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詐欺

口座売買をした口座名義人から被害金の返金を受け取れる?特殊詐欺の被害金返金を徹底解説!

特殊詐欺に遭った場合、不安や恐怖に陥れられ、パニックになる方も少なくありません。しかし、速やかに弁護士をはじめ、警察や振込先である金融機関に連絡した場合には、被害金(被害回復分配金)を受け取れる可能性があります。今回は、口座売買をした口座名義人から被害金の返金を受け取れるのか、注意喚起の意味を踏まえ、徹底解説させていただきます。

口座売買をした口座名義人から被害金の返金を受け取れる?特殊詐欺の被害金返金を徹底解説!

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特殊詐欺に遭った場合、経済的・精神的被害により、不安や恐怖に陥れられ、パニックになる方も少なくありません。

しかし、速やかに弁護士をはじめ、警察や振込先である金融機関に連絡した場合には、被害金(被害回復分配金)を受け取れる可能性があります。

今回は、口座売買をした口座名義人から被害金の返金を受け取れるのか、特殊詐欺に対する注意喚起の意味を踏まえ、次の項目について徹底解説させていただきます。

  • 口座売買の概要や仕組み、取引の流れ
  • 口座売買の目的
  • 口座売買で逮捕された場合に成立する刑罰
  • 口座売買で逮捕された場合の流れ
  • 口座売買のリスク
  • 口座売買をした口座名義人からの返金方法
  • 特殊詐欺に遭った場合の相談先
  • 口座売買をした口座名義人から返金を求める場合に弁護士に依頼するメリット

重ねて、本記事のテーマである「口座売買」は、高額報酬の副業やアルバイト募集を謳っていても、預貯金通帳やキャッシュカードの譲渡・譲受は違法行為です。

万が一、他人名義の口座に振り込むよう指示がされた場合や実際に第三者名義の口座に振り込んでしまった場合には、詐欺に遭った可能性があるため、直ちにご相談ください。

この記事が特殊詐欺に遭い、口座売買をした口座名義人から返金してほしい方の一助となれば幸いです。

「口座売買」の概要と仕組み

そもそも「口座売買」とは、自分名義の口座(預貯金通帳やキャッシュカード)を売買する行為を指します。

また、インターネットバンキングのログイン情報(ID・パスワード・認証コード)を第三者に提供する行為も、口座売買と同等の扱いです。

有償・無償を問わず、口座情報を他人に提供する行為は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称:犯罪収益移転防止法)」第28条において、禁止されています。

重ねて、口座を売る側(口座名義人)だけでなく、買う側も罪に問われることにご留意ください。

「口座売買」の売り手と買い手の関係性

売る側→口座名義人、買う側→犯罪利用のため、他人の口座情報を購入する、という関係性があります。

取引された預貯金口座は、特殊詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に利用される可能性が非常に高く、意図せずとも犯罪を助長させることになりかねません。

大きなトラブルから身を守るためにも、個人情報や銀行口座の取り扱いには、くれぐれも慎重になりましょう。

「口座売買」の流れ

口座売買がどのように行われるか、一般的な流れについてご紹介します。

繰り返しとなりますが、口座売買は犯罪行為であり、重大な法的リスクが伴う点にご留意ください。

具体的な内容は次の表をご覧ください。

口座売買の流れ
勧誘・募集■ SNSやインターネット掲示板での勧誘
・犯罪者はSNSで「簡単に稼げる」といった甘い言葉で口座売買の勧誘を行う。

・求人サイトやインターネット掲示板に「銀行口座を高値で買い取る」などの広告を出すこともある。
取引条件の合意と取引の成立■ 売り手と買い手が価格や取引方法などの条件を合意し、不正な取引が成立する。

■ 売る側は、口座情報(通帳・キャッシュカード・暗証番号など)を提供し、買う側はその対価である金銭の支払いを行う。
※身分証明書やその他の個人情報が要求される場合もある。
不正使用■ 不正取引の開始・買い手は取引で入手した口座を悪用し、特殊詐欺をはじめとする不正な取引を行う。
発覚と対応■ 不審な取引の検知不審な取引が行われた場合、警察や金融機関が口座の取引履歴を調査し、不正な取引の追跡や捜査を行う。

