風評被害
【2024年最新】SNSに無許可で写真を晒された⁉︎肖像権侵害と著作権との違いを徹底解説!
昨今、SNSで手軽に情報発信・入手ができるようになった一方で、「無許可で写真を撮影された」「衣服の中や裸を盗撮された」などのトラブルが問題視されているのも現実です。本記事では、万が一、ご自身やご家族の写真(画像)を無断で撮影されたり、その写真を投稿された場合のためにも、肖像権侵害と対処法について徹底解説させていただきます。
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昨今、インターネットの発達により、Instagramや Twitter(現X)をはじめとする、SNS(ソーシャルメディア)が日々の生活になくてはならないものとなりました。
次々と新たなSNSが誕生し、手軽に情報発信・入手ができるようになったことで、世代を問わず、多くの人を魅了しています。
その一方で、「無許可で写真を撮影された」「衣服の中や裸を盗撮された」などのトラブルが問題視されているのも現実です。
これらの写真は「肖像権」を侵害しているものも多く、知らぬ間に被害者になっていた、などのケースも存在します。
本記事では、万が一、ご自身やご家族の写真(画像)を勝手に投稿された場合のためにも、肖像権侵害と対処法について徹底解説させていただきます。
この記事がSNS等に無許可で写真を投稿されてお困りの方や実際に肖像権侵害について弁護士に相談することを検討するか迷っている方の参考となりましたら幸いです。
XP法律事務所では、SNS(ソーシャルメディア)をはじめとするインターネット上のコンテンツにおける肖像権侵害事案に対し、削除請求や送信防止措置依頼、仮処分申立て、損害賠償請求など、最適な解決へ向け、相談者様のニーズに寄り添い、法的トータルソリューションを提供しています。
相談者様のリーガルコンサルタントとして、弁護士の知識と経験を活かした効果的なアプローチを頼りに、SNSをはじめとするインターネット上のコンテンツにおける、無断転載アカウントに対し、適切かつ効率的な対応策を見つけましょう。
InstagramやTwitter(現X)などのSNSにおいて、著作権侵害や誹謗中傷、プライバシー権侵害を受けた場合でお困りの方やご不明点がある方は、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。
そもそも「肖像権」とは何か?
「肖像権」とは無断で自身の顔や容姿を撮影されたり、撮られた写真(画像)を公表されない権利のことです。
具体的には、次の人格的利益を保護する権利(1,2)と経済的利益(3)を保護する権利を有しています。
- 自己の容姿をみだりに撮影されない権利
- 撮影された写真=肖像を勝手に使用されたり、公表されない権利:プライバシー権利
- 肖像を利用するにあたり、本人の財産的利益を保護する権利:パブリシティ権
誰にでも一律に認められる権利です。無承諾で自身の顔や体を撮影されたり、その写真を公開されたりしないようにすることを目的としています。
有名人のみ認められた権利です。芸能人やスポーツ選手は、顧客誘引力があることから、商業的・経済的価値を保護することを目的としています。
後ほど詳しくご説明しますが、肖像権を侵害した場合、無許可で撮影された写真などの削除を求めたり、インターネット上に公開された場合にはその削除を請求できるほか、損害賠償請求を行うことも可能です。
肖像権の根拠
実は、「肖像権」は、法律上明文化された権利ではなく、次の裁判例などで認められた権利です。
二 何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有し、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し許されない。
- 《引用》
- 裁判年月日:昭和44年12月24日
- 事件番号:昭和40(あ)1187
- 法廷名:最高裁判所大法廷
また、肖像権の根拠として「幸福追求権」の一環として解釈上認められています。
「幸福追求権」は、個人の尊厳や基本的人権を保護し、幸福な生活を送る権利を確立することを趣旨としており、自らの意思に基づく契約や社会、国家との契約などの制約に反しない限り、人間は自由に社会生活を送る権利を持つとされているのです。
つまり、肖像権は個人の自由や尊厳を保護し、社会生活を送る上での基本的な利益を確保するための重要な権利であるとされているのです。
第三章 国民の権利及び義務
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
肖像権侵害が認められるケース
肖像権の侵害を判断する際には、「本人の同意を得たか否か」が重要となります。
家族や知人であっても、撮影の際には同意を取り、公開時には、個人情報が特定されないよう配慮するとともに、削除を依頼された場合には、きちんと受け入れることが大切です。
重ねて、第三者の写真を無断で撮影・公表しないことは前提ですが、風景写真などを撮影する際に映り込んでしまった場合には、モザイク加工などの処理を行うほか、顔が識別できないものを投稿するよう徹底しましょう。
無許可で撮影・使用・公表した場合、平成17年11月10日の判決をもとに、肖像権侵害行為であるか、総合的に判断することになります。
具体的な内容は次の図をご覧ください。
肖像権侵害か否かの判断基準 |
撮影された人の社会的地位 |
撮影された人の活動内容 |
撮影場所 |
撮影目的 |
撮影された様子 |
撮影の必要性 |
1 人はみだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し,ある者の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。
- 《引用》
- 裁判年月日:平成17年11月10日
- 事件番号:平成15(受)281
- 法廷名: 最高裁判所第一小法廷
具体的には、次の項目に該当する場合、肖像権の侵害として、民事的責任を追求することになります。
- 個人が特定可能であるか否か(顔が鮮明に映っている・モザイクなどの加工なし)
- 拡散性の高さ(不特定多数が見れるSNS等で公開された)
- 撮影場所(公衆の場ではなく、自宅内などプライベートな空間)
- 撮影・使用・公表許可の有無(撮影・使用・公表の許可を出していない)
- 撮影目的(報道目的など公益的目的ではない・犯罪予防目的ではない)
- 撮影対象者の様子(水着姿・裸など)
特に、匿名性のあるSNS等で無許可で撮影された場合、悪意を持って撮影された写真は、事実を問わず拡散しやすい傾向にあります。
万が一、上記のような条件で、ご自身やご家族の写真(画像)を無断で投稿された場合には、早期解決のためにも、弁護士に相談することを検討しましょう。
肖像権と類似で考えられる「著作権」とは?
