで破産者個人の債務と財産にのみ影響します。ただし、家族名義であっても、あなたが購入資金を負担し、実質的にあなたが所有・使用しているとみなされる場合は、破産管財人によってあなたの財産と判断される可能性があります。また、あなたがその車のローンの保証人になっている場合は、そのローンもあなたの債務として扱われます。
Q2. 自動車ローンを組んでいる途中で自己破産したら、車はすぐに引き上げられますか?
A2. 自己破産手続き開始決定後、破産管財人や弁護士からローン会社に通知が行くと、ローン会社は自動車の引き上げを求めてきます。具体的な引き上げのタイミングはローン会社によって異なりますが、通常は通知後比較的速やかに引き上げ手続きが進められます。
Q3. 軽自動車なら自己破産しても残せますか?
A3. 軽自動車であっても、その時価が20万円(または地域によって異なる基準)を超える場合は、原則として処分の対象となります。軽自動車だからといって、必ず残せるわけではありません。まずはご自身の軽自動車の時価を正確に把握することが重要です。
Q4. 自己破産後、すぐに自動車が必要な場合、どうすればいいですか?
A4. 自己破産後すぐに自動車が必要な場合は、以下の選択肢が考えられます。 * 公共交通機関や自転車の活用: まずはこれらを最大限に利用します。 * 家族や友人からの借り入れ: 一時的に車を借りる、送迎を頼むなど。 * 現金一括での中古車購入: 信用情報に影響されないため、現金があれば可能です。ただし、自己破産手続き中であれば、20万円を超える車の購入は弁護士に相談が必要です。 * 審査が比較的緩いカーリースや自社ローン: デメリット(高金利など)を理解した上で検討します。 * レンタカー・カーシェアリング: 短期的な利用であれば有効です。
Q5. 自己破産で自動車が処分された場合、その売却代金は全て借金返済に充てられるのですか?
A5. 自動車が処分された場合、その売却代金は、まず破産管財人の報酬や破産手続きにかかる費用に充てられます。これらの費用を差し引いた残りの金額が、債権者への配当に充てられます。売却代金が費用や配当に足りない場合でも、残りの借金は自己破産によって免責されます。
まとめ:愛車を守るために、そして生活再建のために、弁護士へ相談を
自動車は、私たちの生活を支える大切な財産であり、移動手段です。自己破産を検討する際、愛車を手放すことへの不安は、非常に大きなものでしょう。
本記事で解説したように、自己破産と自動車の関係は、その所有状況(ローン中か完済済みか)、時価、そして保証の有無によって大きく異なります。特に、ローンが残っている自動車は原則として引き上げられる可能性が高い一方で、ローンを完済している自動車であれば、その時価によっては手元に残せる可能性も十分にあります。
また、愛車を残したいという強い希望がある場合は、自己破産以外の債務整理である個人再生や任意整理が有効な選択肢となります。これらの手続きは、自己破産とは異なり、財産を維持しながら借金を整理できる可能性があります。
しかし、これらの手続きは非常に複雑であり、個々の状況によって最適な選択肢は異なります。誤った判断は、愛車を手放すだけでなく、生活再建を困難にしてしまう可能性も秘めています。
だからこそ、借金問題に直面し、愛車を残したいと願うのであれば、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士は、あなたの借金の状況、自動車の所有状況、時価などを正確に把握し、自己破産、個人再生、任意整理の中から、あなたにとって最も愛車を残せる可能性が高く、かつ借金問題を根本的に解決できる最適な方法を提案してくれます。
また、複雑な手続きの全てを代行し、ローン会社や破産管財人との交渉も行ってくれるため、あなたの精神的・肉体的負担を大幅に軽減することができます。愛車を守るための具体的な戦略や、万が一手放すことになった場合の生活再建プランについても、専門家としての的確なアドバイスを提供してくれるでしょう。
「この車だけは手放したくない」「どうすればいいか分からない」と一人で悩まず、まずは弁護士の無料相談を利用してみてください。そこから、愛車を守りながら、あなたの借金問題を根本的に解決し、新しい人生をスタートさせる道が開けるはずです。
弁護士に相談することが、あなたの愛車を守り、安心して生活を再建するための最も賢明な第一歩となるでしょう。