■ 口座凍結と操作・不正が疑われる口座は凍結され、取引が停止される。
・警察や金融機関が調査を開始し、口座の取引履歴関係者追跡する。

■ 名義人への連絡
・口座名義人や購入者が特定され、銀行や警察から連絡が入り、法的手続が行われる。
法的措置■ 逮捕と起訴
・口座売買に関与した証拠が見つかった場合、口座名義人および関与者は逮捕されることがある。裁判で有罪判決が下された場合には、罰金懲役刑が科される。

「口座売買」の目的

残念ながら、現在においても、犯罪利用を目的とした口座売買の取引が行われています。

口座売買の具体的な目的は、次の3つの目的に分類されます。

  1. 特殊詐欺
  2. マネーロンダリング(資金洗浄)
  3. 脱税

ここで注意したいのは、口座売買の募集がSNSやインターネット掲示板などを通した、「闇バイト」だけではないという点です。

次のように、特殊詐欺の被害者が知らぬ間に、口座売買に関与してしまった事例も少なくありません。

  • 詐欺師の口車に乗せられ、ご自身の口座情報を提供してしまったケース
  • 詐欺師に騙され、個人情報を盗まれ、悪用されたケース

犯罪に巻き込まれるリスクを事前に防ぐためにも、口座情報をはじめとする機密情報を安易に第三者に提供しないということを徹底しましょう。

また、ある人に口座にお金を振り込むよう言われたにもかかわらず、その人以外の名義の口座に振り込むよう指示がされた場合や、実際に第三者名義の口座に振り込んでしまった場合には、詐欺に遭った可能性があるため、直ちにご相談ください。

SNSでの口座売買の呼びかけに注意

「#闇バイト」「#口座売買」「#口座レンタル」「#口座買取」「#闇金」「#即日即金」「#〇〇(金融機関名)」などのハッシュタグが付けられた投稿は、犯罪に巻き込まれる可能性が高いです。

1. 特殊詐欺

「特殊詐欺」とは、示談金や銀行口座の不正利用、税金や保険料の還付等の返金など、さまざまな口実を用いて、被害者から現金やキャッシュカードを騙し取る犯罪のことです。

詐欺師は、身元の特定を防ぎ、警察や金融機関から追跡されるリスクを減らすことに加え、被害者からの振り込みや不正に得た資金の移動用に、第三者の名義で開設された銀行口座を用います。

2.マネーロンダリング(資金洗浄)

「マネーロンダリング」とは、資金洗浄を意味し、犯罪組織が犯罪によって入手したお金(≒汚れたお金)の出所をわからないようにして、正当な手法で手に入れた資金であるかのように見せかける行為のことです。

犯罪行為により得た資金を複数の銀行口座を経由し、資金洗浄する際に、口座売買で入手した口座を用います。

また、違法な高金利で貸し付けを行う闇金融業者が口座売買で得た他人名義の口座を利用するケースも多いです。

3. 脱税

「脱税」とは、法的に納税義務があるにもかかわらず、故意に所得や利益を隠したり、虚偽の申告を行ったりして、正当な税金の支払いを逃れる行為のことです。いようにして、正当な手法で手に入れた資金であるかのように見せかける行為のことです。

所得を隠すため、他人名義の口座を利用することがあるため、注意しましょう。

「口座売買」で逮捕された場合に成立しうる刑罰

こちらの章では、口座売買で逮捕された場合に成立する可能性がある刑罰についてご紹介します。

繰り返しとなりますが、有償・無償を問わず、自分名義の口座の売買(預貯金通帳やキャッシュカードの売買)は違法行為です。

自分名義の口座を売却した場合、次の2つの罪状にあたる可能性があります。

  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律違反(通称:犯罪収益移転防止法)
  • 詐欺罪

1. 犯罪による収益の移転防止に関する法律

口座売買は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称:犯罪収益移転防止法)第28条において、禁止されています。