「著作権」とは、著作者の財産的利益を守る権利のことです。
前提として、「著作物」とは《自身の思想や感情を創作的に表現したもの》を指し、「著作者」とは、《著作物を創作する人》を意味します。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。
また、著作者の権利を守り、文化の発展に寄与することを目的とし「著作権法」が定められています。
(目的)
第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
具体的な著作物の一例として、著作者が個人・企業問わず、次のような項目が挙げられます。
上記の引用の通り、写真も著作権を有していることがわかります。
(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
万が一、著作権を侵害した場合には、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が課せられます。
無断転載を発見した場合、投稿者の特定を行うことで、損害賠償請求することが可能です。
今後の対応について適切かつ迅速な処置を講じるためにも、早めに弁護士へ相談することを検討しましょう。
著作権と肖像権の違い
著作権と肖像権の違いを簡単にまとめると、著作権は作品(もの)を、肖像権は人の顔や姿を守るものです。
具体的な内容については、簡単に内容をまとめた、次の図をご覧ください。
項目/権利 | 著作権 | 肖像権 |
対象の違い | 著作物(創作物)を保護(例:写真、文学作品、音楽、美術作品、映画、ソフトウェアなど) | 個人の肖像を保護 |
保護内容の違い | 著作者の権利を守り、文化の発展に寄与することを目的とする。 | 個人のプライバシーや肖像の使用に関する権利を守る |
法的根拠の違い | 著作権法で認められた権利 | 法律上明文化された権利ではなく、次の裁判例などで認められた権利 |
肖像権侵害の被害に遭った場合の対処法
こちらの章では、本記事のメインテーマである「肖像権侵害」に遭った場合の対処法について、5つの項目に分けてご紹介します。
万が一、SNSをはじめとするインターネット上のプラットフォームにおいて、権利侵害を受けた際には、こちらの章でご紹介する対象法を参考にしてください。
- SNSの運営に対し、肖像権侵害の被害を報告をする
- 弁護士よる任意の削除依頼
- 弁護士による差止請求・損害賠償請求
1. SNSの運営に対し、肖像権侵害の被害を報告をする
具体的な手続が不明な場合は、各SNSごとのガイドライン等をご覧ください。
ただし、専用フォームがない場合には、公式HPに記載されているメールアドレス宛に削除依頼を行うことになります。
削除依頼を行う際には、次の項目を記載することを心掛けましょう。
▼削除依頼を行う際に記載すべき情報
記載する情報 | 具体的な内容 |
1. 個人情報 | 削除請求者の氏名・連絡先情報(電話番号・メールアドレスなど) |
2. 被害情報 | 削除を要求する具体的な情報やコンテンツ・投稿のURL、投稿日時などの詳細 |
3. 請求理由 | なぜその写真(画像)が削除されるべきであるか、具体的な根拠や法的な要件を記載し、明確に伝える |
4. 権利侵害の証拠 | 権利侵害が発生していることを裏付けるための証拠として、スクリーンショットや関連する文書などを添付する |
5. 法的な根拠 | 削除請求の根拠となる法的規定や前例を記載する |
6. 署名 | 削除請求者の署名と日付を記載する |
ここで注意したいのは、任意の削除依頼のため、裁判所の判断や弁護士による依頼がない場合には、削除依頼に応じてもらえない可能性があるといった点です。
ただし、法的な制約のある削除代行を行う際に、弁護士以外が法的な手続や代理行為を行うことは、「非弁行為」に該当する可能性があるため、注意しましょう。
重ねて、追加の対応が必要になる場合もあるため、適切なアドバイスを得るためにも、法律の専門家である弁護士に依頼することを検討することをおすすめします。
2. 弁護士よる任意の削除依頼
弁護士に依頼することで、法的な根拠や規制に基づき削除依頼を行うことから、SNSの運営に対し、より説得力のある理由を提示できる点が大きなメリットではないでしょうか。
一方で、企業が運営するSNSでは、弁護士が代理人として専用フォームから削除依頼をした場合でも、対応してもらえないケースが存在します。
特に、内容証明の送付することで、本格的に裁判所を通した差止請求や損害賠償請求を行うことを示唆できます。
法的な請求をする際には、請求事実を証明できるため、相手方に心理的プレッシャーを与えるといった側面も持ち合わせています。
法的請求を検討する際には、トラブルが生じた場合にも、法的観点から迅速かつ効果的な対応を行える弁護士に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。
3. 弁護士による差止請求・損害賠償請求
差止請求や損害請求をする際、SNS等のインターネット上のプラットフォーム上に投稿した人物(投稿者)が特定できない場合には、「発信者情報開示請求」などの法的手続を行う必要があります。
まず、SNS等の管理者または運営者等に「IP(アイピー)アドレス」などの情報の開示を求め、これらの情報をもとにプロバイダの特定を行います。
特定されたプロバイダに発信者情報の開示請求(氏名・住所など)をし、発信者、つまり投稿者を特定します。
前提として、プロバイダとは、インターネット回線と装置を通じて、自宅内の通信機器をインターネットにつなげるサービスを提供している事業者のことです。
ネットワーク通信を行う際に、スマホやPCなどの機器に割り振られる識別番号を指します。言い換えると、インターネットで通信するための住所のことです。
その後、特定された相手に対し、損害賠償請求(民法709条)をしますが、すぐに裁判をするのではありません。
「示談交渉」にて、双方が譲歩しながら話し合いを進めますが、双方の合意が得られない場合は、訴訟を提起することになります。
インターネット分野に詳しい弁護士に相談し、早期解決を目指しましょう。
▼発信者の特定につながる情報の具体例
発信者の特定につながる情報の具体例 |
1. 発信者その他「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「氏名や名称」 |
2. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「住所」 |
3. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信または侵害関連通信に係る者の「電話番号」 |
4. 発信者「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信又は侵害関連通信に係る者の「電子メールアドレス」 |
5. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る「IP(アイピー)アドレス」 |
6. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る移動端末設備からの「インターネット接続サービス利用者識別符号」 |
7. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」の送信に係る「SIM(シム)識別番号」 |
8.「IPアドレス」を割り当てられた電気通信設備・「インターネット接続サービス利用者識別符号」に係る移動端末設備・「SIM識別番号」に係る移動端末設備から、「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」が送信された年月日・時刻 |
9. 「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連の通信に係る「IPアドレス」・当該IPアドレスに組み合わされた「ポート番号」 |
10. 専ら侵害関連通信に係るインターネット接続サービス「利用者識別符号」・当該インターネット接続サービス利用者識別符号に係る「移動端末設備」 |
11. 専ら「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信に係る「SIM識別番号」・当該SIM識別番号に係る「移動端末設備」 |
12. 専ら「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信に係る「SMS電話番号」 |
13. 「IPアドレス」を割り当てられた電気通信設備・インターネット接続サービス利用者識別符号に係る「移動端末設備」・「SIM識別番号」に係る移動端末設備・「SMS電話番号」に係る移動端末設備から、「侵害情報(被害者が権利侵害を主張する情報)」関連通信が行われた年月日・時刻 |
14. 発信者等についての「利用管理符号」 |
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則
肖像権と著作権に関するご相談はXP法律事務所へ
ここまで、肖像権侵害と対処法について、徹底解説させていただきました。
SNS等の拡散性の高いインターネット上のプラットフォームに、ご自身やご家族の写真(画像)を勝手に投稿された場合、知らぬ間に拡散されたり、悪用される可能性が高いです。
従って、肖像権の侵害による被害を最小限に抑えるためにも、早期段階で弁護士に今後の対応について相談し、迅速に行動することが重要ではないでしょうか。
また、肖像権は、法律上明文化された権利ではなく、判例に基づき認められた権利であるため、弁護士の知識と経験を活かした効果的なアプローチが求められます。
インターネット分野に強い弁護士に相談することで、最適な解決へ向け、弁護士名義での内容証明郵便の送付をはじめ、発信者情報開示請求、差止請求、相手方との示談交渉、損害賠償請求まで、不備なく速やかに問題解決ができるようサポートが可能です。
SNS等における肖像権侵害に関する法的トラブルについては、XP法律事務所までお気軽にご相談ください。
※こちらの記事は、2024年3月18日時点の情報です。
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