組織的犯罪により不正に得た資金(犯罪収益)が今後の犯罪活動を助長したり、健全な経済に介入し、悪影響を及ぼすことを防ぐために制定されたものです。

警察庁では、同法律を次のように定義しています。

犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、犯罪による収益が移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えること、及び犯罪による収益の移転がその剝奪や被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転の防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的として制定されたもの

主に、既存の口座を売買した際に該当する法律で、違反した場合には、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

具体的な内容については、次の表をご覧ください。

対象者具体的な内容
買う側■ 他人になりすまして、金融機関と預貯金契約を結び(口座開設)、
預金口座やそれに係るサービスを利用すること、他の人に使用させることを目的に、
預貯金通帳やキャッシュカード、振込に必要な情報を譲渡・交付・提供すること
売る側■ 正当な理由(普通の商取引や金融取引)がないのに、
金銭を支払って、預貯金通帳やキャッシュカード、振込に必要な情報の譲渡・交付・提供すること

■ 口座売買の勧誘または広告を行うこと

逮捕リスクを避けるためにも、目先の報酬に囚われず、口座売買に関与しないことが賢明ではないでしょうか。

第二十八条

他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十七号に掲げる特定事業者に限る。以下この条において同じ。)との間における預貯金契約(別表第二条第二項第一号から第三十八号までに掲げる者の項の下欄に規定する預貯金契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。

 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。

2. 詐欺罪

口座売買は、「詐欺罪」に該当する可能性もあるため、注意しましょう。

「詐欺罪」とは、人を騙して財物(お金や物)や財産上の利益を得る犯罪です。

最初から口座売買を目的にしているにも関わらず、「給与の振込用口座」などと、目的を偽り口座を開設すること(本来の目的を隠し、口座開設をすること)は、金融機関に対する詐欺罪に該当します。

違反した場合には、10年以下の懲役となり、罰金刑は規定されていません。

その理由として、刑罰において、懲役刑の方が罰金刑より厳しいものであることからもわかるように、詐欺罪が重い部類の犯罪行為であることが挙げられます。

(詐欺)

第二百四十六条

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「口座売買」により逮捕された場合の流れ

こちらの章では、口座売買により逮捕された場合の流れ(刑事手続の流れ)についてご紹介します。

たとえ初犯であっても、犯罪による収益の移転防止に関する法律や詐欺罪に問われてしまう点にご留意ください。

詳しい内容については、次の表をご覧ください。

逮捕後の流れ具体的な内容
1.  逮捕後の身柄拘束:警察■ 48時間以内身柄拘束:警察署内の勾留場へ収容され、警察官による取調べが行われる。

※自宅へ帰ることや学校・仕事へ行くことは許されない
2. 送致:検察官■ 48時間以内に被疑者の身柄が警察から検察へ引き継がれる。

検察官による取調べが行われ、身柄を拘束するか否か判断される。
3. 勾留請求:検察官身柄を拘束すると判断された場合、裁判官に対し、「勾留請求」を行う。

勾留請求の際には、裁判官から「勾留質問」を受ける。その返答をもとに、身柄を勾留するか否か判断される。
4. 勾留:警察官・検察官勾留が決定した場合、10日間という期間、留置場で身柄の拘束となり、警察官や検察官からの取り調べを受ける。

※ただし、一定の要件を満たせば、10日間を上限に勾留延長となり、最大20日間身柄を拘束される。
5. 起訴:検察官■ 勾留の最終日までに、検察官が起訴・不起訴の判断を下す。

「起訴」:刑事裁判を提起する(公訴)
「不起訴」:釈放される

※闇バイトなど、複数の事件に関与した場合、再び逮捕されるケースも存在する。
6. 勾留■ 起訴が決定した場合、被疑者から「被告人」へと立場が変わり、警察署の留置場から拘置所へと移送される。

■ 勾留は、刑事裁判が終わるまでの期間であるが、「保釈請求(一時的な身柄開放)が可能となる。
7. 刑事裁判■ 起訴から約1、2か月後に刑事裁判となる。およそ月1回の頻度で公判が開かれ、判決が下される。

「実刑判決」:すぐに刑務所に収監される
「執行猶予」:刑務所に収監されるまでの猶予期間が設けられる

「口座売買」のリスク

こちらの章では、口座売買の注意喚起の違法行為である「口座売買」をするリスクについてご紹介します。

口座売買に関する具体的なリスクは、次の通りです。

1. 銀行口座が凍結されたり、口座開設が制限される可能性がある

冒頭で、「口座売買された預貯金口座は特殊詐欺などの犯罪に悪用される傾向が高い」とご紹介しました。

口座売買で取引された銀行口座が特殊詐欺に利用された疑いがある場合、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関す法律 に基づき、該当の口座を連結する可能性があります。

預金口座等が犯罪に利用されたと疑うに足りる相当な理由があると金融機関が認めた場合において、当該預金口座等に係る債権が消滅手続の対象となります。

また、特殊詐欺に利用された預貯金口座(A)だけでなく、ご自身名義の他の金融機関の口座(B)までも連結されるリスクがあります。

口座凍結になると、次の項目が制限されるため、注意が必要です。

  • 出入金(預入・引き出し)
  • 振込
  • 送金
  • 公共料金の引き落とし
  • 定期預金の解約や契約内容の変更
  • 口座からの自動引き落とし
  • 貸金庫の開錠

重ねて、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関す法律により、新規口座開設が制限される可能性がある点にご留意ください。

口座凍結の解除には手続が必要

警察と金融機関に対し、交渉が必要です。警察には、報告書や意見書を提出し、事情説明を行い、不正行為に関与していない証拠を提出します。金融機関にも、同じく、報告書や意見書を提出し、交渉を進めるため、弁護士などの専門家に今後の対応など相談することを推奨します。

2. 就職・転職などが不利になる可能性がある

就職や転職が不利になる可能性がある理由は、次の3点挙げられます。

  1. 就職・転職先に給与の振込先を申告する際に、振込先を申告できない場合、口座売買の事実が判明し、採用取り消しになる恐れがあるため
  2. 就職活動や転職活動時、事前に前科の有無を申告することが求められる際に、採用を見送られる恐れがあるため
  3. 前科により、特定の職業や業界では、前科があると就業することが許可されないため

それぞれの項目について、簡単にご説明させていただきます。

1点目「振込先の申告」について

ほとんどの企業で給与の振込先の申告義務があり、申告の対象から外れる可能性があるのは、現金支給の会社に限ります。

2点目「前科の事前申告」について

自ら報告する法律的な義務はありませんが、企業側から事前に前科の有無を申告することが求められる可能性があります。

ただし、嘘の申告が露呈した場合には、経歴詐称などの理由で解雇に至る場合がある点にご留意ください。

また、仕事で海外出張の必要性がある場合、ビザやパスポート取得ができないケースや渡航先の入国制限がある点に注意する必要があります。

3点目の「職業制限」について

特定の職業や業界では、前科があると就業することが許可されません。

前科による就業制限として、弁護士や教員、医師、税理士などの国家公務員資格を有する職業をはじめ、警備員や金融に関する職業に制限が設けられます。

3. 実名報道される可能性がある

昨今、「頂き女子りりちゃん」と呼ばれる女性による詐欺事件が連日報道されるなど、特殊詐欺に関するニュースは、メディアの注目を集めやすい話題の一つです。

詐欺の計画を立てた首謀者でなく、闇バイトによる募集で行われた口座売買の取引であっても、報道の対象となる可能性があります。

報道される際には、顔写真や実名が公表されることから、口座売買をした本人だけでなく、その家族も社会的な制裁を受けることも少なくありません。

目先の利益にとらわれず、周囲の人間関係の悪化、職場や学校での扱いなど、個人のプライバシーや名誉に対する影響について考慮する必要があります。

4. 学校や会社にバレる可能性がある

先にご紹介した実名報道に加え、逮捕時の拘束や勾留期間中は、自宅に帰ることはもちろん、学校や会社に行くことを禁止されているとご紹介しました。

そのため、一定期間不在であることを不審に思われる可能性が高いです。

学生の場合、各学校ごとの規則に基づき「退学処分」といった厳しい処分が下される場合があります。

一方、社会人の場合には、各企業の就業規則に基づき、特殊詐欺事件への関与は深刻な問題と見なされ、「懲戒処分」が下されることが一般的です。

社会的信用やキャリア、学歴などに悪影響を及ぼすことが予想されるため、犯罪に加担することは決して賢明な選択とは言えないでしょう。

「口座売買」をした口座名義人から返金してもらうためには

口座売買をした口座名義人の口座から返金してもらうためには、「振り込め詐欺救済法犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律をもとに、法的手続を行う必要があります。

「振り込め詐欺救済法」とは、振り込め詐欺等の被害に遭われた方のために、金融機関の犯罪利用口座に振り込まれ、口座に滞留している犯罪被害金の支払手続等を定めた法律です。

具体的には、振込先の銀行判断で、犯罪被害によって資金の振り込まれた銀行口座を凍結(口座への出入金の停止)し、一定の条件を満たすと、被害者が被害回復分配金(凍結口座の残金)を受け取ることのできるといった手続です。

これらの手続の対象となるのは、振り込め詐欺(オレオレ詐欺、融資保証金詐欺、架空請求詐欺、還付金等詐欺)をはじめ、一般的な詐欺(架空請求など)や恐喝などの犯罪被害に遭い、被害資金の振込をした場合となります。

被害回復金受け取りまでの流れ

こちらの節では、被害者から該当の金融機関に対し、直接申し出る際の被害回復分配金受け取りまでの一般的な流れについてご紹介します。

「被害回復分配金支払申請」をする際には、必ず期間内に手続をすることに加え、必要書類を不足しないように準備する必要がある点にご留意ください。

具体的な内容については、次の表をご覧ください。

被害回復分配金受け取りの流れ
1. 犯罪被害によって資金の振り込まれた銀行口座が凍結される。
2. 預金保険機構のホームページに該当口座の情報や口座名義人の氏名などが公開される。
3. 公開後、60日以内に「自己の権利行使」を主張する届出がない場合、口座名義人の権利が消滅する。
4. 被害者からの「被害回復分配金支払申請」の受付が開始される。
5. 被害者は、90日の被害回復分配金支払申請の期間中に、振込先の金融機関に対して申請をする。
※申請書は、最寄りの該当金融機関で請求できる。また、預金保険機構や金融庁のホームページからもダウンロード可能。
※ 申請の際には、次の書類を揃える必要がある:本人確認資料(運転免許証や健康保険証の写しなど)、振込明細の写しまたはその振込が記帳されている通帳の写し、警察への被害届の受理番号、振込の原因となる書類の写し(振込を請求された際の証拠)など
6. 金融機関が支払該当者を精査し、被害回復分配金受け取りとなる。
ここで注意したいのは、該当口座の口座残高により、受け取り金額が異なるため、被害額を全て受け取ることができるわけでではないという点です。

理由としては、詐欺被害者が複数人いる場合、被害回復分配金は被害額に応じ、各被害者に配分されるためです。

また、詐欺師がすでに口座からお金を引き出してしまっており、口座残高が1,000円未満の場合、被害金の返還の対象となりません。

弁護士からの通報による口座凍結も可能

公的機関(警察等の捜査機関・金融庁・消費者センター・弁護士会)や弁護士、認定司法書士からの通報による口座凍結のルートがあります。

特殊詐欺の被害者が公的機関や弁護士などの専門機関に相談し、相談先が該当の金融機関に対し、書面または電話により通報するといった形です。

弁護士からの通報する場合には、振込明細の写しとともに、日本弁護士連合会制定の統一書式により申請を行います。

また、銀行口座に関する情報しかなくても、裁判所や弁護士会の照会(弁護士法 第23条)により、口座名義人の住所を特定しての直接交渉や警察との連携による捜査など、様々な手段で被害回復のためサポートが可能です。

従って、公的機関と併せて、弁護士による情報提供は、口座凍結される傾向が高いとされています。

(報告の請求)

第二十三条の二 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

「特殊詐欺」に遭った場合の相談先

こちらの章では、特殊詐欺の被害に遭った場合に相談できる機関についてご紹介します。

万が一、被害が判明した際には、早急に下記の窓口にて助けを求めてください。

また、次のようなケースに遭遇した場合には、詐欺の被害に巻き込まれた可能性があるため、直ちに弁護士などの専門機関に相談することを推奨します。

  • 他人名義の口座に振り込むよう指示がされた場合
  • 実際に第三者名義の口座に振り込んでしまった場合

重ねて、ご自身で詐欺であるか判断がつかない場合、実際に振り込みをする前に、家族や友人をはじめ、信頼できる人物に相談するよう徹底しましょう。

1. 国民生活センター・消費者ホットライン

事件の当事者になると、動転して、何に困っているのか分からなくなってしまったり、大きな不安や恐怖感に襲われるといったケースも少なくありません。

国が運営する独立行政法人である「国民生活センター」とは、消費者の権利や法律に関する情報提供や相談支援を行っています。

専門の相談員が適切な対処方法法的解決手続についてアドバイスを提供してもらえるため、専門機関の力を借りることも推奨します。

また、国民生活センターでは、消費者が安心して生活できるよう、電話での無料相談も可能です。

さまざまなサポートを提供しているため、今後の対応について、アドバイスを仰ぐのも一つの選択肢ではないでしょうか。

消費者ホットライン

特殊詐欺について、どの機関に相談すれば良いかわからない場合、最寄りの相談先を紹介してもらえる消費者ホットラインに問い合わせましょう。

地方公共団体が設置している、消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してもらえます。

  • 電話番号:188
  • 受付時間:相談窓口により異なる
  • 通話料金:無料

2. 警察

実際に特殊詐欺の被害に遭った場合には、詐欺被害の届出を提出するためにも、警察に相談することを躊躇せず、次の情報を伝えましょう。

  • 「特殊詐欺」に遭った流れ
  • 特殊詐欺の被害額
  • 振込先情報(店番号・口座番号・氏名など)
  • 入金をした記録
  • 詐欺師の情報(メールアドレスや電話番号などの連絡先)
  • メールやSMS(ショートメッセージ)の場合は、やり取りした内容がわかるもの
  • 現在の状況

相談する際には、「#9110」に問い合わせましょう。

※「110」は、すぐに警察官に駆けつけてもらいたい緊急の事件・事故などを受け付ける通報ダイヤルです。

詐欺の被害を的確に報告することで、相談内容に準じて、今度の対応についてのアドバイスをはじめ、状況に応じて、詐欺師への警告や検挙などの措置を行うことが可能です。

ただし、被害金の返還手続は管轄外のため、弁護士に依頼することを推奨します。

「 口座売買」をした口座名義人からの返金を求める場合には弁護士に相談しましょう

1. 「最適な解決方法」で被害金返金へ向けアプローチ

弁護士に相談することで、口座売買を行った口座名義人からの返金を求める際、最適な解決策を見つけることができます。

弁護士は法的観点から状況を分析し、客観的な視点で問題を捉え解決策を提案できるため、被害金の返金問題に対し、冷静に対処することが可能です。

煩雑な手続や返還手続に関する書類作成金融機関との交渉、さらに被害者本人では口座名義人が応じない場合も、代理人として介入することで、問題解決をスムーズに進めることができます。

また、弁護士は詐欺事案に関する業務の幅に制限がなく、裁判が必要となった場合でも、迅速かつ効果的な対応が期待できます。

特に、詐欺事案の解決を得意とする法律事務所では、経験豊富相談実績も多いことから、相談者の頼もしいサポートとなるのではないでしょうか。

2. 被害金の返還請求手続の代理も可能

口座名義人および詐欺師から返金を求める場合、つまり詐欺問題解決には、スピード感を持って対処することが最も重要なポイントです。

警察や消費者センターなどの機関は、詐欺事件の捜査や該当者の逮捕、適切な対処方法についてのアドバイスは可能ですが、被害金の返還請求は管轄外です。

一方で、弁護士であれば、被害金の返還請求に関する手続を請け負うことができます。

相談者様と口座名義人の間での交渉が難航する場合でも、弁護士の交渉力が加わることで、円滑に物事を進められるのも大きなメリットではないでしょうか。

弁護士には、法的関連で対応可能な業務や裁判所・審理の制限がないため、相談者の状況に最も適した手段で、問題解決へ向けアプローチを講じられます。

3. 刑事告訴や民事責任の追及を行う際の手続をサポートしてもらえる

相手方を刑事告訴する場合、その手続や警察とのやり取りには、法的知識はもちろんのこと、独自のノウハウが必要不可欠です。

弁護士は、法的な手続や訴訟に精通しており、適切な法的戦略を立案し、返金を求めるプロセスを円滑に進めます。

弁護士に依頼することで、内容証明の送付警察への被害届提出、その後の対応まで一任できるなど、スムーズな問題解決精神的負担を軽減する一助となるのではないでしょうか。

重ねて、振込先の口座に残高がなく、そこから被害金の分配を受けることができない場合に、民事責任追及のため、口座名義人に対し損害賠償請求等を行うことも可能です。

必要書類の準備作成相手方との交渉まで請け負ってもらえることから、相談者の時間と手間を削減することにも繋がります。

また、直接出向かなくても、LINEやフリーダイヤルでの電話相談を無料で受けてくれる法律事務所も増加傾向にあります。

法律の専門家である弁護士の知識と経験を頼りに、あなたにとって最適な対応策を見つけましょう。

まとめ

ここまで、口座売買をした口座名義人から被害金の返金ができるのか、特殊詐欺に対する注意喚起の意味を踏まえ、口座売買の概要や仕組み、リスク、被害回復分配金の申請方法など、徹底解説させていただきました。

繰り返しとなりますが、口座売買は、額報酬の副業やアルバイト募集を謳っていても、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称:犯罪収益移転防止法)「詐欺罪」の対象となる違法行為です。

口座売買を未然に防ぐためにも、口座売買により逮捕された際のリスクについて、次の項目にご留意ください。

  • 銀行口座が凍結されたり、口座開設が制限される可能性がある
  • 職業制限されたり、就職・転職時に不利になる可能性がある
  • 実名報道され、周囲の人間関係の悪化や個人のプライバシーや名誉に対する悪影響を受ける可能性がある
  • 学校や会社に口座売買の事実が露呈し、退学処分や懲戒処分になる可能性がある

詐欺であるか判断が難しい場合に遭遇した際には、周囲の人間がアドバイスしたり、本人が少しでも違和感を感じた際には、1人で問題解決しようとせず、第三者に相談することをおすすめします。

身近な人に打ち明けづらい場合はもちろん、これ以上被害を拡大させないためにも、警察・消費センターなどの公的機関弁護士などの専門家に相談し、アドバイスをもらうことが、詐欺被害解決への多いな一歩に繋がるのではないでしょうか。

万が一、他人名義の口座に振り込むよう指示がされた場合実際に第三者名義の口座に振り込んでしまった際には、詐欺に遭った可能性があるため、直ちにご相談ください。

※こちらの記事は、2024年5月30日時点の情報です。

お問い合わせ先

【XP法律事務所】

  • 代表弁護士:今井 健仁(第二東京弁護士会)
  • 所在地:〒104-0061 中央区銀座1-15-4 銀座一丁目ビル13階
  • TEL:0120-239-235(詐欺問題専用番号)
  • ホームページ:https://sagihigai-henkinsoudan.jp/illust02/02/g/lad/

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